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シックハウス対策の果てに

 シックハウス対策のために、揮発性有害物質を含まない建材しか住まい作りには使用できなくなったと思いますか?
 事実ではありません。あくまで基準値を下回った建材であれば、何を使ってもいいことになっています。証明書という限りなく怪しげな紙切れ一枚で、住まい作りは進行しています。
 私たちは疑っています。本当に法律は遵守されているのだろうか。規制自体の甘さはないのか。規制の網から零れ落ちた有害な建材はないのだろうか。
 更に保証書が付いているからといって、本当に基準値を確実にクリアできているのだろうか。

 合板?合板は以前シックハウスの大本でした。合板を多用した家や住まいは、間違いなくバクテリアや虫を殺しつつ、人体を蝕んでいました。ラワン合板や針葉樹合板が代表的ですが、他にOSBボードなどもありますが、これらは基本的に下地材です。それにプライと言って材料を1mm前後にスライスしたものを交互に重ねて接着成型したものを指します。
 ある意味接着剤の間にスライス板があるようなもので、シックハウスの元凶になる製品でした。

 以前家具では当たり前のように使用されていました。そのためシックハウス対策の法律が施行された後も、家や住まいに使用される材料にはすべて規制が掛かっていたのですが、家具は対象外であるため、どんなにシックハウス対策が施された住まいでも、ひとたび家具が室内に設置されると、ホルムアルデヒドだらけの空間に変貌してしまいました。

 水屋などの家具では、合板が当たり前のように使用されていたため、扉を開けるとツーンとした刺激臭がしていたものです。水屋の中には食器が多く置かれるため、殺菌のためにもそういった揮発性有害物質を多く含む合板を積極的に使用していたのです。
 だからそういう合板を使った家具の中には、バクテリアや小さな虫はおろか蝿さえも死んでしまいました。虫を殺す物質は人体には影響ないといっていた業者が何人もいました。

 さてその後は合板には規制がかけられ、すべての製品は0.008ppm以下を遵守しなくてはならなくなりましたが、ここに落とし穴があるのです。
 殺菌作用の少ない合板を使用した家具は、今度は虫を殺すことが出来なくなったということです。つまり虫害に弱い家具が作られているのです。
 これは家具に限らず、シックハウス対策が施された住まいは、全体的に虫害に無防備な建材で作られるため、メンテナンスは、それ以前より遥かに多くの費用がかかることになっているのです。

 ある機関が実験したところ、OSBボードなどの合板は、シロアリには全く無抵抗でした。

 その他ではムク材はシックハウスの対象外として認められているため、多くの地域ビルダーやハウスメーカーがムク材を積極的に取り入れました。
 商社などもこの機に乗じて、海外の安いムク材を輸入して販売しました。そしてどうなったと思いますか?

 シロアリに弱い家や住まいが大量生産されているのです。

 そしてもうひとつの盲点があります。それは輸入材はすべて検疫をパスしなければ国内に持ち込むことができないため、事前に必ずと言ってもいいほど、薬剤で殺菌処理をしています。
 そのため薬剤が付着したまま、国内に流通することになります。これについては、行政は何も規制していません。ムク材だから?…脳みそのしわもツルツルかい?と言いたくなります。

 時代遅れで、問題が起きればそのときそのときの場当たり的な法律で対応しているため、歪みがどんどん進行しているのです。

 そこで使用されている薬剤のほとんどはキクイムシ用の薬剤です。ですからシロアリには何の効果もありません。人体には「効果」的な薬剤です。

 ムク材だからといって、無頓着な使用方法で家や住まいを建てるメーカーや工務店が多すぎるのです。

 木の種類でシロアリに強い木があれば、全く無抵抗な木もあります。米欧産の木のほとんどはシロアリの大好物です。乾燥していれば、それほどシロアリも付きにくいのですが、高温多湿の日本の気候にあって、いつまでも乾燥しっ放しの木はありません。建築現場に納品された時点で、外気に晒され、多くの細菌や虫が辺りを漂っているのです。

 シロアリに弱い建材を使い、シロアリに弱いムク材を使って、家や住まいが造られている事実を知っておく必要があります。そして薬剤まみれの輸入材が市場に出回っていることも知っておく必要があるでしょう。

 知識がないというより、プロとして何のために建築に携わっているのか?誰のために仕事をしているのか?目的意識や使命感を忘れたとき、家や住まいという「人が住まう空間」は、一部の業者のための単なる金儲けの手段に過ぎなくなってしまうと思います。

 大手のハウスメーカーから地場のビルダー(工務店、材木屋)まで、プロを名乗って、金儲けに奔走している業者がいます。
 もしお知りになりたいならば、敢えてお教えします。
 でも真剣な想いを持った方以外には教えません。私たちは一部の企業を中傷することが目的ではないからです。本当に健康に良くて、長年長持ちする力強い家や住まいを今あるいは近い将来にお求めの方にのみお教えします。
 何年か経ったら家でも建てようかなとお思いの方は、当研究会のHPを定期的にご覧ください。

http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2005-12-19 17:38 | 木 無垢材 自然
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