今日は、日本のある断面を見てみます。
世界の木に対するエネルギー依存率というものがあります。
木をエネルギー源として使用している割合を表したものです。
途上国のそれは約50%。木材への依存率が高いため、森林破壊が進行しています。世界の4大文明が結果的に滅亡した原因は、エネルギー源として木材を無制限に利用するため、森林を悉く破壊したためともいわれています。
しかしながら現代での依存率の高さは一概にそうともいえません。それは先進国諸国によるプラントに名を借りた収奪が行われている側面を見逃すわけにはいきません。
では先進国ではどうでしょうか?
欧米諸国では20%になっています。
欧州では、木といえばトウヒと樅(もみ)です。この2種類でほとんどの森が構成されています。
文明先進国のヨーロッパでは、それでもエネルギー源として木をたくさん消費しているのです。
では森林大国の日本ではこの割合はどうなるでしょう?
欧米が20%なら、
日本は10%前後かと思う人が多いのですが、実は
0.8%に過ぎないのです。
日本ほど大量の森林と多くの種類の樹に恵まれた国はそんなにありません。
にもかかわらずエネルギーとして日本人は木をほとんど利用していないのです。
森は荒れつつあります。森が荒れると、木の倒木が多く発生します。倒れた木はゆっくり時間をかけて朽ちていきます。腐れるのです。
腐れるというのは、腐朽菌などに分解されて、目に見えない速度で燃焼していることと同じです。
日本の森林をよみがえらせるためにも、木を積極的に燃やす必要があります。循環を促進するためにも、森林を整備するためにも、積極的に燃焼利用することが大切な行いのひとつになります。
日本のように森林と木々に恵まれていながら、それを有効に利用しない国は、見た目は先進国でも、心は途上国以前にまで退化しているのではないでしょうか。