地域主義と産地主義の在り方

最近何かしら
地域主義
という言葉を、雑誌の中で目にします。
何だろうと思い、その雑誌を手にとって見ました。
書いてあることは、地域の材木で地域の工務店が地域の家づくりをするという趣旨でした。
どこまでも地域という意味で、それは地域主義でした。

その地域の材を最も良く知るものは、実際にその木を使って家を建てている工務店以外にない。地域の材木を生かすという意味では、その地域の材を知り抜き、長所を伸ばし短所を抑え、使うことによって、その地域の経済活性化にも貢献できるというものです。

私たちと一脈通じるものがありました。

しかしやはり地域の工務店、一地域の産地の発想かな、とも思いました。

その地域に住む住まい手も、それを望んでいるのだろうか、という疑問が常に湧いてくるのです。

今はインターネットで情報を検索して、欲しいものを本人が直接手に入れる時代です。
インターネットには、地域の山も河も海もありません。
そしてその地域を知りたいなら、その地域の情報を検索すれば、ほとんどありとあらゆる情報が入手できます。

例えば本屋に行って、購入したい本を探すより、アマゾンcomを検索すれば、それに関連する書籍が数百冊も見つかります。そしてカバーできていない出版社はほとんどありません。

近くの大手の本屋(一応100万都市の人口密集地にある本屋です)は4フロアに、相当量の本を置いています。たまたま行ったときに、メジャーとはいえないが知るものぞ知る出版社の文庫本を探したのですが、見当たりません。係りの人を呼んで探してもらったのですが、その人も探すのですが、やはり見つかりませんでした。
そしてその店員は、最後にコンピュータにも載っているのですが、ここら辺にあったと思ったんですけど、…ありませんねえ。と、首を傾げていました。
これに消費した時間は、約45分。買いたい本はないは、駐車場代は取られるは、でうんざりしました。

家に帰って、PCを立ち上げ、検索後、注文しました。当然送料無料で、2日後に到着です。注文するまでに要した時間は、10分でした。

これは本屋の話ですが、これと同じことが、いわゆる地域主義の弊害になるのではないかと思います。

インターネットは、別に購入するための情報サイトばかりではありません。情報そのものを比較することもあれば、逆に自分から発信することもできます。

地域の材を使うことは、私たちも賛成です。でもそれは、どこの材も地域材だからという意味です。
じゃあ地域材ではないものがあるのか?と思う方もいるでしょう。
あります。舶来が、そうです。つまり輸入材です。

このサイトでも、幾度となく言っていますが、年間に建築材として、いつでも伐採できる国産材の量は、日本で一年間に消費される木の量とほぼ一致します。しかし実際には、その8割の木が輸入材です。引き算すれば分かりますが、じゃあ8割の国産材が、毎年だぶついていることになります。その通りなのです。

本来、輸入材なんか使わなくても、国産材だけで、日本の市場は全部賄えるのです。

林産地にとっては、輸入材などはヤンキーであり、紅毛南蛮夷敵でしかありません。
しかもそれを促進するのが官庁ですから、カンチョウしたくなります。

過去には住宅建設の場で、国産材の供給が間に合わない時期がありましたが、そのため外材の輸入が促進された時期もありました。公共工事の建築要領にも、指定材に、米栂、米松、米ひば等々米材が最優先項目にあり、その代替材として、桧や杉が認められているぐらい、建築の端っこに追いやられています。

木を知らない世代の建築家が世に出始めました。木は要領に従うというだけで、見向きもしません。

各自治体では、輸入住宅促進協議会という団体を、そこの市長が主催しているところがあります。結果は大失敗に終わりましたが、失敗を認めたくないためか、いまだに解散せずに税金を浪費している自治体があります。

ここにも縦割り行政の弊害が現れています。

時代に即さない建築要領も、建築基準法も、林業行政も、すぐにでも改めなければ、日本の美しい森林は荒廃の一途を辿ってしまいます。

(次に続く)
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by MUKUZAIKENKYU | 2005-11-15 15:17 | 木 無垢材 自然
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