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ちょっとタンマ! 格差社会の原点が見えてくるかも?

 最近の新聞で見たのですが、利子と有価証券の、配当の受取金額の地域差には、呆然とします。

 福岡県を中心に見て、九州の他の6県と比べると、その所得差は福岡県が3倍になります。九州では福岡県、とりわけ福岡市への一極集中が進行していることの証です。

 受取利子では、あまり差がないのですが、配当の受取金額になると、他の6県の合計金額に対して3倍強なのですから、金融所得=不労所得で生活している世帯が、福岡にたくさんいることが推測できます。

 福岡と東京を比べると、利子では福岡県でもマイナス計上になっているため、本来比べようがないのですが、これは全国の県でも同じことがいえると思います。
 東京だけは5千億円以上の利子(金利)収入があります。

 配当の所得差を見てみると、東京:福岡=24:1です。福岡より金融状況がいいところは、名古屋と大阪、神奈川ぐらいですか、…。他の県や地域は、金利は完全にマイナス、つまり利回りがマイナスなので、地方自治体が発行している債券、いわゆる地方債は、赤字償却の目的以外に価値がないということになります。

 大手企業や金融機関の本社が東京に集中していることが、この結果を際立たせる原因のひとつになっていることは間違いありませんが、いくら格差を是正するといっても、社会制度そのものを変革しない限り、地域間格差は未来永劫固定化されるでしょう。

 金儲けをするなら、東京ということになりますが、東京でまともに成功できる者は、0.1%です。そこそこ食っていければ良いということであれば、東京で働き、田舎に住むことがベターな選択になります。

 でも東京という地域は、仕事をする者にとっては天国です。すべての情報と人材、そしてお金が集まっているため、そして文化の発信源でもあるため、虚業でさえ儲かってしまうという、実に何でもかんでも消化してしまうメガシティです。


 ちょっと視点を変えて、中国を見ると、また面白いというか不可思議な光景に出くわします。

 中国は戦後、毛沢東率いる解放軍によって、革命を成就させた国です。共産主義を標榜し、農村を中心に、搾取から解放され、労働者を含めて、平等な国づくりを目指しました。

 人民共和国として独立を果たしましたが、その10年後には、上層部での権力闘争が勃発。文化大革命という、まさに国を挙げての権力闘争を展開した挙句、上層部は収斂されて、現在に至っています。

 でも国の社会制度は、独立以前の植民地経済から、地方(これこそ解放したはずの農村地域)をほったらかして、中央集権による統制経済に変化しました。
 でも実効的な成果が出ずに、外貨獲得による国力アップを目指し始めます。

 香港やマカオから、貿易から、外貨の蓄積が増えるにしたがって、今度は外貨無しではやっていけない状態になってしまいます。一国二制度と称して、ついにはおおっぴらに国内外での資本主義経済制度を導入した結果、中央や都市に近いものとそれ以外との間に、越すに越されぬ壁ができてしまいます。

 そして昨今の中国は低賃金の労働力を売りに、世界の工場に変貌しつつあります。でもその実体は、かの解放闘争を成功させた人々が夢見た世界とは、まったく逆の世界がはびこりつつあるようです。

 地方に限らず都市部でも、労働者を奴隷のように労働に従事させる企業が後を絶ちません。違法コピー商品、残留農薬食品は、中国全体の企業文化を象徴しているようです。あまり報道されませんが、地方では深刻な公害が発生しています。

 今の中国の労働者と企業の文化は、日本の現状ともダブって見えてきます。
 いつから日本は、人の心と一緒に文化までも枯渇させてしまったのでしょうか?氣が枯れる、すなわち穢れることは、生命を失うことですから、今の日本の多くの企業は、日本という個性も伝統もある生命を自ら辱めているのではないでしょうか?
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-16 08:00 | コラム 政治・経済・社会
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