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8月15日に想うこと

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


8月15日に想うこと。


 なにゆえか、亡くなった親父のことを思い出す。・・・そんな生き方しかできなかった親父、・・・今夜再び冥途に戻るだろう親父、・・・もうちょっと健康的に生活していたら、まだ呆けることなく存命であったかもしれない、・・・

 今となっては語りかけることもできず、・・・たとえどんな確執があったとしても、・・・健康に生きていれば、何度もチャンスもあっただろうにと・・・親になって、初めて分かる両親の労苦、

 ・・・どんなことがあっても、たとえ自分の身を削っても、子どもには、できる限りのより多くのものを与えたいと頑張る親心、・・・もうちょっと話せる機会があれば、・・・もうちょっと私が意固地でなければ、と。


 そして十数年前に逝ってしまった妹のことも、・・・


 以前観た『火垂る(ほたる)の墓』を思い出す。あの野坂昭如氏の上梓した作品、戦後闇市派を名乗り、奇矯な言動を繰り返し、でも心の底には、一種の怨念のように燃えさかる怒りが通底している。

 『火垂るの墓』の実写版DVDをもらったのだが、依然として観ることができない。観たら、自分がどうなるか分かるから、・・・。いもうと、よ・・・。俺の生き方は正しいのだろうか?俺の辿り着く場所は、一体どんな世界なのだろうか?


 先週から、戦後の検証番組が続いている。突出していたのは、NHKの「日本海軍 400時間の証言」だったか、元海軍の生き残ったエリートたちが、戦後35年を経て語り始めた記録、そして今そのほとんどの方が亡くなっていた。

 戦争に向けて走り始めたときの一連の流れ、戦争を維持するべきか降参すべきか、そして戦犯が上に波及しないための工作、その場で語った元海軍軍人さんたちには敬意を表しつつも、まことに残念な気持ちが・・・ある人が語った「疾しき沈黙」とは、・・・

 

 戦前の教育のせいにするのもおかしくはないだろう、軍部官僚のせいにしても間違ってはいないだろう、国際包囲網のもとで仕方がなかったのかもしれない。

 しかし310万人もの戦死者と戦争被害者を出していながら、なおも本土決戦を目論み、国民には竹槍で機関銃と戦えと煽動した上層部とは、どんな鬼畜生だったのかと考えてしまう。

 国土を守る大義名分で、国民を玉砕させては、戦後の復興は誰が担うというのか。そんな単純なことも想像できなかった軍部とは、まさに迷信を信じる低教養者集団のヒステリー野郎だったのか。

 特攻作戦とは、人を殺す作戦、しかも自国民の精鋭たちを、国づくりの中心的な担い手を殺す作戦。成功率は、航空機で10%(後に米軍の対特攻策で、ほぼゼロ%になる。回天などは0.2%)


 特攻で自ら亡くなられた方々には、最大の哀悼の念を禁じえないが、彼らの意思や無念を政治的に利用する輩は許せない。

 戦争で死んでいった彼らの想いはただひとつ、 

“戦争は二度としてはならぬ”である。


 その遺志こそを守り育て、実現することに、日本の本当の将来が生きてくるのではあるまいか。
by MUKUZAIKENKYU | 2009-08-15 21:43 | 倫理
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