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2009年 07月 03日 ( 1 )

天然林の無垢材を天然乾燥で利用する深い意味

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


 国産無垢材を中心に、より多くのユーザーと建築家に、本物の情報と製品を提供しています。


 以前は、国産無垢材だけにこだわって活動していたのですが、国産材だけでは、どうしても補うことができないものもあります。また今日のように、国際経済が当たり前になっていて、それを無視することに、それほどの意味がなくなりつつあるようです。

 もちろん日本には日本にしかない独自の木の文化があります。日本独自の木としても、杉やツガ、高野槙等々、奥の深い無垢の木が、大量に育っています。

 でも現代では、人間が正しい見識を以て作る、あるいは育て保護している木ならば、日本に限らず、できるだけ低炭素を追求しながらも、特定の海外の木を積極的に利用することは間違ってはいないと思えるのです。

 なぜなら、日本ほど日本の木や自然をおろそかにしてきた国もないからです。改めて海外の意識と智慧に学ぶことは、眠ってしまった日本人の智慧を呼び覚ますことにつながることもあります。


 明治時代から、木を育てるということの深い意味を伝える人間が減ってしまい、木材自給率20%という汚名を甘受するまでに落ちぶれてしまった、自称「森林大国」日本は、それこそ自嘲「侵林大国」に変わり果ててしまった。


 本当に木を大切にする国は、人工林より天然林を優先します。天然林を人の手で確実に更新させていくことを最優先します。ドイツが、その典型といえるでしょう。

 その反対に、木を大切にしない国は、植林~人工林を優先します。換金価値からしか森を見ないからです。バカっちゃあバカです。一旦破壊した自然を、似非森林を造ることで復元することなどできないことは、木や森林の生態系を知っている者なら、誰でも知っていることだからです。

 最近取り沙汰されている花粉症にしても、それは杉や桧が原因ではありません。確かに花粉は、それらの木から排出されますが、本来他の生物の健康を害するほど排出することはない木なのです。

 自然の生態系を無視した植林行政の在り方が破綻した結果のひとつなのです。木自体のストレスを誘発するような、単一材を必要以上の密度で植林したことでしょう。 森があるのに森にならない、森自体が怒っているかのようです。


 今後植林地帯を伐採して、更新作業を行うならば、必ず広葉樹との混交林にしなければならない。

 杉や桧は、森の生物にとって、何の栄養源にもなりません。広葉樹や松の実がなければ、生物は生きていけないのです。

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 人の生活圏を犯す動物たちが集中する地域を調べてみれば分かりますが、その周囲はほとんどが杉や桧の植林地帯のはずです。

 針葉樹ばかりであっても、杉だけとか桧だけとかではなく、その植生に応じたマツや桧の混交林として再生しなくてはならない。


 同じ種類の木であっても、天然の木は、植林の人工林で成長するモノと比べて、数十倍の生命力を持っているのです。


 この10数年間に、日本の住宅業界・建築業界は、最悪の木の利用方法を当たり前のように採用しています。すなわち「人工乾燥」(KD)です。

 機械で強制的に木を乾燥させるのですが、その際木の命ともいえる樹脂や精油成分まで取り除いているからです。強制乾燥された木は、ただ見かけの強度が高くなっただけのスカスカ材です。長持ちすることは、まずあり得ないでしょう。


 人工林で作られた寿命の短い木を、さらに人工的に乾燥させた木、・・・こんなことが繰り返されれば、日本の森林が廃れるのは火を見るより明らかです。

 しかも、ですよ。戦後木材需要にこたえる名目で、全国の混交林を破壊して、単一林を植林しておいて、途中から木造建築物を規制して、RC造の建築物を優先する政策が施行されたことで、日本各地にできた人工林は無用の長物と化してしまった。


 日本には、自然に対するちゃんとした知識を持った者がいないのではないかと訝しくなってしまうのです。合理主義な国のひとつとして知られるドイツでは、林齢を100年から150年の単位で捉え、木材自給率100%を実現しています。

 今でも天然林から、樹齢150年以上の木を計画的に海外に輸出できるのですから、日本は今一度ドイツから自然との接し方を一から学び直さなくてはならないのかもしれません。


 明治維新の前夜のように、平成維新は、日本人がこれまでの成長から生まれた歪みを正し、本物の智慧を以て、自然と人間の社会の在り方を変えなくてはならない時に来ているのではないでしょうか?


ホームページ→ http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2009-07-03 18:26 | 木 無垢材 自然