家・住まいの教養 その8

 前回のその7では、基礎に関するコメントを述べました。
 今回は基礎と床下環境についてですが、もう少し追加があります。

 良い工事をした状態の家は見ているだけで気持ちがいいものです。収まりがしっとり落ち着いて見えるからです。
 坪単価の高低は関係ありません。良い仕事は良い職人がするから良いものができる。当たり前のことです。
 実際に坪60万円ぐらいかかった家で、何じゃこりゃ!という物件には何回も出くわしました。

 基礎では配筋(鉄筋を配置組み上げる作業のこと)から型枠(コンクリートを流し込む型を製作すること)、そしてコンクリート打設という工程をたどります。

 そしてコンクリートが固まる養生期間が経過後、型枠材を外し、基礎がほぼ完成します。ほぼというのは、その後に最後の仕上である基礎の天場均しがあるからです。モルタルできちんと水平面を作ります。

 型枠工事をする際に、基礎と土台を緊結するための金具であるアンカーボルトを配置します。直前に配置するときもありますが、なかには同時にやることもあります。

 コンクリート打設をするとき、もっとも気を配らなければならない補足作業があります。

 それは型枠に流し込んだコンクリートの攪拌です。主にバイブレーターで攪拌します。基礎の型枠に一気に流し込むと、空気も一緒に混入します。なぜ攪拌するかというと、その混入した空気を攪拌することでコンクリートから排出するためです。

 コンクリートと鉄筋でできた基礎は、いわゆる鉄筋コンクリート製(RCといいます)の構造体です。コンクリートに弾性と強度をもたらす鉄筋は空気に触れなければ、ほぼ半永久的に耐久性を発揮します。

 ところが最近の報道で皆さんもご存知かもしれませんが、コンクリート内に配置された鉄筋は酸素と水には弱いため、コンクリートで十分に被覆されていなければ、効果を持続できません。酸化して錆が発生すると、それ自体で膨張し、やがてボロボロになってしまいます。

 だから基礎工事でコンクリート打設の際には、流し込んだコンクリートを攪拌して、内部に混入した空気を排除しなければならないのです。これがまともにできないと、基礎のコンクリートの中に無数の気泡がとどまってしまいます。

 型枠を外した後には表面にたくさんの気泡が見えるときには、二つの原因が考えられます。気泡はある程度は残りますが、残り方が問題です。

 ひとつは型枠に使用した合板を使い回しすぎて、表面の平滑性が失われている場合、その毛羽に気泡が引っかかって居残ってしまうこと。

 もうひとつは実際に攪拌作業がいい加減なために内部に多くの空気が気泡となって残留してしまうこと。

 どちらも駄目です。後者はとりわけ駄目です。基礎の強度が弱まるばかりか、内部に水分が居残るため、見た目は分からないところで、内部の鉄筋を腐朽させてしまいます。

 最悪の場合は、冬などの季節で気温が零下になると内部の水分が凍結して膨張するとき、コンクリートを押し広げ、基礎にクラックが発生してしまうのです。

 表面の気泡の跡は、後者ほど悪くはありませんが、気泡がそのまま水分を吸収してしまいます。コンクリートが乾燥していく工程で、気泡があるとそこに水分が残留しやすくなるからです。そのため後処理として表面をモルタルで覆うことやシーラー処理(防水処理)をすることがあります。
 
 基礎の仕上がりはツルツルでなくてはなりません。最終的には気泡などは表面に残っていては駄目です。見た目も悪く、その業者の腕が疑われます。材料の使いまわしも、程度を過ぎると、材料代の差額などでは追いつかないペナルティーを食うことになります。

 住まい手の皆さんは、基礎が仕上がったとき、まず横から見て基礎の表面が直線になってないとき、または直角が取れていないときは、クレームとして十分な根拠がありますので、施工業者に文句を言わなくてはなりません。

 基礎は家づくりの一番最初の工程ですので、ここを見過ごすと、たとえ立派な家がその上に建っても、やり直すわけにもいかないため、どうしようもなくなります。
 十分気をつけましょう。
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by MUKUZAIKENKYU | 2006-03-01 17:29
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