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ガソリン国会の行方

 原油の高騰は1年前の2倍以上に跳ね上がりました。生産調整と産油国にとっては、将来の枯渇に備えた措置の一環ではありますが、供給側としても石油メジャーによる収奪に抵抗するためには止むを得ない流れではあります。

 しかしこの石油にほぼ100%依存している国にとっては、燃料だけではなく、すべての生活物資のコスト上昇を促し、企業活動や国民生活に悪影響を与えることは必至です。

 実際にその傾向は現実となって、国民経済のあらゆる場面に反映されつつあります。とりわけクルマの燃料であるガソリンや軽油は、企業の運営コストに当り、運送会社や納品を前提にした企業にあっては、強烈なダメージになります。

 そこで格差社会の中でもっとも顕著な傾向が都市と地方の問題です。

 ガソリンといえばクルマ、クルマといえば道路、道路といえば道路財源としての直接税になります。施行後34年間も経過している「暫定税率」とは、もはや「暫定」とはいえません。これは既成制度化されてしまっています。34年間・・・この間誰も取り上げてこなかったこの税金は、バブルが弾けたときには撤廃されていなければならなかった体のものです。

 国土全体のインフラとしての道路拡充の財源としての税金は、どこからか捻出しなければならないでしょうが、これまでの出もとの曖昧な税金は、そのほとんどが官庁の役人のための、遊興費も含めた福利厚生費として消化されて来た歴史があります。

 そのうえで都市と地方とでは、この道路とクルマに対する依存率が歴然と違います。高速道路の利用金額は地方は都市の3倍ということです。インフラとしての交通機関の充実度が異なるためですが、それだけ道路網の充実は地方の念願でもあると思います。

 そのため地方の県知事や一部の国会議員は、暫定税率の廃止に強く抵抗しています。即自的、感情的な反応としては分かります。

 でもこの暫定税率から得られる税が、地方の交通網の拡充のために100%利用されていればの話で、実際には道路公団の福利厚生費として消費されている事実があります。本末転倒の事実です。

 今は、眼前の窮境を救うことの方が焦眉の課題なのではないでしょうか?

 地方の交通網の充実のための税収は、他にも方法はいくらでもあるはずです。
 暫定税は暫定税としてきっぱり廃止して、地方のインフラ整備費は、国の特別会計からいくらでも支出できます。
 特別予算の大半は、省庁の天下り組織のために湯水のように消費=浪費されいるのが事実です。国家予算の仕組みと流れを変えることこそ、今の国会議員に課せられている使命なのではないでしょうか?

 なのにほとんどの国会議員たちは、どういうわけか暫定税にこだわっています。第3極の選択肢もあるはずなのですが、やはり裏で国交省の役人が糸を引いているのでしょうか。
by MUKUZAIKENKYU | 2008-01-25 09:12
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