<   2008年 02月 ( 17 )   > この月の画像一覧

家の品格とは

 先日ある新聞から得たヒントを元にしています。

 それは「ブルーレイディスク」と「HD-DVD」のシェア競争に決着が付いた時点で述べられていたものです。

 「器と料理は、媒体と情報の関係に似ている」という行がありました。

 家の内装という視点に限定していうと、床や壁などの意匠が器であり、そこに囲まれて生活する住まい手が料理といえます。またはそこに使用される床壁材を器とすれば、建築家の意匠デザイン(建築家の想い)は料理に例えることができると思います。

 「媒体や、それを動かす機械は「伝える中身」がなければ価値を生まない。」とも。
 どんなものでも、それを伝える場がなくては存在しないのと同じで、買い手がいなければ倉庫で朽ち果てるしかありません。

 そして決め文句は北大路魯山人の言「美器を作らんとする者は美食に通ずべし」

 私たちのような木という自然の贈り物を取り扱っている者にとって、自然だからという理由で伝えることが多いのですが、動機が安直なためか、それだけではほとんど受け入れてもらえることがありません。

 太陽と大地からの贈り物である木を、家の器として利用していただくためには、それを心から感じて、私たち自身が料理であり、それを通して、感性の高い建築家や住まい手こそが本当の受益者であることを理解していただく以外にありません。

 私たちの声や行動は、大手の建材メーカーや問屋と比べて、存在しないに等しい微弱なものでしかないかも知れません。でも伝えずにおられない、ひとりでも多くの人に理解していただきたいという深い想いに突き動かされて、毎日の生を活かしています。

 家の品格は、使用する材料の値段の高さで決まるものではありません。極端な言い方をすれば、路傍の石を活かすことが発想の原点になるものであって欲しいと考えています。(実際には、良い物はそれなりの価格がするのが当然です。廉価品はやはり廉価品以上でも以下でもでもありません)

 家の品格は、そこに住む人の品格に通じます。

 木の製品一つを作る者の想いだけでは空回りするしかありません。それを一所懸命にマーケティングする者、そしてそれを受け取る建築家、さらにご自身の生活の舞台として所有する住まい手の方々、…途切れることのない其々の顔と想いが1本の太いレーザー光線のようにつながる時、家の品格は自ずと輝きを増すのではないでしょうか?

 赤剣(あかつるぎ)15  赤み勝ち浮造りフローリング 厚さ15㎜

 自然の無限の豊かさを、使われる方にもっと実感していただきたい思いで、わざと表面に凹凸のある意匠を施しました。足裏に伝わる微妙な凹凸は、疲れた体を十分に癒してくれるようです。

 
d0015306_14244269.jpg


 http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-29 07:00 | 木の家 国産材 無垢材

日本の家に欠かせないものとは

それは、日本独自の木、しかも本物と呼べる木を選ぶことです。

 いろんなビルダーが珍奇な工法を宣伝していますが、そのほとんどの業者が肝心の部分である木については、まったく無頓着です。

 日本の住宅の寿命が異常に短い原因を理解していない証といえるでしょう。

 日本の住宅の寿命を延ばすには、まず第一に国産で、しっかりとした思いの元で生産された木を使用することが大前提になるのです。

 日本の杉には250以上の種類があります。ならばその産地の杉材を利用すれば、省エネに直結するのですが、実際には大分や宮崎の木が静岡で大量に販売されているなど、イニシャルコスト優先の商取引が行われています。

 トラックによる輸送が、全国どこにでもネットワークが張り巡らされている現状にあって、木材輸送だけを省エネすることは、反って消費者の自由を奪うだけで、何の役にも立たないのです。

 本当の省エネやエコロジーを目指すならば、木材の輸送コストより、鉄やアルミ製品の使用を抑えることの方が、はるかに有効で、エコロジーに直結するはずです。

 石油使用量比較   木:鉄:アルミ=1:55:236


 杢精(もくせい)  壁・天井用、RC型枠用

 樹齢の高い赤み勝ちの杉からしか作れない、見事な深みのある凹凸が印象的です。杢目は年輪そのものですが、樹齢が40年前後の杉材からは絶対に表すことができません。

d0015306_9104152.jpg


http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-28 08:00 | 木の家 国産材 無垢材

木の家≠木造住宅! 本物主義とは?

 木造住宅とは、家屋の構造部材に木を使用しているだけです。だから木が人の暮らしに影響することがありません。

 木造住宅のメーカーが、キャッチコピーに「自然」とか「癒し」「健康」という言葉を羅列することに土台から無理があります。もしそれなりの工夫を凝らしているとしても、それは住まい手に余計な負担をかける設備過剰住宅ということになります。

 木の家といっても、まるでログハウスと見紛うような、木が四方八方に威張っているのも考えものです。

 構造材である柱や梁を現しにしても、または床や壁に無垢材を使用しても、人の暮らしが豊かになるようなデザイン(意匠)が施されていなければ、グロテスクなだけでしょう。

 そして本当に人の暮らしを豊かにできる木は、一般的な商業ルートから入手することは至難の業です。なぜならば選択した木のそれぞれの特性に応じたアドバイスなくして、住まい手の方は安心という保証を得ることができないからです。

 材木屋であっても、まったく木を知らない店はたくさんあります。表向きが材木屋であっても、実際にやっていることは、輸入材や建材メーカーの営業所に堕しているところが五万といるのです。

 木を知らない「材木屋」と取引をしている工務店は、いよいよ木を知ることがありません。だから木造家屋を建てることはできても、木の特性を最大限に活かした木の家を建てることは絶対に不可能なのです。

木に関心のない設計事務所さんは、残念ながらいます。そういったところは、予算があっても、床材には大手建材メーカーの足が冷えて汚れるような既製品を、何の疑いも持たずに図面に落とし込みます。

 これからは、本物にしか本物を紹介できない時代になりつつあります。

 当初はたとえ本物であっても、いつの間にかニセモノに変わることもありますが、ニセモノが本物になることはありません。
 本物が本物であり続けるには、初志貫徹以外にありません。油断と恐怖、猜疑心が発生したときは、ニセモノへの誘惑に負ける瞬間です。

 貧すれば鈍する!けだし名言だと思います。
 しかしながら、富する者は豊にあらず。お金には品格はありません。だから所有するお金の多寡で、人間の品格は測れません。

 プライドと高慢には、天地の開きがあります。プライドは静けさの中にしか存在しませんが、高慢は比較の中でしか生きることができません。
 プライドは責任や約束を全うすることを第一義におきますが、高慢は自分のことは棚に上げて、他人を攻めることにエネルギーを消費します。

 そのためただのお金持ちは、所有するお金を守ることにしか関心を持ちませんが、本当のお金持ちは、お金がお金を活かすために、お金を支配しているので、お金を与えることに関心を持っています。

 お金を、ただの財産と見るか、それともクレジットと将来性という観点で見るかでは、その人の人格と生活、そして人脈に如実に現れます。

 それは木造家屋と木の家との違いそのものでもあります。

 

http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-26 10:00 | 木の家 国産材 無垢材

日本の家(住まい) 宮崎の選木杉柱とは

福岡県宗像市 K様邸
d0015306_15543120.jpg


 この家に使用した柱は、すべて飫肥赤杉のKD(人工乾燥)材です。宮崎県は製材所の多い県ですが、それぞれの乾燥技術を持って、その品質を競い合っています。

 ゲインも、数ヶ所の製材所と取引がありますが、ここの製材(Tさん)所から出荷される柱や梁は秀逸です。

 一般的に人工乾燥をかけた木は、焼けたように褐色に変色して、肝心の杉の油脂が抜けてしまい、パサパサとした印象が避けられません。このような杉材は、経年変化による艶のあるあめ色に変色することがありません。

 つまり経年変化による味わいがないのです。

 Tさんは、この問題を解決するために、まず木の選別を強化して、乾燥処理にも、芯部分が中割れしないように丁寧に作業を行いました。
 それは余計な水分を抜きながら、杉の美しさの元である油脂を残すことでした。

 とりわけ現しとして化粧に使う節有の柱では、特に氣を使います。
 一般的な製材所では、たんに節の少ない材を出すことで対応していますが、これでは想いが足りません。

 上の写真にあるように、家が建った時点から、柱には独特の艶が現れています。これこそが同じ節有材の柱には不可欠の品質です。杉の品格が守られているのです。


http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/ 
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-24 07:00 | 木の家 国産材 無垢材

シロアリから見た国産材と輸入材

 シロアリは、日本では二種類いますが、そのどちらも凶暴です。木を食い荒らすだけではなく、コンクリートまで餌食にしてしまうこともあります。

 このシロアリにも好みがあります。食べたくなる木とそうでない木があります。

 前者では、総じて輸入材の多くが当てはまりますが、とりわけ好むのが、米栂(ウェスタンヘムロック)と米樅(ファー)、そして現在盛んに輸入されている米栂の代用品であるホワイトウッド(欧州樅)です。

 シロアリは、水分を求めて、集団でどこまでも前進していくため、シロアリが通った後は、ほとんど何も残りません。木に含まれている水分が多いと、シロアリは確実に見つけ出して、餌にしてしまいます。

 ただ木という生物も、自己防衛するために、いろんな成分を体内に作り出します。その典型的な成分が、ヒノキチオールであり、タンニンでしょう。

 ヒノキチオールは、日本では青森ひば(能登ひば)に含まれていて、独特の香りを発します。タンニンは、柿渋の原料ですが、クリや杉の赤み部分に多く含まれています。

 桧もかなり耐久性の高い木ですが、それはヒノキチオールなどの成分とは異なり、独特の樹脂(桧油)が重要な役目を果たしているからです。

 ところで輸入材でも耐蟻性の高い木はあります。米ひばや米杉は、強靭な木の部類に入ります。南洋材は、高温多湿で、常にシロアリや腐朽菌の被害に晒されていることもあり、シロアリとかにはビクともしない木が多く、それぞれ個性的で、濃厚な樹脂を含んでいます。

 ただ降雨量が少ない地域で成長する木は、一様に抵抗力が低いようです。アフリカ産の木ではアユースなどが代表格でしょう。

 南洋材でも、全くといっていいほど抵抗力のない木があります。ゴムの木が挙げられます。

 日本は高温多湿の気候帯にあります。しかも梅雨という降雨が集中する時期を含んでいます。アメリカの平均値の40倍です。

 日本の家では、まず大前提として、多湿とシロアリに強い木で構造体を構築しなくてはなりません。

 日本の家の平均寿命が、欧米の半分以下という悲しい統計が出ていましたが、それはよく観察すると、日本の家とはいえないものばかりでした。

 日本の家と称して、実際に構造材などに使用された木は、ほとんどが米材(米栂)だからです。アメリカの家でも使わない米栂を、柱などの構造材に使ったために、10年後から30年以内に、腐れが生じたり、シロアリの餌食になってしまったことが、本当の原因なのです。

 日本の家を造るならば、まず日本の木を利用することが大前提なのです。とりわけ心の赤みの多い樹齢の高い木を利用するだけで、家の寿命はかるく2倍から3倍に延びるのです。

 大手のビルダーを中心に、奇を衒った「新」工法や欧米材の集成材(強度のみを対象に認可されている。耐久性とは関係ありません)を使っていますが、本末転倒です。

 またしても日本の家屋の将来を暗澹たるものに陥れているようなものです。

 心ある住まい手に皆さん、見識ある建築家の皆さん、少しでも早く気づいていただきたいと思います。

徳島 地栂(ぢつが)の原木 樹齢はかるく300年を超えています。 Ⅰ製材所にて
d0015306_18184945.jpg

by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-22 07:00 | 木の家 国産材 無垢材

想いの高い国産材しか紹介したくありません

 賞味期限偽装食品じゃありませんが、本物の老舗は自分の器を心得ているので、信用を堅持するために、無用な背伸びをしません。

 自分の器を持ちつつ、現代のニーズにマッチするために少しずつ脱皮を繰り返しながら、質というブランドと伝統を維持しています。

 いつの時代でも同様ですが、起業後10年間持つ会社は30%以下しかありません。20年では15%になってしまいます。起業してから20年間が勝負だということでしょう。

 生き残った企業に共通する経営姿勢は、常に自己刷新を怠らない点、そして100年維持できる将来を見据えた会社の器作りに、右顧左眄することなく、黙々と精進している点などが挙げられるようです。

 20年持たずに消えていく企業のほとんどが、メディア依存(マスコミに載ること)症に陥り、自分の真の姿を忘れて、浮き足立ち、商売の基本を見失って、虚業に走って気がつかないという共通点があります。

 もっと具体的に言及すると、生産の現場から腐り始めることが多いと、一般的にいわれますが、実は頭から腐り始めることの方が圧倒的に多いのです。
 トップや営業の最前線から、怠慢や不正、責任転嫁などが頻発し始めることから、一気に生産の現場まで腐ってしまうのが真実なのです。

 責任転嫁に気がつかない企業やトップは、何か問題が発生すると、必ず周囲のせいにします。ひどいケースでは、ビジネスパートナーを悪人に仕立て、自社の首を絞めるケースもあります。これを会社の脳梗塞、心筋梗塞と呼びます。

 こうなった企業では、トップの周囲にはイエスマンとスタンドプレイヤーしか育たないため、早晩必ず没落してしまいます。

 
 日本の林業は、助成金なくして存続できないほど疲弊してしまっています。

 海外では違法伐採や乱伐が進行して、自然が荒廃しているのですが、日本ではそのまったく反対の、適正な伐採が行われずに、すなわち国内での利用率が低いために、森林=山の荒廃が確実に進行しています。

 これは市場原理偏重で、見識あるコントロールを実施してこなかったために、いわゆる大量生産→大量供給→廉価販売という工業製品的な発想で、自然の産物である森林の木を見るために陥った致命的な誤りの結果です。

 日本には有名な産地がありますが、本当に生産努力をしているところは数えるほどしかありません。産地ブランドにおんぶに抱っこして、年々質が低下していることに気づかないところもあります。

 この現象も、じつは販売の最前線あるいは発売元が、事実に基づく、ニーズに関する正しい情報を産地に届けていないために起こることなのです。

 私たちは、いい産地であればこそ良い木がたくさんあることは当たり前ですが、それを加工するメーカーの想いと腕次第で、宝にもなれば、ごみになることを知っています。

 消費者である設計事務所や住まい手の方には、そこまで分かる方はほとんどいないのですから、私たちはビジネスパートナーとして、互いの向上のために、いい意味での緊張感を保ちながら、これからもまじめに活動していこうと考えています。

 次回から、再び無垢材サンプルをご紹介していきます。

d0015306_943493.jpg

 Aデイサービス 北九州市   設計 ALP建築工房

 壁 能登ひば 準不燃材   浴槽框 能登ひば

 ※能登ひば(青森ひば)は、水湿に良く耐える、抗菌成分のヒノキチオールをたくさん含んだ木です。お問合せは、ゲインまで。 

 http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-21 07:30 | 木の家 国産材 無垢材

腐っても鯛は要らない!磨いてこそ生きて本物!

 自然のものが良い。国産材が良い。少し高くても、安全で安心を買えるなら、輸入品より、国産品が良い。

 やっとこさ日本の消費者への、本物に近い情報提供が浸透し始めたようですが、建築業界にあっては逆行しています。

 それはこれまでの建築習慣から生まれた膿のようなものですが、木を知らない戸建ビルダーの多くが、それならばと、見た目だけの構造強度をクリアした、木にように見えて木ではない「集成材」をこぞって採用し始めました。

 木の良さは、無垢材を前提にしていますが、家に使用された最初の段階を10の強度とすれば、時間を経るにしたがって、ゆっくりと強度が向上するようになっている点にあります。

 ところが現在の建築基準法は、こういった木の特性に対して無知であるために、強度を使用時点を100点満点として考えるために、集成構造材を許可してしまっています。

 見た目の完成品は、経年変化を考慮しません。
 でも家というのは、時間の経過にしたがって劣化してはならない作品であるはずです。それが 実際には経年劣化についてはまったく頓着していないのが現状なのです。

 赤みの多い無垢の杉材を利用した家では、棲み始めて二年五年と時間が経つに連れて、木の表面から樹脂がにじみ出てきて、やがて艶のあるあめ色に変化していき、味わいのある空間に変身していきます。

 そしてこうした変化が期待できるものにするためには、良い木を選別して、きっちりと乾燥させて出荷できる製材所と、使用現場に、その木の特性や利用方法(付き合い方)などを責任を持ってお届けできる専門家が不可欠になります。

 
d0015306_938969.jpg
 

 使用部材 梁・柱 飫肥赤杉KD材 
  
    床(一階天井兼用) 徳島杉 厚さ40㎜ 赤白節有材
                 (多少黒芯が混ざります。トサアカ・トサグロ混入)

 ※ゲインでは、純赤みフローリングもお届けしています。

 http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/

メルマガ “木の家取扱説明書”
       http://archive.mag2.com/0000240640/index.html

 
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-19 07:30 | 木の家 国産材 無垢材

戸建住宅用プレカット工場蔓延の功罪

 バブル経済が崩壊して、住宅不況に陥った時期から、木造住宅の造り手である大工さんが減少しました。

 またその頃から、いわゆる欠陥住宅の問題が取り沙汰されるようになり、品質保証の要請が高まり、構造部材の仕上げ(刻みともいいます)を専用機械を備えた工場で行い、建築現場に届けるというプレカット供給システムが、全国的に供給されるようになりました。

 機械ですから、仕上げ精度が、大工さんの技術に左右されることがありません。住宅メーカーにとっては、規格化され、画一化される方が、コスト管理の面から考えても有利でもあるため、すごいスピードで全国各地にプレカット工場が建設されていきました。

 もちろんプレカットというシステムが万能ではありません。梁や柱の継ぎ手や仕口は、より簡単な形状で作られるため、木の家を知っている者から見れば、おもちゃのような幼稚さを感じざるを得ません。

 日本の家屋では、できるだけ釘などの金物を使わなくて済む作り方をしてきたため、継ぎ手や仕口は実に多岐にわたるのですが、プレカット工場では、そのほとんどを排除してしまいました。そのせいもあって、工場で家一棟分を加工する時間は3時間で完了してしまいます。 

 でもそこには大きな落とし穴がありました。初期の工場のほとんどが、それに気づかず、とにかく量をこなすために、ラインの増設とスピードアップに血道をあげました。
 その落とし穴とは、そこで使用する木材の質に無頓着であったことです。

 以前の戸建住宅建築にかける時間は、半年から一年間を要していました。それだけ時間をかけるのは、そこに使用する木材が四季を通じて環境に馴染み、家全体を締まったものにすることに役立っていました。

 それはその当時の木材のほとんどは、いわゆる生材で、十分に乾燥した木はほとんどなかったのです。だから上棟してからも、ゆっくり作りながら、木が乾燥する期間を作っていたのです。四季の環境変化に適応しながら乾燥していくので、木は落ち着いたものになります。

 ところが流行のプレカットシステムは、工場加工では3時間、建築現場では3ヶ月が目安ですので、木は当然乾燥する時間がありません。
 そのために、全国各地で、生材でプレカットした家では、継ぎ手の緩みや金物の腐食という深刻な問題が発生し始めました。 

 乾燥材は、最低の含水率をクリアしているので、設置後の収縮がほとんど発生しません。質の低い木を使うと、乾燥による収縮の際に、大きな亀裂や歪み、いわゆる「暴れ」を伴うため、プレカット工場で使用すると、住宅完成直後から壁の沈み込みや不陸が始まることもあったのです。

 家造りを、コストカット優先で考えたために、家そのものの質の低下を招いてしまったのです。とりわけ完成スピードを向上させれば、より多くの物件をカバーできるという、受注量優先主義のビルダーを中心に、日本の家造りは、鉄骨プレハブ住宅のメーカーの発想に屈服してしまうことになるのです。

 そして量を競うために、今ではひどい供給過剰状態に陥っています。福岡県でも、実際に必要な量は3分の1以下で十分という統計結果が出ています。

 最近の調査結果では、家造りの原点であるスロービルドを期待する声が確実に増加しているということです。プレカット工場で、インスタント食品並みに作られた家が長持ちするはずがないことに、多くの人々が気づき始めています。

 今後は量のために質を犠牲にしてきたプレカット工場やビルダーが、続々と電話帳から消え去る時期に来たと断言できます。

メルマガ 木の家取扱説明書
http://archive.mag2.com/0000240640/index.html

ホームページ
http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-18 07:30 | 木の家 国産材 無垢材

国産材だから良いなんて、安直すぎませんか?

 輸入木材の過半数が、違法伐採材といわれています。

 果たしてそれが事実なのか分かりませんが、海外の産地から推測すると、その可能性はぬぐえません。もっとも怪しい産地は、以前は東南アジアでしたが、今は中国、ロシアが主役です。

 中国やロシアは産地でもありますが、中継貿易地としても一役買っています。周辺の地域から盗伐された木は、そのままでは流通ルートに乗せることはできません。合法化するために、役人に賄賂を渡して、「合法」木材として輸出するのです。

 フェアウッドというサイトを参考にしてください。

 
 日本の木で、もっとも蓄積量が多いものは杉です。全国に有名な産地が十数件ありますが、その多くは有名というだけで、技術的な向上努力をまじめに行っているところは数えるほどしかありません。

 ゲインは有名な産地でなくても、一所懸命に森を守り、技術向上とアイデア豊かなメーカーを見出し、広く紹介することをもっとも大切なポリシーのひとつにしています。

 下の写真は、赤み勝ちの杉材を十分に乾燥させた後に、表面を年輪に沿って凹凸仕上げをしています。
 その結果、冬目を中心にして、杉らしい表情が際立ち、滑らない床になっています。それだけではありません。微妙な凹凸は足裏を刺激して、疲れを軽減させてくれます。

 木目が美しいのは、年輪の目が詰まっている証拠です。樹齢が高く、赤みの多い杉からしか造れません。


 商品名:赤剣(あかつるぎ)15
d0015306_14313773.jpg


http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-17 07:00 | 木の家 国産材 無垢材

ちょっとタンマ! 格差社会の原点が見えてくるかも?

 最近の新聞で見たのですが、利子と有価証券の、配当の受取金額の地域差には、呆然とします。

 福岡県を中心に見て、九州の他の6県と比べると、その所得差は福岡県が3倍になります。九州では福岡県、とりわけ福岡市への一極集中が進行していることの証です。

 受取利子では、あまり差がないのですが、配当の受取金額になると、他の6県の合計金額に対して3倍強なのですから、金融所得=不労所得で生活している世帯が、福岡にたくさんいることが推測できます。

 福岡と東京を比べると、利子では福岡県でもマイナス計上になっているため、本来比べようがないのですが、これは全国の県でも同じことがいえると思います。
 東京だけは5千億円以上の利子(金利)収入があります。

 配当の所得差を見てみると、東京:福岡=24:1です。福岡より金融状況がいいところは、名古屋と大阪、神奈川ぐらいですか、…。他の県や地域は、金利は完全にマイナス、つまり利回りがマイナスなので、地方自治体が発行している債券、いわゆる地方債は、赤字償却の目的以外に価値がないということになります。

 大手企業や金融機関の本社が東京に集中していることが、この結果を際立たせる原因のひとつになっていることは間違いありませんが、いくら格差を是正するといっても、社会制度そのものを変革しない限り、地域間格差は未来永劫固定化されるでしょう。

 金儲けをするなら、東京ということになりますが、東京でまともに成功できる者は、0.1%です。そこそこ食っていければ良いということであれば、東京で働き、田舎に住むことがベターな選択になります。

 でも東京という地域は、仕事をする者にとっては天国です。すべての情報と人材、そしてお金が集まっているため、そして文化の発信源でもあるため、虚業でさえ儲かってしまうという、実に何でもかんでも消化してしまうメガシティです。


 ちょっと視点を変えて、中国を見ると、また面白いというか不可思議な光景に出くわします。

 中国は戦後、毛沢東率いる解放軍によって、革命を成就させた国です。共産主義を標榜し、農村を中心に、搾取から解放され、労働者を含めて、平等な国づくりを目指しました。

 人民共和国として独立を果たしましたが、その10年後には、上層部での権力闘争が勃発。文化大革命という、まさに国を挙げての権力闘争を展開した挙句、上層部は収斂されて、現在に至っています。

 でも国の社会制度は、独立以前の植民地経済から、地方(これこそ解放したはずの農村地域)をほったらかして、中央集権による統制経済に変化しました。
 でも実効的な成果が出ずに、外貨獲得による国力アップを目指し始めます。

 香港やマカオから、貿易から、外貨の蓄積が増えるにしたがって、今度は外貨無しではやっていけない状態になってしまいます。一国二制度と称して、ついにはおおっぴらに国内外での資本主義経済制度を導入した結果、中央や都市に近いものとそれ以外との間に、越すに越されぬ壁ができてしまいます。

 そして昨今の中国は低賃金の労働力を売りに、世界の工場に変貌しつつあります。でもその実体は、かの解放闘争を成功させた人々が夢見た世界とは、まったく逆の世界がはびこりつつあるようです。

 地方に限らず都市部でも、労働者を奴隷のように労働に従事させる企業が後を絶ちません。違法コピー商品、残留農薬食品は、中国全体の企業文化を象徴しているようです。あまり報道されませんが、地方では深刻な公害が発生しています。

 今の中国の労働者と企業の文化は、日本の現状ともダブって見えてきます。
 いつから日本は、人の心と一緒に文化までも枯渇させてしまったのでしょうか?氣が枯れる、すなわち穢れることは、生命を失うことですから、今の日本の多くの企業は、日本という個性も伝統もある生命を自ら辱めているのではないでしょうか?
by MUKUZAIKENKYU | 2008-02-16 08:00 | コラム 政治・経済・社会