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木の五衰という話

“木の五衰”

この言葉は、私の心の師である安岡正篤氏によるものです。

①懐の蒸れ  枝葉の過剰繁茂で、風や光が届かなくなって、木が弱る
②裾上り  根が浅くなる。根が上がる。成長が止まる。
③末(うら)枯れ  頭(梢)から枯れてくる。
④末(うら)止まり  成長が止まる。
⑤虫食い  その頃から、いろんな害虫がつく。


 成功するも失敗するも、その方法はすべて自然の営為の中に存在している。しかも完璧な姿で表現されています。人間が謙虚に自然の法則を学んだら、失敗するのと同様に成功することも簡単に実現できます。

 でも実際には成功する人はごくわずかで、失敗する人は厖大にいます。なぜでしょうか?

 成功するには、予測されるリスクを負って行動することが絶対条件です。行動しなければ何も生まれません。

 本当に成功するためには、宇宙を貫く法則に則った信念と忍耐力が必要になります。

 失敗するには、リスクを恐れ、行動しないこと。行動した結果失敗することもありますが、それは成功の前夜の現象で、本当の失敗は行動しないことから生じる無為で、その結果絶対に成功することはなくなります。これが本当の失敗、人生の敗北です。

 それと現在を過去の延長線からしか捉えられないことから、折角の想像力を記憶の再生だけにしか使わないため、自縄自縛に陥るだけでなく、自分がもっとも嫌な経験を繰り返し体験することになります。

 成功する人は想像力を未来に投資します。現在は過去にではなく未来につながっているという自覚があるので、必ず人生を開拓できるのです。

 木の五衰を人間に例えると、それは我執と多欲という余計な枝葉を伸ばして、自ら幹と根を栄養不良に追い込んでしまいます。

 そして、しっかりとした価値基準を持たずに目先のことばかり追いかけるため、思考も行動も浮ついたものになってしまいます。

 根が浅いと木の成長は止まってしまいます。より高く伸びようとする意志は残っていても、根をしっかりと下ろす信念的な行動がないため、ある程度の高さに達すると栄養も水分も行き渡らないために木の先っぽから枯れてくるようになります。

 実際の世界では、成長を止める障害が次々と発生します。具体的には、仕入先や客層の劣化です。その会社の成長に本当に必要な仕入先や客層を見失い、いい加減で無責任な取引先を偏重したり、または変貌して現れることになります。この現象をトップの鏡として反省できないとき、この蒙昧さはさらに拍車をかけることになります。

 その結果体力は疲弊し、免疫力はもとよりセルフコントロールもままならなくなる。自分の身についた病巣を監視できなくなります。虫食いとは、自分とその環境に、貧乏神や疫病神を、まるで神社の狛犬のようにはべらしてしまうことです。

 宇宙の法則を知っていれば、想像力の使い方は単純ですがもっとも強烈です。最高状態のエネルギーを発信するので、より速く成功を実現できます。明朗な感情を生み出し、成功しやすい環境を作り出します。

 これを知らなければ、想像力は良くも悪くも過去を再生産することにしか使われません。不安や恐れ、恨みや悲痛さは、嫌な記憶に付属する感情ですが、それは心を破壊する力を持っています。

 自分の心身を破壊するものにはエネルギーはありません。そこは虚無という酸化空間なので、エネルギーが逃げていくだけです。やがて風化して死滅するだけです。

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 人間でも会社でも、これには同じ法則が貫いています。

 会社の場合は、中小企業以下であれば経営者そのものに当てはまりますが、ちょっと調子に乗って、目には見えない部分の根を張ることを怠り、目に見えることばかりに木が浮ついてしまうと、早速“懐の蒸れ”が生じます。

 それとほぼ同時進行で、“裾上がり”が始まり、本当の成長ではなく、見かけ上の繁茂が目的に横滑りしてしまいます。

 “末止まり”はトップの向上心が死んだときから始まります。向上心を失うと、社員にも確実に悪影響を及ぼし、士気の低下や不正の温床を育んできます。

 “末枯れ”は、まさに具体的な混乱が生まれた状態です。トップが会社と社員、お客様の成長と繁栄という至上命題に関心がなくなったとき、また自分だけの利益を追い、無責任と言い訳に終始して、初心を放棄したときに、最初は警告的な意味合いの事件が起きます。

 当然気がつくような感性は衰えているため、それを見過ごすと、やがてお客様や社員の離反が始まります。それは実はトップ自身が周囲から不信を買っていることに気づかないために起きる必然的な現象です。明らかに原因が顧客や社員にあることも生じますが、それをトップ自身の問題として受け止められなければ、次の段階がやってきます。

 “虫食い”は、トップがこれまでに必死で築き上げてきたブランド商品の崩壊現象として現れます。生産工場が怠けて、工程管理、商品管理が甘くなり、次々と不良品を市場に送り出す結果、信用は瞬く間に地に落ちてしまいます。最後にはプール資金がなくなる。フローがたびたび行き詰る。


 “懐の蒸れ”と“裾上がり”は、げに恐ろしき目に見えない貧乏神の温床、棺おけの鍵を開けることなのです。

 多くの老舗企業にこういった問題が発生して、電話帳から次々と消えています。老朽化とは異なる原因です。
 でも社歴5~15年ぐらいの企業がもっともその罠に嵌まりやすく、実際には顧客を馬鹿にし始め、仕入先とは馴れ合うために“末枯れ”と同時に“根腐れ”を起して、空中分解することが共通の死滅パターンとなっています。

 真の成長と繁栄をもたらすものはそこにはありません。

 礼と義、節操と見識、人を思いやる情と、問題を正面に見据えて解決する胆力は、正義と信念からしか生まれません。
by MUKUZAIKENKYU | 2007-09-10 07:07 | 木の家 国産材 無垢材
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