メーカーによるメーカーのための家づくりとは? その2

メーカーにとっての家について前回述べました。

 今回はそのメーカーが選択する構造材や内装材はどのようなものか検証します。

 ハウスメーカーはまず何よりも予め設定されている利益を確保することが目的ですので、それに見合った材料や建材を選びます。

 ハウスメーカーは常に同業他社と競争をしています。一戸でも多く契約を結ぶことに血眼になります。

 ごく一部のメーカーではすべて自社製品で賄っているため、予算組みから施工までが透明になります。そのためいい家に近いものを建てることができます。そういったハウスメーカーはその会社が考える家を前提にしていますので、その思いの分だけいいものができます。

 しかしながらほとんどのハウスメーカーは、大手の建材メーカーの既製品を使用します。大量生産大量供給であるため、商品の購買量が多いほどスケールメリットが働き、材料費を安く抑えることができるからです。

 不思議なことに多くのハウスメーカーが同じ建材メーカーの商品を使って、いかにも独自の家であるかのように宣伝しています。大手の建材メーカーの商品を取り扱う限り、絶対に独自性は出ません。
 しかも同じような仕様、同じ面積なのに、価格は100万円単位で違いが出ます。

 じゃあなぜそんな建材メーカーの既製品を使うのか?安くなるからです。それ以外に理由はありません。お客さんの足のサイズが24㎝であろうと26cmであろうと、当社は25㎝しかありませんから、これを使ってくださいと言っているようなものです。

 多少の不満はあるでしょうが、その分安くなったのだからガマンしましょう。というのが、ほとんどのハウスメーカーのやることです。
 だから最初から提案する建材が決まっているのです。本来であれば、お客さんの要望を聴き取った上で、それに応じた商品を探すのが常識なのですが、彼らのようなメーカーの常識は逆立ちしています。

 如何にコストを抑え、利益を出すか、そして他社より一件でも多くの契約を取ることに目が眩んでいるため、お客さんのことを考えているようで、実は考えていないのです。

 本当は目に見える部分も予め犠牲になっているのですが、・・・その結果、目に見えない部分が犠牲にされる傾向にあります。目に見えない部分とは、壁の中と天井裏にある材料です。

 木造住宅では構造材としての木が犠牲になります。

 私たち日本の住まいを良くする無垢材研究会が考える構造材は、すべて乾燥材です。しかも角落ちのないものを使用します。家の耐久性を決定するのは構造材の良し悪しだからです。

 その地域の特性に適応した木を選び、人工乾燥などの工程を経た乾燥材を使用することは、私たちにとって絶対条件です。

 木造住宅のほとんどのハウスメーカーで使われる、目に見えない構造材はほとんどがグリン材(生材)です。そのためかならずといっていいほど木の乾燥に伴う収縮によってあちこちにゆるみが生じます。
 でも完成する頃には目に見えなくなっているため氣が付かないのです。

 今でも一部のハウスメーカーが行っている高気密(別名ペットボトル)住宅では、シックハウスの元になる揮発性有害物質を密閉するだけでなく、木が乾燥して吐き出す湿気をも閉じ込めてしまいます。そのため壁や天井裏、床下のそこかしこに湿気がこもり、不衛生極まりない家になるのです。

 そして更に構造材に使う樹種はすべて輸入材です。60年代に入って高度成長期には柱はベイツガ、梁は米松と、日本の家屋のほとんどが米国に侵略されていました。
 20数年前ぐらいから柱や垂木だけは杉を使うことが多くなりました。この理由は日本の森林が廃れ始め、製材所が投売りをし始めたことに関連しています。

 そのため投売り用の国産材が市場に出回るようになったため、きわめて質の低い商品ばかりが売れるようになりました。その結果日本の国産材市場は更に荒んでしまいました。

 水分だらけで目も粗く、素性の悪い木が、一時国産材の代名詞のように言われました。

 その後多くの地域で活性化事業が展開された結果、各地の国産材はかなり改善されました。しかしながら本当に復活した産地や製材所のほとんどが、官庁や行政に頼らず、自力で道を切り開いたところばかりです。
 旧態依然として官庁や行政に依存ばかりしている産地や製材所は、もはや生き残る道がなくなりつつあります。

 話が横道にそれましたが、実際にまともな木の家づくりを考えるなら、もしその業者がプロを名乗るのであれば、国産の乾燥材を前提に考えるはずです。
 米国産の木を使っても、日本の森林はよみがえることはありません。むしろどんどん廃れていくだけです。

 日本に住むために日本の国内に家を建てるならば、その気候風土の条件に叶ったものとしての国産材を使用しないと、家は建ったが、国土は荒んだということになるのです。

 日本の魂を失ったハウスメーカーの建てる家は、孫子に引き継ぐ財産にはなりません。
 そんな家に数千万円の金を払うのは、お金の浪費でしかないと思います。
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by MUKUZAIKENKYU | 2006-01-27 10:31
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