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レッドシダー現場から、…私たちのレゾンデートル 

木の住まい案内舎ゲインのゴトウです。

 昨日の強風と黄砂が一段落したようです。落ち着いた曇天、気持ち悪いほど暖かい朝です。

 腰痛も少しずつ改善してきて、あと一週間ぐらい我慢かな・・・


 今朝、福岡県の東部にある行橋市のF外科に、最後の納品を完了しました。

 westen Redceder(俗称:米杉)の外壁(boardwall)材です。よろい張りといって、ドイツ下見張りとかベベル張りともいいますが、レッドシダーの色合ときめ細かい杢目は、高級材としての期待に十分応えてくれます。

 Redceder材は、ゲインのもうひとつの十八番です。元々国産無垢材に特化しているのがゲインなのですが、木そのものが好きな私としては、ここは供給量とシステムが安心できる産地としてカナダとドイツは別格なのです。

 レッドシダーは、日本では「米杉」と呼ばれていますが、どこのバカが命名したのか知りませんが、変節商売根性の無知から生まれた非常識そのものの名前といって過言ではありません。

 レッドシダー、直訳すれば「赤桧」。性質からいうと、「カナダネズコ」といわなければなりません。「米杉」は、秋田杉の蓄積量が不足したため、その代用品としてレッドシダーを輸入。そのままではまずいので、いかにも目細(めごま)の杉であるかのように「偽装命名」したものです。

 その当時から、いわゆる材木業界ってのは品格のない業種だったのでしょう。それに輪をかけて、現代の材木屋のほとんどが、「米杉」を、本当に「アメリカ産の杉」と思い込んでいます。そんなんだから工務店からもバカにされるのです。

 ゲインでは、レッドシダーについては、横浜に本社があるC社の製品をフロントに出しています。製品の品質と供給体制、コストパフォーマンスが、他の業者より二歩も三歩も抜きん出ているからです。

 不燃材としてのC社のレッドシダー製品は、国内で比較できる相手はいません。

 ただね、営業体制が追いついていない。つまり現場対応ひとつとっても、その販売地域や指定物件での、綿密な打合せやフォローがまったく不可能なのです。商社にも卸しているせいか、現場は工務店か材木屋任せになっているのが現状です。

 実際に、既製品以外の製品では、地場の材木屋よりはるかに高額になってしまいます。またレッドシダーならではの「色合わせ」という特別な注文があるのですが、ここではまったく対応できません。

 ここをしっかりカバーできる同様の他業者が進出してきたら、ひとたまりもないでしょう。


 これまでの時代は、物を届けるビジネスから、品質や産地を差別化したビジネスに移行してきましたが、そういった小手先の差別化戦略は、多くの業者が模倣しているために、確実に陳腐化しつつあります。

 そこにある陥穽は、どんな良品でも、ニセモノでも、それを説明して届けるのは人間以外にないという事実を見落としている点です。

 そこで活動している人間が、商品の品質を左右させるのです。人間がいい加減であれば、まぐれで良材を供給できても、システムとして対応できることは絶対にありません。

 人間を無視して物を売ることは、一時的な売上向上には結びつきますが、信頼という土壌を蓄積することがありません。要所要所には、そのモノ=商品を守り、活かす人間が不可欠なのです。

 それを軽視すると、必ず足元から腐れてくるものです。 「懐の蒸れ」なのです。

 またそうなるためには、情報とノウハウの蓄積が不可欠ですが、それには毎日の実践とクレームという未熟点を改善していって、初めて獲得できる地平です。それらを行うのは、素材でも製品でもありません。人間が行い、実現するのです。

 この当たり前であって、多くの人々が見落としているために、一言添えれば済むだけのちょっとしたクレームやまた一見なんでもないように見えて、本当は重大な問題点等も、まったく見分けが利かなくなってしまうのです。

 この世界はまさにプロならではの世界ではあります。だからユーザーさんや建築家には分かりにくく見えにくい点なのですが、それこそがその会社のコンセプトであり、ポリシーとして、第一義に掲げなければならない旗なのではないでしょうか?

 ゲインは、コスト優先の仕事はしません。

 やろうと思えば、ゲインのネットワークから不可能なことはまずないですが、ともに分かち合うこともできない咽を潤す程度の水を手に入れるために、谷底まで降りるようなことはしたくありません。結果的に自社も含めて、ユーザーさんまで苦しめることになることを知っているからです。

 こだわるということは、産地にべったりすることではありません。ひとつの理念の下に、ともに在ること、ともに向上すること、ともに分け合うこと、それらを毎日の実践の中から導き出すことだと、ゲインでは考えています。

 この世界で変化しないものはひとつとしてありません。向上するものがあれば、腐朽するものもあります。いい緊張感を失えば、あっという間に朽ちるのが、人間とその周囲の関係です。

 人間は、自然のような循環する豊かさを持っていない代わりに、感情と創造の中に、関係のすべてを通じて、あらゆる豊かさを実現できる地上で唯一の生物です。


ホームページ→ http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2009-02-14 09:59 | 成功と裕福
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