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制度疲労と機能停止

 前回では社会とは下部構造と上部構造によって成立していることを説明しました。

 上部構造はイデオロギーともいわれます。利害の確保と拡大を目指すことは社会の必然的な動きですから、イデオロギーとは何かの利害を代表し、遂行するものとして機能します。その中には文化や歴史も含まれます。

 日本は明治維新以来非常なスピードで発達を遂げてきましたが、太平洋戦争に突入する際の戦略的な発想に乏しく、武器や兵站の確保にあまりに無頓着であったため、4年間に300万人以上の死者を出して敗戦してしまいました。

 戦争は果てしのない資源の蕩尽です。勝てばその資源は取り戻すことができますが、負ければすべてを失います。
 日本はその敗戦によって、占領軍によって日本と日本人の文化や精神をとことん去勢され、欧米型の民主主義的なるイデオロギーを受け入れざるを得なくなりました。

 日本は元々エネルギー資源、とりわけ金属と石油を100%海外からの輸入に依存しています。これは戦前もまったく同じでした。そのため日本は常にエネルギーを海外に求めるしか能がありません。

 太平洋戦争はまさにそのエネルギー補給の道を断たれたことから始まってといっても過言ではありません。そういう意味では日本の諸制度は実に脆い基盤の上に成り立っているといえると思います。

 敗戦後は米国という強大なエネルギー大国に一方的に依存せざるをえない社会システムが導入され、日本はそれに甘んじてきました。
 米国は毎年のように日本の構造「改革」という名で制度的な「改善」を要求していますが、政治も経済も、日本人が日本人のために根本的に発想した法律や制度はほとんどないのが実情です。

 それは日本的な制度的一貫性を持てないことにつながります。すべてが米国の一貫性のある要求をほとんど鵜呑みにしてきたからです。

 そういう意味では日本の政治や行政は常にご都合主義として動くことになります。要求に従って構築する制度には、本来当初から絶対不可欠なヴィジョンが存在しません。ヴィジョンのない制度は、ある程度の効果を出すものの、時代に対する適応力がないためにすぐに硬直化してしまう運命にあります。

 すぐに化石化してしまう制度を意味もなく維持貫徹させるためにしか働かない機構を維持するために、官僚主義行政が突出する社会を構築してしまうと考えられます。

 こういった事情の元で生まれた行政機構や制度が、日本人のためやまた国民のためにと発想する視点から生まれることがないのは自明の理といわざるを得ません。
by MUKUZAIKENKYU | 2007-11-18 18:45 | 木 無垢材 自然
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