あらためて、輸入木材について思うこと

輸入材はピンからキリまで。そしてその国の姿勢を問うのでなければ、安易な方向に流れてしまうのではないだろうか。

 現在、日本で建築用に使用されている木材の内、輸入材が占める割合は80%に達しています。戦後60年を経た日本の木材は、戦後植林されて、建築用に十分に使用できるだけに育ち、有り余っている状況なのに、国産材のシェアは、ますます低下するばかりです。
 毎年国産材が育つ量と国内で使用される木材の量は、ほぼ同数です。なのにその内の20%以下しか利用されていません。ということは、残りの80%の材木は、市場に出荷されることなく、余剰材として森林に残り続けていることになります。
 日本国内にあって、国産材の蓄積分を循環型資源として利用しないと、日本の森林は、計画的な植林が出来なくなります。人が山に入り、継続的に手入れをしていかないと、山と森は荒れます。山の保水力は低下して、大量の降雨に耐えられないようになります。
 またそのために、山の栄養が河川を通じて、海に運ばれなくなってしまいます。その結果、沿岸部の海の幸が育つことが出来なくなり、私達の日本人は、食糧の海外依存を高めてしまうことになってしまうのです。
 食物連鎖という言葉がありますが、あらゆる生態系は、それ自体で独立しているのではなく、すべてが連関し合い、活かし合っているのです。

 それゆえ日本が日本の木を使わずにいれば、日本の山や海、そして空の環境は、確実に悪化の一途を辿ります。このまま野放図に、海外の木材ばかりを輸入し、利用し続けることは、私たち日本の領域の環境悪化と日本人の生活文化を破壊していることになるのです。

 ある著名な人が、本物の木の家を造るといって、当初は国産材を専門的に利用していたのですが、もっと安いものはないかと、海外の材料を探して、良材を見つけては、輸入を開始しました。
 確かにその人の木を見る目は確かだったため、いわゆる輸入ブローカーの建材メーカーや材木商とは異なり、優良な輸入材が入手できるようになりました。

 でも何かを見落としているように思います。
 彼は家づくりの職人として自認している人ですから、動機は決して悪くはありません。東南アジア諸国や中国からも輸入を始めました。
 
 中国から桐を主に輸入しているようです。桐は確かに中国のものですが、ついでにから松なども入るようになります。
 から松の産地は、中国よりもシベリアです。違法伐採されたから松などが、国境を越えて、中国産として、日本に輸入されています。
 その方は、自分の目で見たものしか輸入しないというこだわりを持った方なので、盗伐材などに手は出さないと思います。
 しかし問題は、その輸入元の中国という国にあります。

 中国を旅行すれば分かりますが、違法なコピー商品が、店頭で堂々と販売されている国です。漢方薬なども、日本人用に作った薬局に観光客を招き入れ、地元で100円からせいぜい200円ぐらいで取引されているものを、1万円以上で売りつけています。
 そして中国は京都議定書に批准しない国です。環境問題は、今中国の深奥部で、確実に拡大し、放置されています。

 かつて40年から30数年前の日本では、多くの公害問題が発生しました。その多くは解決されてきましたが、今だの未解決の公害裁判がたくさんあります。
 それだけ公害による環境問題は、根が深く、簡単に浄化できないし、住民を遺伝子レベルで傷つける恐ろしい問題なのです。じっくりと時間をかけ、少しずつではあれ、一歩一歩の努力でしか、改善できないのが現実なのです。
 かつて北九州市は、小学校の校歌にも「七色の煙」と称揚された時期がありました。それはしばらくして、光化学スモッグとして、市民に襲い掛かりました。
 洞海湾という入り江がありますが、その当時は、海面の色まで七色でした。
 外国船の船乗りが、長旅の果てに入港し、何も知らずに洞海湾に飛び込んで、二度と浮き上がって来ないなんてことは、しばしば発生していました。
 湾の近くの河川は、白く泡立っていました。北九州市の北部の海べたは、真っ赤に染まっていました。

 光化学スモッグ、水俣病、川崎病、イタイイタイ病、カネミオイル「病」、・・・まだ他にも隠れた公害病がたくさんありました。六価クロム、アスベスト、その他ゴミの違法投棄、軽油の違法製造の結果に排出される硫化化合物は、放置されて、地中に浸透しています。
 いずれ、ある日突然公害に変化するでしょう。
 白い泡の河川、ペンキで塗ったような青い河、赤い河、黄色や緑色の用水路、異臭を放つ地下水路、毒素だらけの井戸水等々、私たち日本人にとっても、決して昨日の話しではないのです。

 40年前の日本に存在した公害が、今中国の各地で発生しています。
 中国は一党独裁政治の国ですし、企業活動は、その地の役人と密接に癒着しています。
 日本では、公害問題を、いまだ完全とはいえないものの、35年以上の時間をかけて、かなり改善してきていますが、それでもまだ発生しているのが現状なのです。
 果たして中国が、公害問題に直面して、どれくらいの質と時間で解決できるでしょうか?どう考えても、日本がかけてきた時間の倍近くは掛かるのではないでしょうか?
 環境に無頓着な国から、木を輸入することは、おそらく環境破壊を促進することになると思います。
 皆さんはどう思いますか?
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by MUKUZAIKENKYU | 2005-09-19 11:48 | 木 無垢材 自然
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