地域主義と産地主義の在り方 その2

 日本の気候は、一部を除いて、ほとんどの地域が高温多湿です。

 そのため私たちが家に求める最低限の条件が、湿気対策と日照対策です。

 北九州は日本海側に面していることもありますが、全国的に見ても日照時間が少ない地域です。
 そのため如何にして、家の中に陽光を効果的に取り入れるかという点に関心があります。湿気対策は前提です。湿気がこもらないだけでなく、湿気と上手く付き合っていく設計が要求されます。
 しかも設備に頼らないことが肝心です。

 簡単に言って、こういったことがいわゆる地域の特殊性を考慮するという意味での地域主義です。確かにそういう意味では、その地域で長く営業をしている工務店が、最も分かっていなければならない点でしょう。
 そこに大手のハウスメーカーとの決定的な違い、強みが発揮されると思います。

 大手のハウスメーカーは、地域対応型の家を造ることができません。コスト管理と効率一本槍ですので、いちいち地域の気候条件や土地の風習などは考慮しません。
 ○○シリーズの既製品を、その土地の上に乗せることが目的ですから、日本の気候風土を考慮した家を造ることはしません。

 私たちは、設計や施工上の地域主義とは異なる観点を持っています。
 それはいわゆる「地域主義」を標榜している工務店さんも、あまり理解していないのか、あるいは別の利害があるのか知りませんが、その趣旨から「近くの山の木を使う」という地域主義は理解できません。

 木は材料です。家の柱や梁に、床や壁に使用される材料です。
 工務店さんは、この地域の木材はその地域の気候風土で育っているから、その地域で家を建てるなら、一番適応しているという人もいます。
 分かるような、しかし分からないような説明です。
 中には近くから搬送するからコストがかからないからいいのだという人もいます。

 私たちにとって、一部の地域を除いて、日本全国が地域です。近くの山です。
 米国などは、米栂で有名だったカスケード山脈だけでも、日本がすっぽり収まる規模の森林地帯です。ブラジルの熱帯雨林地帯は、日本が何個入るでしょうか。

 そのため気候条件や全体的な風土から考えても、日本全体がひとつの地域と思います。日本は森林王国でもありますので、局所局所で、多くの個性的な木が育っています。実にたくさんの種類の木が日本にあります。
 それらの特性を生かして家に使うことが、一番いいのではないでしょうか?

 そこの半径50km以内の地域にない木だから、地域材ではないという発想は貧困ではないでしょうか?
 木には自生する範囲はありますが、そこにないからそこの気候に合わないという判断は軽率だと思います。

 地域の工務店さんも知らない木はたくさんあります。だから使わないというのは、住まい手の知る権利を奪っているようなものだと思います。地域主義も一歩間違うと、偏狭な村根性丸出しの排外主義に変貌する可能性があります。(むしろそっちの方が多いようです)
 しかしそれでは進化は得られないのです。
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by MUKUZAIKENKYU | 2005-11-15 18:29 | 木 無垢材 自然
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