未来完了形な物語

今日は、ちょっとフィクションのような、でないようなお話


その人はHさんとしましょう

Hさんは、貧困な家庭で生まれました

そのため想像を絶する苦労をしました

でも「今に見ておれ」という気持ちで

泥をかぶるような仕事でも、積極的に引き受けて

少しずつお金を貯めて、20代後半にはひとつの会社を築き上げました


ただ若い時にぐれて、ちょっとした怖がられる存在でした

そのためいろんなチンピラとも付き合いがありました

ワルの親分だった時もありました

だからいわゆる「暴力団」の幹部からも一目置かれる存在でした


そのせいか、堅気の仕事をやっていても

何かあるたびに、ちょいちょい昔の仲間からお誘いが来る


その結果、施設の乗っ取り事件や恐喝まがいの事件を起してしまい

何度か臭い飯を食う羽目に…


会社の経営は、きれいごとばかりではありません

むしろ清濁併せ呑む器量がないと務まらないともいえます

その清濁の幅が大きすぎると、アンタッチャブルな世界にまでいってしまう

彼には、その下地がありました

そうこうしながら、彼の会社はその地域では押しも押されぬ中堅会社に成長しました


でもやっぱり後ろめたいものがある

いろんな人の恨みを買い、また「暴力団」との縁が切れたわけでもない


でも表の仕事は、どんどん成長して、

ついにはお上から表彰されるまでに成ったのです


彼は、今までの人生を振り返りました

やっとまともに人に認められ、尊敬されるまでになった

家族もあり、子どもも成長して、会社を任せられるほど成長した


彼は過去を清算しようと、新たに決意しました

「これからは人にもっと認められ感謝される人間になろう」と


それは彼の過去との決別を意味しました

彼は、いまだに仕事を通じて、過去との因縁を断ち切れずにいました

その彼らとの付き合いで、ここまで成り上がった部分は否定できません


彼は今までの付き合いを解消すべく

過去の因縁たちと、争い覚悟で交渉しました

しかし相手は名うての武闘派で知られる「暴力団」

彼の過去も思惑も理解してやるほど度量はありません

ましてや彼らの内幕や秘密を知りすぎている


彼はその数日後、暗殺されました

誰がやったのか、いまだに分かりません


H氏は、恐らく心の底からメジャーに成りたかったのでしょう

家族のためにも、自分のためにも、時間はかかったけど

全うな人生を、その手に掴みたかった

たしかにお墨付きの公民になれたのです

でも彼の過去が許さなかった


そこまで因縁が深かったということでしょうか

自分だけが、汚泥の世界から抜け出して

そのときに付き合いのあった仲間を捨て去ろうとした時

彼らは許さなかった


人生はバランスですね

自分勝手に作れる人生はひとつもありません

自分が係わった全ての人々が、その人生になくてはならない存在だったのです

そのひとつひとつに丁寧に折り合いをつけながら進むこと

過去はその人にとっては存在しなくても

その人と係わった人の中には存在しています

それは無視できるものです


しかしそれが今までつながっていたとしたら、過去ではありません

今です

今から逃げ出そうとすると、未来は突然失われることもあります

気をつけましょう
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by MUKUZAIKENKYU | 2011-11-30 07:55 | リッチな人生
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