いやはやついでにもう一言!

 前回はゼネコンのお行儀の悪さについて述べました。

 今回は地域ビルダー、つまり小さな街の工務店とでもいっておきましょう。

 一応建設会社の名前を出していますので、○○建設という名の、所帯5名以下の工務店です。

 地域によって偏りはありますが、福岡県は材木屋や建材屋と同じく、工務店と名のつく会社が実に多く、その実体は単なるブローカーから現場監督上がり、大工さんなどのひとり親方、そして一応経理と監督をそろえた零細企業が、大手や中堅のゼネコンの下請から孫請け、そして街のこまごましたリフォームをかき集める会社もあれば、それなりに戸建てを受注している会社まであります。

 今日はその中の一軒ですが、ある日私を呼び出して、今度売り出しの土地にお客さんを集めるための、その土地に合った戸建ての姿図を描いてくれと依頼されました。

 弊社では建築士はいませんが、平面図から立体図、パースから配置図、施工用の各種伏せ図まで作成できるため、住まい手はもとより、時々木造が苦手な設計事務所からも設計の原案作りを依頼されています。

 その工務店の社長とも、そこそこの知り合いでもあったため、その依頼を受けました。

 掘り車庫(家屋が立つ地面より下に駐車用のスペースを作る)も一緒に入れてくれといわれていたのですが、そこまですればお金がかかる作業になります。

 当の社長はサービスで作らせるつもりでいたようなので、掘り車庫の入った姿図は作らない旨を伝えて、上もの(仮想の完成家屋)と土地の形状にあった外構を施してパース図をファックスしました。

 パース図まで辿り着くまでは、当然家屋の配置から適当な間取りを設定しなければ、窓も出来なければ家の形もできません。家の形ができて初めてパースが作れるのです。

 先方から預かった図面は土地の形状と家の配置を四角で囲っただけのものでした。おそらく建て坪数を優先した結果、そこまでの図面までしか描かなかったのでしょう。

 依頼を受けパース図を送るまでに要した時間は丸二日間です。

 それから二日後です。

 その社長からえらい剣幕で電話がかかってきました。「自分が要求したものとは違うじゃないか、姿図を掘り車庫を入れてカラーで描くように頼んだのに、掘り車庫は入っていないし、立体図だけでカラーでもない。どういうことか。」

 faxで送って、社長の感想を聞いて、修正する点を修正したうえでお届けしようと考えていたのでびっくりしました。カラーじゃないのはFAXだから当然なのですが、・・・。

 しかもその上「誰が間取りを作れと言ったか?こんな余計なものを作って、肝心の掘り車庫付きの姿図がないなら役に立たんじゃないか」と来ました。

 「姿図とはいっても、絵の具で絵を描くのとは違いますよ。間取りなどを決めないことには家のカタチが出来ないでしょう。何でも順番があるんですよ。」

 この社長さんはどうやら自分が言ったら、最初から完成品が届くものと勘違いしているようでした。しかもタダで、です。

 相手の意向は聞いていても、それが的を得ている保証はありません。だから叩き案を作って、相互で練り上げていくのです。時間も経費もかかる作業なのです。

 それを平面図や立体図は当然工程として添付されるのですが、それを「余計」とまで言いました。カラーで頼んだのにカラーじゃないと喚いていました。・・・なんか電気も通っていないド田舎の人を相手にしているような、これが年間最低4棟からの戸建てを供給している会社の社長なのかと思うと寒くなってしまいました。

 そしてひとかた文句を言って、私の作図にはこれだけの工程が必要だと説明すると、「分かった」と言って一方的に電話を切りました。

 私もこんな無礼な電話をもらったことがないので、ちょっとぐらぐらこきました。一気に掘り車庫付きの姿図とやらを作成しました。そしてやはりFAXで一回だけ送りました。

 向こうに届くのはもちろんモノクロです。ヒヒッ

 今回のサジェッション:家づくりを知らない工務店が家を造る動機には、まずろくなものがないということ。そういう会社と付き合うのは、こちらの恥になるだけなので、取引先にはどうしたものか。お金は必要だが、下請に甘んじるぐらいなら、自ら行動を起して、本当の家づくりのために市場を開拓すべし。

 その方が多くの住まい手を救うことにつながるのだから。
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by MUKUZAIKENKYU | 2006-04-26 10:39
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