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知らない、気がつかないは怖い シックハウスについて

 シックハウスは、ほぼ10年前から騒がれ始めました。それは日本の住宅メーカーが主導した家造りに、根本的な欠陥があることが明らかになったときでもあります。

 従来の日本家屋のありのままの姿を、さも「欠陥住宅」であるかのように宣伝して、自分たちの思ったような「家造り」に誘導したことから始まりました。

 その主要な仕様は、以下の通りです。

 真壁工法(柱や梁を現しにする)→大壁工法(柱などの素材を隠して、壁一面にする)

 草や木、土、石を利用して、壁や床を造る→
                合板、石膏ボード、塩化ビニール、鉄、アルミ、化学接着剤

 外壁の板壁→セメント系のボード外壁材

 無垢板の床材→合板+接着剤+ウレタン塗装の擬似床材

 自然を利用した設備→電化設備化

 高断熱・中気密→低断熱(その後高断熱化した)・高気密

 主な仕様は、以上のように変わってしまいました。最後の高気密化は、元々日本の家屋にはない発想でした。これは欧米の発想を導入した結果です。

 日本の家は、戦後手作りの家から、工業製品化していきました。そのため化学製品が大量に家屋に持ち込まれました。

 日本の大半の気候は、高温多湿です。その対策を講じた家造りが、日本の家の基本です。だから自然の風を取り入れ、通気をよくして湿気が溜まらないように考えたものでした。

 その主な仕様は、軒先を長くすること、構造材である柱や梁をできるだけ現しにして、湿気による腐朽を抑えること、部屋同士をできるだけ区切ってしまわないこと、水周りは家屋の端に持っていった湿気がこもらないようにすること、その他いろんな工夫が施されていました。

 ところが一部の大手住宅メーカーは、より多くの商品としての家を販売するため、家を既製品化して、大量生産大量販売を最優先しました。そのためには、日本の伝統的な家造りの発想は、彼らにとっては目の上のたんこぶでした。

 日本の各地の気候風土に応じて造られる家屋は、彼らにとっては滅ぼす対象であり、全国どこでも同じ仕様の同じ規格の家こそが、彼らにとっての公平さであり、平等でした。

 そして現場の生産性を追及するあまり、工場生産品としての家、建築現場では一日でも早く完成することが至上命題であるため、職人の腕の良し悪しより、どれだけ新しい器械を持っておるかが、選択基準に変質してしまいました。

 家造りは高度な分業作業ですが、それをバラバラな機械作業化してしまいました。

(つづく)

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by MUKUZAIKENKYU | 2008-05-31 13:42

如何なる想いも、現実と具体性から離れては無意味!

 今週は、先週に引き続き、いろんな方々と出会いがありました。

 ゲインは“国産無垢材のゲイン”として、専門的な事業を行っています。

 “日本の住まいを良くする無垢材研究会”は、ピンからキリまである国産材の中から、生産者のコンセプトがしっかりとしていて、それが技術力に十分に反映され、原木から加工製品までの品質管理が透明で、しかもリピートオーダーにちゃんと対応できるメーカーとだけタイアップしています。

 良材を出せても、あくまで一過性で、リピートに応えられない製材所がほとんどで、いまだに生材を平気で出荷している製材所もあります。

 またどんなに厳選していても、自然の素材である無垢材は、ごくまれに現場で「暴れる」ことがあります。現場での施工業者や管理者の質によって、暴れるはずのない無垢材が暴れることもあります。

 これらはすべて、コンセプトの低さと無知を原因としています。

 それは業界の上下関係にどっぷり浸かり、自分たちが取り扱う商品ではなく、それを注文してくれる元請の意向ばかりを気にするヒラメ業者によって、あるいはまた自社の利益を最優先して、買主であろうと、仕入先であろうと、相手を負かすことにしか関心がないカセキ業者によって、まさに業界の癌のように浸透しています。

 こういった業者には、現場の対応は元より、設計事務所や施主に対するインフォームドコンセントをしないばかりか、すべてがやりっ放しの売りっ放しです。
 クレームの原因の90%が、この肝心要の事前説明と案内を怠ったことから発生しています。

 成長するメーカーや販売・施工業者は、成長の原点が現場にあることを知っています。現場に発生する問題点を、ひとつひとつ丁寧に解決していく姿勢は、その会社の信頼を高めるだけでなく、技術的にも、人間的にも成長させます。現場は成長資源の宝の山です。

 でもそれは、事前に目標とするコンセプトを持っていることが絶対不可欠になります。これがないと、単に次元の低いクレーム処理に追われるだけで、いつまでも同じたらいの中を右往左往するばかりで一生を終ってしまうでしょう。

 さらに成長し、向上する会社は、内部はもちろん、外部の企業との協力体制がしっかりと構築されている点が共通しています。

 詐欺的な会社や自滅する会社は、一旦問題が発生すると、社長や上層部が音頭をとって、内部的には、まず犯人探しを始めます。外部的には仕入先や販売先のせいにして、社内でひとしきり罵って、問題の「怪決(かいけつ)」を強行します。

 そんな会社で働く社員は、根本から間違った習慣を植え付けられてしまうため、世渡りは上手くなっても、技術はおろか正しい商品知識さえ持つことができなくなってしまいます。そしていよいよ内弁慶に陥って、現場を失ってしまいます。

 現場を失って、すなわち売上や顧客が激減しても、景気のせいにしたり、協力業者のせいにするばかりで、自社の足元を見ようとしないために、時代や心ある顧客から見捨てられることになります。

 企業は自己保身の砦ではありません。また自社のポリシーやコンセプトを持ってはいても、それを押し付ける権利は一欠けらも持っていない存在です。

 その企業の真価を世に問い、また認められ、いろんな要請に応えながら、貢献して、初めて成立する組織です。顧客から必要とされること、その結果感謝されること、その循環の中から成長がはじめて得られるのだと思います。

 面従腹背という言葉がありますが、企業単位では、その協力企業に対して、単なる利用対象のような扱い方をしては、当然長続きはしません。同じ企業活動をしている関係上、ことの真偽やいい加減な対応には敏感に相手の本性を嗅ぎ取ってしまうからです。

 同じような打算尽くしで付き合うなら、そういった業界と業者同士でもたれ合えばいいと思います。しかし高いコンセプトを持ち、本物を顧客に提供することを目的とし、自身もそのために本物になることを目指すならば、こういった愚昧な打算は通用しません。

 すべては現実にあり、その中から自身の成長の糧を見出し、ひとつひとつ丁寧に消化(昇華)すること。その中に真実があり、真に多くの方々から望まれる具体性、すなわち企業活動、販売活動が反映されるのではないでしょうか?
by MUKUZAIKENKYU | 2008-05-24 11:12 | コラム 政治・経済・社会

日本の木の美しさを見つけました。

 今回、ご紹介できる木は、日本ではもっともポピュラーな杉、です。

 でも一言で杉といっても、地域によって、姿や形、風合いも異なります。

 今回は、四国徳島県南部、剣山の山麓に育つ杉です。知るものぞ知る杉ですが、素材のままでは、人間の生活に積極的に役立つことはできません。

 木がある、そこに自然があるというだけで、喜ばれる方も多くいますが、やはりそこに人間の手が入り、生活の場面に生かして欲しいという想いを感じていただくことは、木を生産し、加工して、お届けする者にとっては、何より大切なことです。

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浮造り仕上げ 深い凹凸から現れる陰影には、感嘆するものがあります。
この商品を見たメーカーのほとんどが、簡単に真似ができると挑戦しますが、ことごとく白旗を揚げます。作り手の想いを理解できないと、真似をできません。
GAIN(ゲイン) 商品名 杢精(もくせい)J  上小節 壁天井・RC型枠用

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by MUKUZAIKENKYU | 2008-05-20 08:00 | 木の家 国産材 無垢材

材木屋の存在する意味とは何でしょうか?

 私たちが国産無垢材にこだわる主な理由:

 世界の森林は、本来持続可能な循環型資源というだけでなく、地球上のほとんどの生物が必要としている酸素を生み出している貴重な自然資源としての森林が、目先の経済的な動機からの乱伐や盗伐によって破壊されています。

 しかし日本ではその逆の意味で森林が破壊されようとしています。資源としての木の利用率があまりに低すぎるのです。放置森林が多く、伐採しても植林を行わないために、山そのものの保水力が低下して、沿岸生物に深刻な影響を与えています。

 世界の先進国のエネルギーとしての木材依存率は平均20%であるのに対して、日本は何と0.2%というお粗末さです。

 商業資源としての森林を考える時、商流に哲学がないと、確実に資源の枯渇を結果させてしまいます。林業家や産地、そして材木屋や家具屋の立場は、自ずと異なりますが、彼らが自分の利益だけしか考えずに、森林を利用すると、再生産という概念が抜け落ちてしまいます。

 行政が、森林を生産手段として捉えなおすことができれば、必ず生産と再生産のバランスを前提に管理をするはずですが、日本の行政は民間業者の利害の代弁者のような近視眼的な政治家が、長年日本の政治を支配してきた結果、コストをかけずにお金になるものは利用しても、持続可能なものとしての保護管理の視点を、ほとんど無視してきました。

 また木材の輸入自由化が65年に行われて以来、外国の廉価な木に市場を奪われ続け、日本の木材自給率は、食料自給率をはるかに下回る18%にまで低下してしまいました。それは日本に有用な木がないのではありません。有用な木を利用しようとしないという日本の反文化的行政と商流の結果です。

 日本は独特の木の文化を伝統的に維持してきた国ですが、その遺伝子を持つ者はごくわずかになってしまいました。
 日本の材木屋の90%以上は、木を知らない材木屋といっておかしくないほど、ブローカー化してしまっています。

 日本の材木屋と称する業者が、主に販売するものは、輸入材より安い国産材(ろくなものはありません)と、集成材や新建材と呼ばれるVOC(揮発性有害物質)をたくさん含んだ反健康資材、それに大手建材メーカーの設備機器ばかりです。
 そして肝心の木の勉強はすることもなく、建築現場を往復することにしあわせを見出している始末です。

 私たちは単純に日本の森林を守り、日本の木の需要を高めることを目標にはしていません。日本の木が相対的に高額であることや、森林ひとつ大切にしようとしても、行政や組合、市場の多層構造、材木屋の社会的地位の下落(材木屋ではなく、現場資材の運搬業者化)などに阻まれて、業界のシステムが他の業界と比べて、あまりに立ち遅れていることが、大きな障害となっていることは事実です。

 想いの射程が短く、また低いと、皆目先の利益や利権にこだわることになり、それは更に森林破壊を促進する要因になっています。

 日本の森林を循環型資源として完成させ、日本の木を世界に誇れる生産物に築き上げるには、これまでに出来上がってしまった政治や行政の悪癖を正すことができなければなりません。

 でも、これはもはや不可能な領域です。この業界は政治から行政、民間の末端に至るまで、90%以上が、今の業界システムに染まって、何の疑いも持たずに、今日まで来ています。

 材木屋は本来単なる商売ではなく、もちろんブローカーではありません。木という自然の賜物を商品として供給する立場です。だから木と住まい、木の利用等に関して、誰よりも高い見地と良識を持っていなくてはならないと思います。持っていなくても、一所懸命勉強しなくてはなりません。

 それができないなら、材木屋ではなく、罪黙屋でしょう。材木屋は、市場原理に屈してはならない使命のある業種であるはずですが、それを忘れたら、見境なく安値だけを欲しがる工務店やビルダーの言いなりになる奴隷根性にまで陥落せざるを得なくなるでしょう。
by MUKUZAIKENKYU | 2008-05-19 15:00 | 木の家 国産材 無垢材

国産無垢材の新製品を発表します

 4月18日以来の投稿になりました。

 最初の新製品は、昨年の12月に販売を開始しました。それから人との縁あって、もういっちょ出すことになりました。

 九州産の杉だけで作った木パネル   ジャポニカパネル @copylight

 新建築基準法という現場を知らない悪法は、今でも建築業者に強烈なダメージを与え続けています。ついに99年の大不況時での倒産件数を上回ってしまいました。

 ゲイン(私の会社名)は、国産無垢材に想いを持ち、より良い製品をお届けするために、いわゆる業界の商流や流通に組することなく、独自の流通を構築してきました。

 今回のジャポニカパネルは、芯部分が24ミリ厚の杉製構造用合板で、両面を4ミリ厚の杉幅接ぎ板で構成している多目的パネルです。

 はっきりいって、構造用合板を使用することは、ゲインのポリシーではありませんでした。

 しかしこの法律ができて、許認可制度のハードルが高くなり、認定製品でないと、スムーズに家を建てられない事態が多発しています。

 たとえば二階の踏み天井には、40ミリ厚の杉板を張れば、床の剛性が増すので、火打梁等の設置が不要になるのですが、今後は認定されていない製品を使うことが困難なため、経験的に十分にクリアできていても、数値的な証明がないと認可されないということが危惧されているのです。

 この製品だと、床の剛性や壁倍率は、一発でクリアできます。しかも見た目と手触りは杉そのもので、調湿性能や蓄熱性を失うことなく利用できるので、あえて採用しました。

 三層パネルという製品があります。これも厚さ10ミリあるいは12ミリの厚さの単板を利用している製品です。

 ジャポニカパネルは、芯のプライが単板ではなく、構造用合板であるところが特徴で、構造用として認可されているので、どこにでも安心して使用できる点が魅力的といえます。

 床の場合はネダなどの下地材が不要。壁なら筋交が不要。しかも板倉造りのように施工して、工期も短縮できるため、実に重宝な製品と思います。 
by MUKUZAIKENKYU | 2008-05-05 17:39 | 木の家 国産材 無垢材