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一押しのスギは?

日本の住まいを良くする無垢材研究会 
 
                     木の住まい案内舎ゲインのゴトウです


 
一押しのスギは?_d0015306_1051127.jpg


 上の写真は、ヒノキの間伐材です。アヤスギの里の奥山に登り、いろんなことが学べました。スギとヒノキが交互に植林されていました。

 間伐材の丸太といっても、木口はヒノキらしく赤みが良い色合をしています。


 アヤスギは、九州ではダントツに木柄が良いのですが、一旦市場に出されると、生産者の思いなどお構いなしに安く叩かれることが多い。

 植林してから、伐採後、製品として世に出すまでの期間の経費と利益は、まず植林する際の利ざやを前提に算出するものです。でも計算したからと言って、それがそのまま通るほど、世の中甘くはありません。

 右肩上がりで計算して投資をしたものの、その後は逆に右肩下がりを続伸。複利計算をすると、完全に元本割れとなり、伐採するだけでも赤字になる。そんな産地は、生き延びるために、国の補助金頼みの経営をするようになります。

 本当は、産地同士で、有効なネットワークを構築して、価格が下落しないように、品質の向上と木の生産量をコントロールしなくてはならないのですが、縦割り行政のために、地域地域で良心的な製材所さんが孤立しているのが現状ではないでしょうか。

 日本の木材自給率を20%という悲惨な状況から抜け出し、100%を回復するために、何をしなければならないか。

 先ずは産地が補助金を当てにしないで自立できるように、川下の消費の側から、もっと積極的に利用する仕掛けを作っていかなくてはならないと考えています。

 補助金を当てにしだすと、本来の企業規模を超えて、常に増産をしなくてはならなくなります。借金を増やして、利潤がそれ以上に入るなら、まだいいでしょう。

 でも実際には、設備投資分だけは製材能力は向上しますが、丁寧さは間違いなく失われてしまいます。しゃにむに人工乾燥を優先して、本当に良い木を作るというより、量を捌くことが主目的に摩り替わってしまうことが多いようです。

 たしかに想いだけでは食べてはいけないかもしれません。でもその想いを忘れたら、山を作ってきたご先祖様に申し訳が立たないと、一所懸命に山を育てる姿こそ、大切に守り育てていかなくてはならないと思います。

一押しのスギは?_d0015306_1173426.jpg


 Mさんに案内されるままに入った山から湧き出ていた水は、実に甘くて美味しかった。この水なら、チャンスがあれば、ポリタンクに入れて持って帰りたいと思いました。

 その山を下りて、次は別の山に向かいました。そこでは小さな命を発見しました。それはまた明日にでも、・・・


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by MUKUZAIKENKYU | 2010-04-20 11:20 | 木の家 国産材 無垢材
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