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2010年 08月 02日 ( 1 )

木を貶めた戦後の木造建築

日本の住まいを良くする無垢材研究会 
 
                     住まいの木案内舎ゲインのゴトウです


 木が木であるには、という問い

 昨今の建築現場では、木造建築であっても、悲しくなるほど木の使用量が少なくなってしまった。


 そして日本の木造建築では、一千年前から、木の使い方に、ほとんど変化はない。

 だが日本が敗戦後の復興の中で、大量に利用された国産材が枯渇してしまった時代がある。

 木そのものがなくなったのではなく、建築への利用価値のある木が枯渇してしまったのである。

 2000年に入ってからは、かなり改善されつつあるとはいえ、今から40年前前後では、事態はかなり深刻であった。

 国産材の利用率は凋落の一途で、北米材が良い木と持て囃される時代が長く続き、木の産地より、中間業者の「材木屋」が、市場にはびこることになる。


 そして80年代からは、大量の欠陥住宅と呼ばれる出来損ないが取り沙汰されることになった。

 戦前では聞いたことがない「欠陥住宅」は、どうしてそんなに生まれたのか?


 ひとつは、建築資材の変化である。木とは、およそ相性の合わない資材が、大量生産され、法律上のお墨付きをもらうと、瞬く間に市場を席巻してしまった。

 現場の生産性を追求すると、家本来の良さを犠牲にして、何でもかんでも「早く、安く」が優先され、その需要に応える製品が重宝され、それまでの主役であった木は、その原理に従わざるを得なくなった。


 もうひとつは、木自体の客観的な基準が確立していなかったために、一部の悪徳材木屋が、最低の質の木を市場に流し込んだからである。

 時代のスピードやニーズに対応できなくなって、それを無理矢理合わせようとして、良質な木より低質な木を捌くために、いわゆる「混入」販売をして、流通する木の質を貶めてしまった。


 工務店は、材木屋のそんな打算を見抜いていた。だから買い叩くことが当たり前になってしまった。


 そうなると、もはや良質の木は、正当な対価を得ることができなくなり、市場に出ることがなくなるのである。


 日本の伝統建築は、木に拠って成る建物である。

 木との相性を最優先して、建築資材の適不適を法制化しなければならなかったはずなのに、実際にはその真反対だった。

 木に、無理矢理負担を強いて、折れやすくなり、腐れやすくもなり、木本来の寿命が、著しく短命化されてしまったのである。

 続く


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-08-02 08:03 | 木の家 国産材 無垢材