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青森ヒバと能登ヒバとは…

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです



 昨日は、相談会が一件。そして新たに指定を頂いた物件対応に追われました。

 ゲインでは、建築家の作った図面から積算作業もできるためか、入札業者からは、のっけから数量も教えてくれといわれることがしばしば。

 確かにバッチリ積算はして数量は把握しているのですが、入札は入札です。参加業者の方で、しっかり積算してほしいところです。


 後は、やっぱり人間同士。

 紳士的に打診してくれれば、当然こちらも紳士的に対応します。

 その逆も、また然りで、初対面の相手から、上から目線でモノを言われれば、「こいつ、どんな環境で育ったヤツか!」と、ブチギレそうになります。

 心が荒んだら、必要もないトラブルを自ら招くだけではなく、せっかくのチャンスを遠ざけてしまいます。…ゲインを、舐めてはいけませんよ(笑)


 今日は、北九州小倉の建築家Iさんに頼まれていた“青森ひば”の壁板のサンプルをお届けに行きます。

 そこでちょっと“ひば”という木について一言です。


 ゲインでは、日本にあるヒバとして、上質上等級材として“青森ひば”を、中質節有り材として“能登ヒバ”をお薦めしています。

 これは使い分けする素材で、どちらが良いというものではありません。

 それぞれの地方で、いろんな場面で役に立っている木だから、優劣を言っても仕方ありません。


 ただユーザーさんや建築家が判断するためには、最低限の情報は必要でしょう。

 どちらの産地も、お互いに無視し合っているためか、本当の情報というか選択基準になる情報が少ないのです。

 そこで、ゲインの出番になります。


 歴史面から:

 青森ヒバは、200万年前から、日本に自生生長していたヒノキ科の木。

 能登ヒバは、江戸時代、当時の藩士が、留山である青森ヒバの山から苗木を取り、能登の山に移植したもの。


 青森ヒバは、元々青森一帯ではなく、岩手、宮城においても群生が見られ、古代からは九州までの広い範囲に自生していた。

 江戸時代に、「木曽五木」と呼ばれて、そのひとつに「ひば」が含まれていた。


 以前、その「ひば」は能登ヒバのことを差すという人がいました。果たして、そうだろうか?

 木曽地方から見れば、能登は確かに近い。でも御岳山から白山、立山に阻まれて、流通面は、当時では不可能に近い。

 むしろ当時から自生していたヒバ、すなわち現在の青森ひばの自生林の木曽地方ということであれば、自然と納得できます。


 ヒバやヒノキは、戦国時代に乱伐されて、安土時代にいては、まともな柱に使える丸太にも事欠く有様だったという事実から考えても、また能登ヒバが江戸時代の移植林であったことからも、日本のヒバとは、現在の青森ヒバを差すと思われます。

 移植林ということもありますが、能登地方の気候風土で育った青森ヒバは、適応するために、かなり変化して進化したようです。

 …おっと時間がなくなりました。

 次の機会に、ヒバの機能性能について、じっくりとお話したいと思います。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-15 08:30 | 木の家 国産材 無垢材
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