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2006年 04月 13日 ( 2 )

家・住まいの教養 その16

 前回は、構造材としての鉄について簡単に説明しました。

 私たちの求める家とは、構造材に対して、音を伝えにくいもの、熱を伝えにくいもの、そして電気を伝えにくいものとしての素材を要求します。

 当然といえば当然です。生活音は結構頻繁に発生するものですから、家のあちこちで発生する音が家中に反響するのでは、住まい手に不要なストレスを与えてしまいます。
 高気密住宅は構造材とは直接関係ありませんが、高気密とはペットボトル化ということです。

 こういう家に住むと、当初は気になるものの、次第に慣れてきて、普段感じなくなってしまいます。でもそれは意識的には感じないだけで、精神的にはかなりの圧迫感があるのです。

 この問題については、『家・住まいの健康』編で説明します。

 構造材としての鉄について、他の視点からお伝えしなければならないことがあります。
 木とよく比較されるのですが、その強度や耐火性能についてです。


 鉄:生活音 反響する  熱 熱伝導率が高い  電気 高電動体・磁化する

 木:生活音 吸収する  熱 熱伝導率はきわめて低い  電気 絶縁体



 さて強度や耐火性については、ほとんどの人が鉄の方に軍配が上がると思っています。

 鉄のイメージは硬い・強い・燃えない・いろんな形に成形できる・大型建築物には必須等々連想されると思います。原料の鉄鉱石から作るため、石~鉄のイメージがつながっているからでしょう。

 では木ではどうでしょうか?軟らかい・折れる・燃える・自然資源だからもったいない等々ではないでしょうか?

 腐れるというイメージでは、やはり木の連想に該当するかもしれません。最近のテレビではよく欠陥住宅の特集するときには、必ずといってもいいほど床下の土台が腐れた映像を流します。

 鉄は腐れないと思っている方が非常に多いのです。

 木には水に強い種類の木がたくさんあります。デッキやサウナ、野地板(屋根材の下地に張る板)、風呂桶、まな板等々、すべて無垢の木でできています。

 木は水に強く、そして軽いため、生活のいろんな場面で重宝されています。

 鉄が生活に利用されにくいのは、重すぎるという点と熱を奪うという点の二つの欠点があるからです。

 鉄は腐れる前には必ず錆びます。酸化していく行程で錆びるのです。そのとき鉄は膨張します。それは鉄の内部が酸化によって侵食されたために結果として膨張するのです。

 その後は、皆さんご存知のように表からボロボロと剥げ落ち、最後にはポキッといってしまうのです。

 鉄は燃えないのでしょうか。溶鉱炉の映像を見たことがあると思います。溶けた鉄が川のように流れ、冷却工程を経て段々に製品に成型されていきます。

 熱伝導率が高いため、もし火炎を放射すると、瞬く間に全体に熱が行き渡ってしまいます。

 鉄は高熱で溶かして成型するといいました。火事などで発生する熱は800度から1000度を超えます。鉄は600度から急激に強度が落ち始め、1000度近くでは飴のように変形してしまいます。

 この事実から考えると、熱がすばやく伝達するために、それを家の構造材として使用するとき、もし火災が発生したら家自体がゆがんでしまうことになるのです。しかも相当な速さで家全体に影響するため、退避しようにも窓が開かない、ドアが開かないことになってしまいます。

 木、についてです。

 木は燃えます。熱を通さない素材ですが、燃焼します。だから古代から人類に最も活用されてきたのです。でもこれが家の構造材として使われるとしたら、燃えやすいから、かえって危ないと思う人がいます。

 木は燃えますが、強度は落ちません。真っ黒焦げの木を見たことがあるでしょう。燃えた後の姿です。ある程度大きな木を見ると分かりますが、実際には木の表面が燃えて炭化しているだけで、木の芯の方は木のままなのです。だから強度が落ちないのです。

 そうして考えると、鉄の構造材で造られた家とは、家だけを考えた結果構造材として利用されたことが分かってきます。そして対照的ですが、木になる家とは、住まい手の安全面も考慮した家という結論になるのではないでしょうか。

 ここでは紹介しませんが、木と鉄の引っ張り強度や圧縮強度の実験データが公表されています。是非調べてみてください。
 木という自然素材がどれほど優れたものであるか、お解かりになると思います。

 ただ最近の建築基準法は、全くの無知から出来たのではないかと思えるほどいびつな体系になっています。
 防火地域や準防火地域では、ほとんど木を使用する余地がないほど制限されています。

 仕方がないので、私たちは準不燃木材や不燃木材も扱っています。どんな悪法でも無視はできません。ただ不燃処理をした木は、木本来の性能からかなり遠ざからざるを得ません。
by MUKUZAIKENKYU | 2006-04-13 19:47

家・住まいの教養 その15

 やっと復帰できました。

 HPの中に『家を育む土地』という名称のページを作りました。トップページに扉がありますので、そこから入ってください。 http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/

 このページは、まだ未完成なのですが、伝えたい内容はほぼ完成しています。
ただ文字ばかりなので、結構集中力が必要です。近い内に、もっと読みやすいように写真等を入れて緩急のリズムを作る予定です。

 さて14までは構造材としてのコンクリートについて簡単に述べました。専門的に語ることも出来ますが、それはこのブログの趣旨ではありませんので、さわりだけで通過します。

 今回は鉄、です。

 鉄は建造物の構造材としては最もコストの掛かる製品です。それは直接売り買いをする場面でのコストという意味ではありません。トラスやH鋼などでは木より安いものもあります。

 鉄と木を同じ体積である現場に納品するまでに掛かる、生産から消費までに掛かるコストのひとつとして、どれくらいの石油を消費するかという比較表があります。

 鉄は木のざっと55倍の量の石油を消耗します。アルミにいたっては約240倍消耗します。

 最近スチールハウスだのアルミ合金何とかとかいう「家」を販売している会社が、次々と倒産しました。当然といえば当然です。化石燃料をざぶざぶ消費するような家に、想いのある人は住むことはないのです。

 金属はそれだけで反響音を生みます。
 一時期「高断熱・高気密」を謳い文句に、実体はペットボトル住宅を勧めるような行政の動きがありました。
 御用学者とメーカーの息のかかった役人が称揚した結果、シックハウス症候群が一気に増えてしまいました。

 高気密は日本の住まいの文化としてふさわしくありません。ごく一部の地域を除いて、高温多湿の気候条件に、日本の家の文化は、敵対するのではなく、人間も含めて適応する道を選びました。

 この視点を抜きに「もっといい家が欲しい」とか、正義の味方ぶった稚拙な本が出回っていますが、裏にある建材メーカーの顔がちらちら見えてきました。

 実際にその家に入ってみると分かりますが、構造材を鉄骨などで造った家は、家全体がよく反響します。物音が物音を通り越して騒音になることが多いようです。

 私たちは家や住まいの構造材には、反響の反対の静けさを求めます。防音ではなく、遮音、あるいは抑音です。

 そして家全体を支えるものですから、熱を伝えないものを求めます。熱を伝える素材では、その素材をどんなに被覆しても、素材同士の組合せで家は出来ているため、熱の伝達を抑えることができないからです。

 そしてもうひとつ、電気を伝えないものとしての素材を求めます。

 その理由は電気を伝える素材では、家の中では当然多くの電気製品を使うため、壁内では多くの配線がなされているため、電気を使用するたびに、その素材は磁化するのです。

 それを反復すると、確実に磁化していき、将来的には立派な磁石になってしまいます。しかも大地の自然の磁場ではなく、人工的な磁場ですので、健康にいいわけがないのです。

 構造材として使われる素材ですので、磁化してしまったら、生活のあらゆる方向から、乱れた磁場を浴びることにつながるのです。そして一旦磁化してしまった素材は、簡単には元に戻れません。

 磁場障害は、まだはっきりと公表されていませんが、確実に拡がっています。
(次に続く)
by MUKUZAIKENKYU | 2006-04-13 15:47