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全国設計事務所分布-その2

 九州地方:福岡県と熊本県、佐賀県は、その1に掲載しています。その1で掲載できなかった地方を紹介します。

長崎県 650   宮崎県 600   鹿児島県 850   大分県 670  

沖縄県 1100? 島根県 570   鳥取県 380

青森県 700   秋田県 630   山形県 720   福島県 1050

石川県 840   富山県 600   長野県 2100   岐阜県 1230  

滋賀県 600   奈良県 430   三重県 770   和歌山県 480

鳥取県 380   香川県 550   徳島県 570   山口県 800



 私の予想では、日本海側では新潟がダントツ、東北では宮城県、関東六県では神奈川と埼玉、中国地方では広島県。四国では香川県。

最も集中している順番からは、東京、神奈川、埼玉、大阪市、名古屋市、福岡市、広島市。

沖縄県が1100という数字でしたが、実際に検分してみて、どうにも合点がいきません。

 長野県が意外にも多い。

 長野県が多いのは、おそらく東京と信越新幹線の関係上地理的有利さが反映していると思います。そのため新潟県も、その影響を直に受けています。
 新潟は、かしこいIT企業家がたくさんいます。

 東京のIT企業で成功できる確率は、0.5%。世界一高い経費を支払っても、十分賄っていける企業が集まっているのですから、儲けは半端じゃありません。儲けもさることながら、それ以上に定期収入を確保していて、目減りしない方法を築き上げている会社は、東京に集中しています。

 ITそのものでは成功できない企業は、中間搾取をするスタンスをとることが多い。つまり本業では成功できなかったが、その会社と同様に幻想を抱いて起業する個人や会社を対象に、新たな商売を始めるのです。最も多い形態が、「私は、○○日で、○億円稼いだ!」という触れ込みで、本当はありもしない階段を、さもこれを上らないと次はないといって、高額なセミナー料や教材を買わせるのです。

 地味ながらも、コスト意識が高く、確実な収益を上げている企業は新潟に多いのです。地方での諸経費のひとつとして、地方税や土地価格、物価などの生活コスト、そして企業用のインフラ整備状況等々を勘案すると、東京での仕事を射程に入れている企業が新潟県には多いのです。

 上の数値は、建築を基準とした数値ですが、建設業者数は含まれていません。設計事務所として電話登録をしている数字ですので、電話登録をしていない設計事務所も結構多いため、これらの数字から1割を足したほうがいいでしょう。

 ただ設計事務所登録をしているのは、設計事務所専業だけでなく、建設会社も含まれているため、正確な実数を反映できませんが、参考にはなるでしょう。

 岐阜は名古屋に、兵庫は大阪に、関東六県のように直接影響を受けて、大都市の光の輪の中にいます。

 札幌市や福岡市は、そのような影響下にないのですが、独自の経済圏を構築しています。すなわち北海道、九州という島としてのブロック経済です。

 四国については、橋ができて以来確実に成長していますが、インフラ整備が大幅に遅れていますが、徳島だけは大阪経済圏の範疇に取り込まれつつあります。
by MUKUZAIKENKYU | 2007-02-19 10:22

ちょっと一休み!-全国の設計事務所分布

全国には、ほぼ30万名の建築士が登録されています。

 同じ業種ではありますが、それぞれの得意分野があり、いわゆる官庁工事専門、RC造等の箱物中心が全体の約70%を占めています。残り30%に、構造設計、設備設計があり、純然たる木造中心の設計事務所は、全体の10%です。

 そしてこれらの設計事務所にも、元請中心と下請中心があり、また1級建築士として登録していても、大手事務所に所属していて、一件の設計事務所に5名から、多いところは50名の建築士を雇用しているところもあります。

 この傾向は大都市に集中しています。
 では以下、全国の主要な都市で、どれほどの設計事務所が分布されているか見ていきましょう。概数表示です。


北海道全体 2500件  札幌市 1200件 函館市 160件  旭川市 150件
                帯広市 120件

岩手県全体 700件   仙台市 770件

新潟市 570件   富山市 280件   岐阜市 350件

東京23区 6100件  23区周辺市 900件  

東京隣接  神奈川県側 1500件  埼玉県側 800件  千葉県側 770件

名古屋市 1500件  大阪市 2400件  京都市 700件 

神戸市 580件  神戸周辺市 850件

岡山市 440件  広島市 930件

福岡市 1200件   北九州市 350件

福岡市周辺市 150件   北九州市周辺市 150件

熊本県全体 800件(熊本市500件)  佐賀県全体 380件

九州全体 約4700件

いかがですか?

 東京だけで7000件。周辺都市を入れるとプラス3000件。計1万件の設計事務所が、東京とその周辺を占めています。全国の25%です。明らかに過度集中。
 詳しく調べていませんが、全国で5~6万件の設計事務所が登録されているということですので、東京とその周辺だけで、18%近いシェアです。

 でもこれをお金の分布で見ると、日本のお金の60%を、5%に満たない人が独占していて、残り95%の人口で40%のお金を取り合っているということです。

 お金が最も集中している地域は、東京がダントツです。神奈川と合わせると、20%を超えるシェアになります。そう考えると、いわゆる人口分布で、需要-供給バランスを考えるのは的外れだということが分かってきます。

 お金の集中とその動き(レバレッジを含む)に応じて、企業や技術、そして人が、まるで東京というメガシティーの重力に捉えられたかのように集まってくるわけです。
 そしてしっかりしたコアを持っている人なり企業は、その結果お金を手に入れ、それがないところは、重力そのものに耐え切れず空中分解してしまう。

 分解された部分は、もちろん大きな重力にとっての肥やしとして消化されてしまいます。


 この資料では、工事兼業の設計事務所も若干含まれていますので、一割をカットした数字が設計事務所専業を反映していると思います。

 そしてこの統計は、その地域の需要に比例していますが、得意分野は反映していませんので、専門分野の偏りはあります。

 従来地方に行けば行くほど、木造住宅は設計事務所に依頼せず、直接大工や工務店に依頼する傾向が高くなります。最近は風土や伝統が希薄になりつつあるため、大手ハウスメーカーが台頭しています。

 でもこういった地域の気候風土も考えず、何でもかんでも既製品を押し付ける会社に自分の家作りを依頼することは、自分の家の価値を捨てていることと等しいという事実に、早く気づいてい欲しいと思います。

 りんご一個にも個性があります。ひとつとして同じように見えて同じものはありません。チラシを見て、隣を見て決めるのは、いわゆる右顧左眄、自分で自分を無価値にしているようなものです。

 是非ご自分の地域か、あるいはこれは!と感じる設計事務所に、気軽に問合せしましょう。当然相性があります。どうしても気が合わないところもあれば、何を言っているのか分からないようなところもあります。

 人間関係ですので、出会いには当たりはずれがあるのは当然だからです。
 ホントに信頼できる相手に会えるまで、じっくり腰を据えて探しましょう。

 ちょっと常識的に考えれば分かることなのですが、洪水のように流される宣伝広告に洗脳されてしまうと、思考能力が麻痺してしまうこともあります。気がついたら、住宅展示場オタクになっていたということになりかねません。
by MUKUZAIKENKYU | 2007-02-18 12:43

マイナスイオンと癒しについて 3

 この地球上だけでなく、全宇宙は、エレクトロン(陰電子)とプロトン(陽電子)から成り立っています。太陽も、人間も、このふたつから成立しています。
 これだけは破壊できません。

 そしてこの組成から原子が生まれ、その結合形態から分子が誕生し、この世に森羅万象の姿を現しています。現すだけでなく、消滅もします。組成が壊れることによって、分解されていくからです。

 この現象は、腐朽、燃焼、酸化、老化(風化)という形態になって現れます。その反対は、生長、更新、還元、蘇生です。前者と後者の違いは、エレクトロンとプロトンの電気的結合のあり方です。エレクトロンが十全に付加され、原子が安定している状態が後者の姿です。前者は、いろんな原因によってエレクトロンが奪われている状態です。

 万物には誕生から死滅までの避けられぬサイクルがあります。どんなに頑張っても、いずれ墓に入ることになります。老化というのは、肉体を形作っている細胞の原子が酸化している姿です。

 人間の場合は、肉体の70%が水分です、この水分が肉体全体に栄養を補給したり、老廃物を排出したり、また細胞の代謝を行います。つまり肉体内でのすべての運動は、水分を通して行われていることになります。

 高齢者は、誕生したばかりの稚児と比べると、水分率は半分しかありません。肝心の水分でさえ、十分に補充できなくなるために、細胞の代謝などの体内の運動が日増しに減退していくのです。つまり棺桶に向かって走っているわけです。

 若さを保ち、いつまでもエネルギッシュに生活したければ、肉体に栄養を行き渡らせる能力を持った水分を、今まで以上に補給し続けなくてはならないのです。
 これを怠ると、老化を促進することになります。

 これは住まいの構造や素材についても、同じことが言えるのです。
by MUKUZAIKENKYU | 2007-02-17 15:27

マイナスイオンと癒しについて 2

 木の家が、そこの住む人のためにイヤシの力を発揮するには、それなりに工夫する必要があります。

 それは素材と構造に求められます。素材と構造がしっかりしていなければ、木の家はその力を振るうことはできません。

 構造的には、急所といえる点がありますが、そのひとつが家の中の空気が動くことです。

 室内の空気が動くのは、機械的な強制換気やエアコンによるものではなく、屋外の自然環境と室内の間取りや採光とのバランスによって、外の空気を自然に取り入れられるような工夫と同時に、室内の空気が同じように排出できる工夫が施されていなければなりません。

 設計意匠的な換気ができること。これが肝心でしょう。

 そしてもうひとつは、地域的な気候風土によって差異がありますが、福岡などの日本海側の地域では、採光対策は不可欠になります。
 福岡や北九州市は、日本で最も日照の少ない地域のひとつだからです。

 更にもう一点。湿気対策です。

 これは日本のほとんどの地域でいえることですが、日本は全体的に高温多湿ですので、とりわけ梅雨時季の湿気対策は絶対不可欠といえます。

 この湿気対策が不十分なうえ、施工ミスによる雨漏りなどの漏水が室内に発生すると、どんなに良い木を使っていても、家は長持ちしません。

 これは第一番目の「空気が動く」という意味での換気対策ではなく、湿気に対して柔軟に対応できる家の造り方や素材の選択方法があるということです。

 日本人の生態的な特性として「肌の肌理細やかさ」が挙げられますが、近年その皮膚の状態が変質しつつあるという報告が出されていました。すなわち欧米人のような乾燥肌に近づき、紫外線に弱くなりつつあるというのです。

 日本人の体質的な特性としての肌理細やかさは、日本の気候と無縁ではありません。そしてその気候に適応するために、最もよい服装として和服があります。
 そして第3の皮膚と呼ばれる住まいは、まさに日本人の健康や生理に深く関係しているのです。

 以上の三点をしっかりと押さえることは、住まい手の方が望む自宅のイメージとは別の次元の、地域特性に応じた基本中の基本のマネージメントになります。
by MUKUZAIKENKYU | 2007-02-12 15:05

マイナスイオンと癒しについて 1

 序で述べたように、現代の家のほとんどが、本来の癒しの場からは程遠い苦痛とストレスの原因となる空間に変質してしまいました。

 どうして「癒し」の場から人間疎外のような空間に変質してしまったのでしょうか?

 それを分析する前に、かつての日本の家が、科学的な意味からも、本当に「癒し」の場であったことを簡単に説明します。

 日本の伝統的な家は、木の家でした。いわゆる木造住宅とは異なります。この木造住宅という言葉は、ある意味で「癒し」の場である木の家を台無しにしてしまったともいえます。

 木造住宅の意味は、構造材に木を使用しているということです。それ以外の意味はありません。ただほとんどの木造住宅メーカーやビルダーは、この点をあいまいにして宣伝し、木造住宅であれば健康住宅であるかのようなまやかしを行っています。
 意外と、そうであるかのように信じ込んでいる会社もあるため、事態は深刻です。

 日本の伝統的な家は、たしかに豊富なマイナスイオンに恵まれ、外界が多少汚れていても、自宅に戻れば、生命力を更新できていました。その原因は、素材と家の造り方に求められます。(続く)
by MUKUZAIKENKYU | 2007-02-04 17:43

マイナスイオンと癒しについて 序

ここ数年の間に、マイナスイオン関連の商品がたくさん市場に出回っています。

 本題に入る前に、マイナスイオン製品が供給されるに至った背景について述べます。

 空気汚染と電磁波による室内環境の悪化が原因とされていますが、もっと具体的にいうと、多くの住宅メーカーや工務店が、この10数年間推し進めてきた「高気密」住宅=ペットボトル住宅によって、内装材や設備から発生する揮発製有害物質が家屋内に充満し、その結果住まい手の健康が侵され、全国でシックハウス症候群が惹き起こされたためです。

 建築基準法のいい加減さは、法律そのものの問題というより、その法律を作り立法化してきた国会議員と、それにへばりつく利害団体(業界)の思惑によって、これまでの法律が立案されてきたということです。
 これがいわゆる資本主義による立法構造です。今更良いの悪いのといっても始まりません。より多く資本を持つものに力が集中して、その資本の生産と再生産を常に更新しつづけるためには、法制度から行政にいたるまで、それを可能にするために「整備」しなくてはなりません。

 シックハウスを克服するためには、あえて機械設備に頼る前に、もっと生物学的な原点に立ち返るのでなくてはならないと思います。

 もぐら叩き的な立法と行政では、物事の本質を見失いかねません。時代の変遷によって、生活環境が悪化していることは分かっていても、それではそれ以前の時代の光景のどこが良かったのか、基本という伝統を見失うことなく、つまり二度と戻れない迷路にはまり込まないために、何を羅針盤として活かすかは、今の時代に生きる私たちの注意深い意志にかかっていると思います。

 ペットボトルのような高気密住宅がもてはやされ、それに高断熱をくっつけて、家の高規格住宅という仕様が出来上がりました。三高住宅です。
 その結果、家屋内には揮発性有害物質と二酸化炭素が充満し、シックハウス症候群という新種の病気が全国で発生しました。

 行政は慌てて換気対策を施す施策を実施しました。そしてVOC(揮発性有害物質)の濃度を規制しました。建材から発生するVOCは0.03ppm以下というものです。
 国際基準は0.008ppm以下なのに、いまだに日本だけはのんびりしています。

 高気密に疑いを持たない、また触れようとしない(業界の暗い意志のひとつでもあります)ために、法律で、また新たな設備設置を義務付けるようになりました。強制換気装置です。また部屋間の空気が移動できるように、ドアと床の間に一定の隙間をつくることと、温度差によって室外に換気できる設備も義務付けられました。

 このときから日本の家は、更に化石資源を消尽する、高エネルギー消費住宅に変質しました。「4高」住宅の誕生です。

 21世紀の時代の流れに真反対を向いた住宅を、どこまで造ったら本当のことに気がつくのでしょうか?立法から行政、業界の隅々まで、無知と無責任、無関心という三無主義で、脳みそと心が壊滅しているように思えてなりません。だれも、そこに住む住まい手というエンドユーザーのことを考えていないのではないのでしょうか。

 資本主義の構造的な陥穽に陥ると、人間としての感性が麻痺するようになります。ユーザーに届けるはずの商品は、いつの間にか自己満足と受け手の見えないサプライ競争の中で空転することになります。ホントだったら成り立たないのですが、市場が限定されていれば、まがい物でも何とか売れるのです。


 規制対象外として無垢材がありますが、そのため海外からの輸入材はフリーパスで日本の市場に入ってきています。無垢材でも、防虫対策のために殺菌処理の為にどっぷり薬剤に浸かった「無垢材」が取引されています。

 国内にもすばらしい無垢材があるにもかかわらず、何が何でも輸入無垢材を使うゼネコンや工務店がいます。その理由は簡単です。安いからです。法律上問題がなければ使用はできますが、ユーザーを無視した商取引がいまだにのさばっているのが建築業界のようです。
 でもこの点で最も罪深いのは、供給する側の商社であり、それを疑いもせずに市場に出す問屋や販売店です。ある意味そこまで、木や建築に対する無知や無責任が蔓延しているともいえます。

 本来マイナスイオンをたくさん供給するはずの木が、薬品によって汚染され、逆に室内空気の汚染源になっては、泣くに泣けない情けない事実です。そしてさらに、そういう木製品は、二度と大地に帰ることができなくなっていますが、無垢材だからという理由で、リサイクルされたり焼却されることによって、地球上の大気汚染に一役買うことになるのです。
by MUKUZAIKENKYU | 2007-02-01 11:54