家・住まいの健康 その3

 健康編 その1と2で述べたことを要約すると、人間の虚弱さは家でいうと構造材そのものが虚弱であること、構造材の組合せが虚弱であることになります。

 そしてもうひとつはいわゆる地震対策の家よりも、一年を通じて頻繁に訪れる災害に対する対策が施されている家の方がはるかに大切だということです。

 確かに東海・南海地震の危機が迫っているといったことが頻繁に報道されています。この10年間で、阪神淡路大震災から中国地方、新潟、福岡と、被害の甚大な地震が発生しています。
 印象が強烈なだけに、住宅メーカーにとってはユーザーの恐怖感を煽って耐震住宅を買わせるにはいいチャンスなのです。

 これに追随する地方の住宅会社もたくさんあります。

 でもこれらの傾向は一種の流行であって、本質的な家づくりとはほとんど無縁なのです。

 別に○○対策などとわざわざ銘打つこと自体が愚かな発想なのです。家が頑丈に造られることは、家づくりの前提条件ですから、それをとってつけたような仕様にすること自体が、そのビルダーなり住宅会社は、今までそんなことをやっていませんでしたと言っているようなものなのです。

 頑丈で耐久性が十分であること。当然の発想ですが、これまでの、とりわけ戦後のメーカー主導の家づくりは、建材メーカーとタイアップして建材のショールームとして施工されてきました。

 だから化学製品や二次加工製品が家の中や外に圧倒的に持ち込まれたのです。その結果夥しい数の欠陥住宅が生まれました。シックハウスも、そのひとつです。
 そしてその前には、構造材やその組合せをないがしろにする傾向が一般的でした。

 まるでろうそくか爪楊枝のような細い木が柱や梁に使われました。工務店やメーカーの要請から始まり、材木屋はいつの間にかそれが当たり前であるかのように仕入販売しました。

 確かにそんな木を使って家を建てても、台風が来ても倒れないし、地震が来ても部分損壊はあるものの倒壊することはほとんどありません。だからこんな木の仕様でいいのだと、建築のプロを自称する者にとって、ある意味常識になってしまったのです。

 この発想には時間の軸がありません。単なる空間としての家であれば、新しいうちは何とか持つでしょう。でも時間が経過するに連れ、その本質的な虚弱性があらわになってくるのです。

 今でも建築基準法という建築に関する法律では、木造住宅の耐用年数を30年と規定しています。30年間持てば、木造住宅としては立派な建築物なのです。

 そのため日本中ごく一部の良心的な工務店を除いて、皆30年しか持たない木の家づくりを当たり前のように行っていたのです。30年間しか持たない家には財産価値などありません。そこに住む住人は30年目にして、また大金を投じて建て替えをしなければならないのでしょうか?冗談じゃありません。

 日本の建築基準法が日本の木の家をだめにした原因なのです。30年しか持たない家は家ではなく、バラックなのです。だから家の創造的な発展はこの数十年間抑えられて来たといっても過言ではないのです。
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by MUKUZAIKENKYU | 2006-06-06 18:12
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