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2010年 08月 03日 ( 1 )

木造建築の主役はだれ?

日本の住まいを良くする無垢材研究会 
 
                     住まいの木案内舎ゲインのゴトウです



 前回、現代の木造建築物は、悲しくなるほど木の使用量が少ないと嘆いてしまった。

 それは柱などの構造材のことではない。内装材としての利用率を差している。


 構造材としての量は、一時期に比べれば、むしろ増える傾向にある。柱は、何でもかんでも半間(910㎜あるいは1m)間隔に配置する傾向にある。

 これは良い傾向なのだろうか?


 こういった傾向が促進される理由には、柱直下率と壁直下率への妄信があるのではないか。

 これらの直下率が向上すれば、耐震性が増すことが保障されているため、この10数年前からの木造建築では優先的に施工されている。

 であれば、半間置きに柱を配置することは、家の耐久性や耐震性を向上させるので、推薦されていいはずである。


 だがこの直下率は、水平応力には、ほとんど役に立たない。水平応力に対応するものは、筋交(すじかい)と呼ばれる斜め桟である。

 すじかいの合理的な配置と数量で、本来横揺れの多い地震に対する抵抗力が決まる。単なる柱の量ではない。

 柱の直下率とは、一階と二階にある柱が、垂直方向に並んで、一本の柱のように配置されているかどうかを示す指標だが、これは飽くまで2階がある住宅に対するもので、平屋には当然適用されない。壁の直下率も同様である。


 ここで翻って、考えてみたい。それは柱や壁とは、構造上の耐力を示すためのユニットなのだろうか?

 木に対する捉え方が根本的に間違っているから、木造建築では、木を必要以上に「保護」したり、隠してたりしているのではないか?


 現代の建築基準法では、日本伝統工法による建築は不可能になりつつある。

 柱にも、筋交にも、屋根の垂木にも、すべてに見苦しい金物が、高耐久という名目の元で、使用することが強制されているからである。

 そんなことをしたら、建築物に供給される木は、益々質が下ってしまうのが分からないのだろうか?


 木造建築での主役は、木であり、木以外にはない。

 なのに、それを金物や建材利用を優先させる現在の法律では、木はハシタメのような扱いにまで貶められている。

 本当の意味の木造建築では、構造材としての木を活かすことを大前提に志向すべきである。

 でなければ、木を傷めるだけの工法は、亡国の工法といわざるを得ない。


 住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-08-03 10:22 | 木の家 国産材 無垢材