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本物の木の家の基本

 家を建てる前に、まず土壌調査をします。家を建てるに耐える強度を持っているか調査します。新しい宅地ではほとんどが改良地なので、盛り土をしているところが多いのですが、それはそれとしていいとしても、盛り土とその下の地盤との関係が問題です。

 建築予定地の上の方に水が大量に蓄積していたり、または水が流れる道がある場合は十分に気をつけた方がいいでしょう。

 盛り土とその下の地盤の間に水が通ると、必ず地滑りの原因になります。あるいは盛り土が軟弱化して、家の傾斜や基礎の崩壊を惹き起こす可能性につながります。

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 今回の中越地震で倒壊した家屋の多くが古い木造建築物という指摘がされていました。何かの番組で一級建築士が、さも分かったかのような物言いをしていました。1981年より前に建てられた家屋は筋交いが入っていないケースが多いとか、柱と梁を金物で留めていないとか等々、・・・。

 はっきり言って、一級建築士である方々こそ、そういうことが分かっていながら、なぜ事が起きるまで黙っていたのか、木造建築物を軽視してきた付けが出ているのは、それこそ鉄やコンクリートばかりに偏ってきた建築業界全体の悪弊の灰汁が出たのではないかと思わざるを得ません。

 日本の建築の基本は「木の家」ではなかったのでしょうか?

 柱と梁を金物で留めることは、今の建築基準法上施工せざるを得ないことですが、それを当たり前のように思っている建築士がいるとはびっくりしました。
 マスコミにリップサービスをしてお金を稼ぐより、本心良心に従って、正しい建築方法を自分自身から率先実行すべきではないでしょうか?

 航空写真や報道写真で見るかぎり、倒壊した家の多くは、単に古い家とか筋交い量が足らないというものではないと思いました。

 ある醸造所の倒壊現場では、洋小屋づくりでしたが、よく見ると「方杖」という柱と梁を結ぶ材木が設置されていませんでした。それと筋交いの方向が一方向に偏っていました。

 屋根だけが残り、柱から下が潰れている家屋では、ホゾが抜けていたり、簡単に折損していました。これはホゾの長さが足りないことと留め方が金物に頼っていることが原因です。

 戦後、たとえ81年から建築基準法が改正され、その後も漸次改正されてきたとしても、根本的な解決とは正反対の方向に向かっているようです。

 倒壊の原因はひとつや二つではありませんが、分かっている限りでいえば、木造建築では常識的な施工方法を行っていない(部材が不足している、加工が未熟等々)、いわゆる手抜き「工法」が全国に蔓延していることが明らかになります。

 悪意のある一部の企業が全国にいるとは考えにくく、むしろ未熟な法整備が反って手抜き建築を蔓延させていると考えた方が腑に落ちます。

 これは木造建築物とりわけ木造住宅が地震などに弱いというものではなく、戦後の建築業界の無関心と無知がはびこっていた結果といった方が正確なのではないでしょうか?

 次回は木の家の基本中の基本である柱の大きさと柱同士の直下率、壁量と壁の直下率について述べます。

http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2007-07-20 08:30 | 木 無垢材 自然
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