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日本の杉

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです



 日本でもっとも多く利用されている無垢の木は、杉という針葉樹です。


 杉のいう名の由来は、真っ直ぐ伸びる木として、直ぐから変じたといわれています。


 この杉、学名クリプトメリア・ヤポニカ(ジャポニカ)といって、訳せば、球果が隠れている日本の木です。


 北海道を除く、日本の各地に有名無名な産地が存在します。種類別にすると、250種類以上あるといわれています。これは南北に長い日本の地形に順応分化した結果です。


 現代の杉のほとんどは、植林による人工的な無垢の木ですが、産地によって、いろんな植林方法と育林方法があり、それによって杉の性質も大きく変わっています。


 有名なところからいうと、まず秋田杉。ここは元々天然林の杉の産地として名を馳せたのですが、今では戦後の復興乱伐と行政の無頓着とが相俟って見る影もありません。当時の政治家や官僚に、日本の山や木を知る者が、皆無だったのが災いしました。


 その他には、吉野杉、北山杉等があります。最近では、やたらに地域名を冠につけて〇〇杉として、市場に出しているメーカーがいますが、元々材木は地域内流通を前提にしているため、情報が今のように発達するまでは、あえて命名する必要性がなかったと思われます。


 しかし商流と物流が発達すると、地域性を前面に出さないと、ミソクソになってしまう。



 だから産地名が付いた木だから、良い木とは限らないのです。


 これは、その地域に育った木の特色として理解する手がかりにはなっても、使用目的に対応できるかどうかという点で、質の向き不向き(優劣ではありません)があるということです。



 北山杉などは、100%人工的に作った木です。数寄屋造りの発祥地でもあり、杉でも白太部分を優先しています。


 通常杉の白太部分は、辺材といって、丸太の周辺部分で、水分が多く、その分締りが悪いため下材扱いされますが、北山杉の白太は、これとは全く中身が異なります。それは白太部分にある年輪の量と厚さを見れば、直ぐに判別できます。


 だから白太の美しさが良いといって、そこら辺にある杉材の白太を使うと、似ても似つかぬモノを掴まされることになります。これは材木屋と称する業者、工務店、果ては設計事務所まで、供給する側の無知に由来しています。


 北山杉の対極にあるのが吉野杉でしょう。ここでは、その地域が樽作りの歴史があり、樽作りに向く杉として、芯部分に当る赤みを利用していました。
 

 樽なので、水分が漏出するような木では使い物になりません。水分で、簡単に膨張収縮するのでは、モノとりわけ水やお酒などを保存できないため、膨張収縮の少ない木として、年輪が詰まった芯の赤み部分しか利用できなかった。



 九州は宮崎県をトップに杉の蓄積量の多い地域ですが、・・・明日に続きます



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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-30 14:35 | 木 無垢材 自然

美しき無垢の杉床あかつるぎ

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです



 未明からの雨で、今週は穏やかな幕開けです。


 残念ながら、ウォーキングは中止。


 8月から怒涛のご注文をいただき、何とか乗り越えることができました。でも、ドッと疲れが出てきたようで、9月の下旬から、イマイチの体調。どうもエンジンのかかりが良くない、・・・とはいったものの、お客様は待ってはくれません。やるしかありません。


 今朝は、一番の電話が、ゲインのオリジナル製品・あかつるぎ15の問合せから始まりました。


 あかつるぎは、徳島産杉の赤味勝ちの床板です。厚さは15㎜、30㎜、38㎜で、すべて浮造り仕上げ。30mmだけは、赤味オンリーと赤白の2種類で、赤白はデフュージョン版として供給しています。


 デフュージョン版といっても、赤白(業界用語で源平と呼称します)ですが、実際には、結構赤み勝ちが多くて、皆様には喜んでいただいています。



 杉は日本ではもっとも多く流通している針葉樹です。ほとんどのメーカーが、産地の名を冠した〇〇杉という名で、その杉の特色を強調しています。ホントは、そこまで大きな違いはないんですけどね。


 九州から青森県まで、どこでも成長している杉は、いってみれば最もありふれた木ともいえます。しかも種類や樹齢によって、大きな差があるにも拘らず、その違いはほとんど見向きもされない木です。


 プロの目から見れば、その違いや用途別の選別はできますが、いざ市場に流れると、「予算がない」という一言で、どこまでも品質を下げることができる木でもあります。


 たしかに予算が厳しいところもありますが、施工する工務店の取り分を先取りした結果ということが多いのも事実。でもそんな要求に応えるピンきりの材料が横行するから、この傾向に歯止めをかけることができません。


 市場というものは、かなり確信的に指定をしないかぎり、同等品という名の似ても似つかない製品が代替されてしまう落とし穴が多いのです。


 ましてや杉や桧になると、よほどの木を見るプロに依頼しないと、間違いなく粗悪品を掴まされる仕掛けになっています。


 まあ、この粗悪品とはいっても、私どもから見た粗悪品であって、一般市場では、立派な「既製品」としてまかり通っているから、後で困るのは、それを直接利用する施主さんかユーザーさんだけという構図になります。


 こんなバカなことがまかり通るのはおかしい。材木屋でありながら、ちゃんとした提案ひとつ、まともにできない仕組みの建築システムを克服すること。本当の真実を知ってもらい、プロの目から見て本物といえる無垢の木を供給したいという想いでゲインができたのです。


 そういう意味でも、杉という木は、説明するにも、もっとも骨が折れるありふれた無垢の木なのです。


 でもここでこそ力点を置かないと、折角「木の家」とか「無垢の木の住まい」と注目されていても、反ってバラックのような「木の家」を、大量に生産することになりかねないのです。


 幸い、この一二年は、多くの建築家やユーザーさんから、問合せから相談、そして採用をいただき、これまで地道に活動してきたことが、少しずつではあれ報われつつあります。


 明日は、日本各地の杉の特性や特長について、ご紹介する予定です。



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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-28 11:14 | 木の家 国産材 無垢材

九重の自然はなぜか懐かしい

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


 良い天気が続いていますね。

 私は、小さな時分から秋という季節が好きでした。今も、秋になると、心がどこかに飛んで行きそうになる。空が高くなると、何かその向こうに郷愁を覚えるのです。


 そのときは、私は独り。周囲には、誰もいません。

 でも私は、眼前の自然だけではなく、空を含めてすべての自然と一体になっている。

 空を飛ぶ鳥や木を伝う小動物、熊や狸、川のせせらぎ、木漏れ日の中を枯葉が舞う姿すべてが、私そのものになっている。

 太陽が風となって私を包み、光がすべての樹々に染み渡る

 水っ気が抜けて軽くなった葉々が、地面に語りかけるときは、カサッと滑る

 私はというと、ずっと立ちっ放しで、段々と自分の姿が森の中に溶けていくのが分かります

 木漏れ日は、透明な銀色から、やがて琥珀色へ、そして黄金色へと移り変わります

 秋は、いのちのハレーションを整えて、ある形を求めていきます

 私は、そんな秋の光の中にいます

 そして今は、数十年の間、人間の形をして巡っています


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 連休の間に回遊した折に、ちょっと立ち寄った九重の大吊橋。ゆらゆら揺れる通路を、何とか踏ん張りながら渡りきり、元に戻る際に見えた光景です。

 高さは軽く200メートルはあったでしょう。奥の九重山系が霞んで見え、滝の向こう側は筌の口温泉です。かなり熱い温泉で、鉄分が多いためか赤い色をしています。


 一昨日から、ゆっくりと仕事が再開しています。

 ある懸案物件が進行中ですが、そのお母さんが住む部屋をどうするか、難航しています。

 予算の全てが決まった後に、気が付かれたようで、プライベートルームの床が、予算の関係で塩ビシートになっているのが、どうしても嫌だということで、無垢の木の床にしたいと、ご相談を受けました。

 肥後クリとシュヴァルツバルトの樅の木が、とりわけ美しい。肥後クリは驚くほど安いので、ちょっと背伸びするか、設備を抑えれば、簡単に採用できると思ってお勧めしています。

 まだどうするかお悩みの様子で、決定に至っていませんが、もうじき決まります。

 間違っても、合板製のカラーフローリングなるヒートショックを惹き起こす=ストレスの元凶を択ばないように祈るばかりです。


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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-26 11:20 | 木 無垢材 自然

レッドシダーから樅の木、肥後クリの問合せが

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日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです



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 峠に辿り着くと、否が上でも目に飛び込んできた九重の大吊橋。すでにクルマが数百台集まっていました。

 こういった吊橋は、以前人吉の奥にある、長さ100メートルぐらいの小さな吊橋と、宮崎県の綾町の山奥の吊橋以来です。

 綾町の吊橋までは、結構走っていきました。途中これといった寄るところもなく、ただひたすら走るだけでした。

 今回の九重の吊橋が、綾町から日本一の座を奪い取って、どれくらいのもんか見てやろうと、実際に渡ってみました。

 見物客がひっきりなしに歩き続けるためか、幅はそこそこあるのですが、ゆらりゆらりと揺れていました。これでもうちょっと風が強かったら、スリル満点だったでしょう。

 向こう岸に渡りきったところで、何かがあるわけでもなく、ただ往復するだけですが、眺めはさすがに良かった。


 昨日から一気に本気モードで仕事に集中しましたといいたいところでしたが、疲れが出たのか、休みボケが残っていました。

 曜日感覚がおかしい。24日は木曜と分かってはいるのですが、何か月曜のような、修正してもまだ水曜のような感覚で、24日の夕方に必ずあることをするのですが、いつの間にか忘れてしまっていた。


 今週は正味3日しかないのですが、早速ゲインの製品について問合せが数件舞い込みました。

 ひとつが、デッキ材の相談でした。レッドシダーをお奨めしました。セルフビルドでも、簡単に施工できる木ですが、水湿や菌に強く、軽軟であるにもかかわらず、耐久性のある木です。

 ただ一般市場ルートから購入すると、低級の木をつかまされる危険性が高いので、購入方法をしっかりお伝えしました。

 ゲインでも取り扱っていますが、ゲインにとっての「売り」は、最初から売りを出さないで、まずは明確なアドバイスから始まるところです。

 ほとんどの方には「ありがとう」と言っていただいて、嬉しい限りですが、中には、露骨にアドバイスだけを聞きだしたがる方もいたり、反対にろくに内容を確かめもせずに、ナンボや?と、値段だけを聞きたがる人もいます。

 こういう方々は、ネット中毒症というか、人との係わり方や礼儀というものが身についていないのでしょう。値段だけの方は、「安物買いの銭失い」を地で行っているようです。


 倫理法人会の総会があるため、その準備や、そんなときに限って、時間ギリギリになって、建築家やメーカーから電話が4連続して来ました。切り替えモードを、もう一度元に戻し、一気に片付けるや否や、会場に飛んでいきました。



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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-25 10:56 | 木 無垢材 自然

連休閑話

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日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


 連休も明けて、普段の日常が再開されました。おかげさまで、良い天気です。

 ウォーキングコース途上にある近くの一宮神社は、春分と秋分の日だけ、一の鳥居をくぐるように、朝日が昇ってきます。これは早朝ウォーキングをして、毎日この神社に寄らなければ、知ることができない。

 境内から鳥居を見ていると、カアッと明るくて黄金色の日の光が全身を包み込む瞬間が訪れます。以前は15分は続いたのですが、8年前に約300メートル東にできた三菱のオフィスビルが邪魔をして、今では5分ぐらいしか味わえません。

 この空室だらけの10建の三菱のビルといい、隣にできた質屋、けばくて下品な外装の窓なしビルは、景観を台無しにするだけで、他に何の貢献もしていない。


 さて連休中に片付ける予定の仕事は、すべて中途半端。今週中に、何が何でもすべて完了させるしかありません。


 心身のリフレッシュのために敢行した九重と小国、日田回遊ドライブは、目的を完全に果たしました。

 肉体的には、まだ若干疲れが残っていますが、心がまさに無重力のように軽くなりました。心にも質量があると実感しました。心の澱が、九重のきれいな空気で一気に清浄化されたようです。

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 この景色を見ながら、山女の串焼きをほうばりました。炭火で焼いているため、骨まで熱が通っていて、まるごと食い尽くしました。

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 奥の景色は万年山、手前が九重の九酔渓で、この谷間を走って登って来ました。ここは紅葉すると、別天地の世界になるでしょう。

 この丘を登りきると、峠の茶屋といって、地鶏ステーキの美味い店があります。そこから数百メートル先に、日本一長い大吊り橋があります。

 ココの話題は、明日にでもするつもりです。


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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-24 11:07 | スローライフ

連休のど真ん中にて

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日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


 今朝は早くから小雨が降り続いています。少し冷たくなった雨ですが、気持ちが良いので、傘を差しつつウォーキングを楽しみました。

 世間は連休真っ盛りで、1000円高速に多くの家族が殺到しているようです。午前11時時点で、九州では太宰府から鳥栖間の下り線が、上りは八女辺りから広川が渋滞中です。しかもあちこちで事故情報が入ってきます。

 やはり1000円高速に吊られて、普段高速を走らない人が走ると、否が上でも事故が多発するようです。その結果、自然渋滞と事故渋滞で、普段なら1時間で行けるところが軽く2時間を超えてしまう。もうちょっと智慧を働かせれば、下道でもスイスイ走れるのに、・・・


 今日は、高速を避けて、北九州市から小石原、バイパスが直方と小石原にできたので、1時間で日田に到着。そこから高速に乗って、玖珠で降りる。玖珠からは国道を走って、九重町。ほぼ2時間で到着。

 北九州市と小石原の間は、知ってる人は知っているショートカットの近道があります。ただバイパスだけを走ると、飯塚という街に阻まれて、相当の時間がかかってしまいます。この時間差は、15~30分は違うでしょう。


 九重が目的地ですが、今は観光客が殺到している時期でもあります。間違いなく九重と隣の湯布院インターは混雑しているはずです。だから一歩手前で降りて、自由を確保しました。

 結果は大正解でした。九重インターの周りは、九重の大吊橋を渡るために、観光バスが数十台数珠繋ぎになっていました。

 最初から高速に乗っていたら、渋滞に巻き込まれて3時間近くかかったでしょう。


 しかし今日は九州全域が曇りと少雨で、太陽は拝めそうにありません。写真撮影をするにも、光が弱すぎます。私の好きな湧水地が2箇所あるのですが、雨が降ると、どうにも味が落ちる。雨が空気中のゴミを落とすためか、純粋な湧水が汲めなくなるようです。

 撮影は諦め、もうひとつの目的である山女と地鶏ステーキを食べに行きます。

 この道程も、国道側からそのまま十三曲がりを昇るんではなく、町役場の横から入る農道を一気に走り、筌口温泉から回りこむと、途中の駐車場は空ばかりなので、ゆっくり歩いて目的地に辿り着けるのです。急がば回れ、ですね。

 後の予定は、時間との勝負ですが、とりあえず池山水源に向かいます。でもこの混み様では、危ない。

 昼過ぎに、帰路途中にある「木の花ガルテン」に寄れれば寄ろう。それから杷木の手前にある美味しい豆腐屋さんの「風太郎」に寄るつもりです。後は、来た道をそのまま帰るだけ。


 帰り着いたら、休みの間に仕上げる予定の仕事が3つ待ち構えています。

 ある製材所さんからの依頼で、無垢の木の新製品に対するコメント返信。

 自社サイトの点検と新規ホームページの作成。怠け心から、予定が半年以上延びてしまっています。

 休み明けと同時に、相談会と打合せが2件あるので、その準備。今月はマイペースを守ったためか、相談会は全部で10件で済みました。3日に1回ぐらいが、脳みその切り替えと資料の準備に余裕が生まれて、より良い提案や回答ができるようです。


 ゲインの無垢の木は、09年に入って、4種類増えました。広葉樹あり、針葉樹あり、自然塗料あり。住まい手から喜んでいただけるに相応しい上質な無垢の木を開拓すると、面白いことに遭遇します。

 まずはその前に、今までの取扱製品で、情緒的には嫌気が差してくるモノが出てきます。理由は、売れないからではありません。心が通じなくなってくるのです。

 皆自分の作る製品がヒットして、バンバン売れてと期待するのは当然ですが、その前に、人の物真似ではない、その人のアイデンティティーがしっかりと反映していないと、そこら辺のカタログに載っているような見栄えだけの低質で、バカ高い商品と同じになってしまうものです。

 なぜ無垢の木を、建築家やユーザーさんに紹介し、利用してもらおうと行動しているのか。

 自分が拠って立つものは何なのか、明確に分かっているなら、建築家やユーザーさんが、自社との係わりの中で得られる製品の品質とサービスは絶対に落とさないという信念は、何よりも大切にしなくてはならないはずです。


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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-22 12:08 | リッチな人生

かまどの火

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


 本物と呼ぶに相応しい木の伝道を始めて、13年が経過しました。

 それまでは、どこにでもあるただの材木屋稼業。生まれたときから、丸太や製材品の木の臭いに囲まれて育ちました。

 物心ついて、親父の仕事を通して、材木屋の商売や社会的な在り方を客観的に見るにつれ、ある疑問が沸き起こってきました。それは、この材木屋って仕事は、どこまで社会のために役に立っているのだろうか?人から喜ばれる仕事なのだろうか?

 考えてみると、材木屋のお客さんって、ほとんどが工務店やゼネコン、ビルダーばかりで、納品しても、代金をもらっても、「ありがとう」と感謝された記憶がない。

 納期を必死で守り、納品環境が悪くても、文句ひとつ言わずに汗だくで担いで納め、値段は叩かれるばかりで、現場にいる大工さんは知らん顔。

 何で、こんなに認められなくても「喰う」ために妥協しなくてはならないのか?

 これは、材木屋と呼ばれる仕事が、そんな程度の仕事しかしていないからなのかと自問しました。

 人と人との直接のかかわりがないまま、工務店の手のひらの上でしか生きていけないほど、取るに足らない存在。なくてはならない存在とは、人から、あなたでなければと当てにされることをしているか、またはモノを持っているか、

 ・・・材木屋は、一歩間違えると、運搬屋でしか将来をつないでいけない、でなければ建材ブローカーに堕落するだけ。大した知識や経験も要らないなら、馬鹿でもできる職業。・・・これじゃおかしいだろう!人生を浪費しているだけじゃないか


 木について、たくさんの知識を身につけても、人のために役立つ舞台がなければ、何もしていないのと同じ。

 木の使い方も満足に知らない工務店がいても、口を出す機会もない。これじゃ、そこに住む人がかわいそうと思っても、諦めるしかない。

 工務店の得になっても、住まい手の損になるような「木」を売るのは、もうやめた方が良い。品質の悪い木が、夥しく流通していて、そんなものばかりを取り扱うと、比例して、会社も、人間の質も劣化してしまう。


 人を当てにするばかりだから、景気に振り回される。お客さんを、不要に傲慢にさせてしまう。感謝ばかりしていて、感謝されることは、どこまでできているのか?


 ・・・人生は一回こっきり。やり直しはできても、再生はできない。

 そこで一念発起して始めたのが、今のゲインの事業です。

 当初は、自分の立ち位置を定めていくのに3年はかかりました。それからゆっくりとお客さんが増え始め、ゲインの木でなければと言っていただけるお客さんの輪が生まれてきました。

 途上、同じような想いで頑張っている企業とも連携したのですが、自社の利益を取るためにゲインを利用するような輩も現れました。約束を反故にされ、多大な損失を被ったこともあります。

 ・・・あのときはきつかった。商品構成を大幅に刷新し、改めて再出発。それが確立するまでは、食うや食わずでした。松明は自分で持て!と、必死で自分を信じました。

 企業は、下級の商売になると、人を当てにして、「ありがとうございました」と、一方的に言い続けるだけです。
 本物の商売は、人から当てにされて、「ありがとう」と言っていただける、感謝される存在にならなくてはなりません。

 成功オタクが喜ぶ本には、感謝し続けよという概念があります。これはこれで、非常に大切な心構えです。 人に感謝することができなければ、感謝する意味が分からないだけではなく、心を高めることができなくなります。

 人に、先祖に、社会に、自然に、宇宙に、目に見えないモノに感謝の念を発信し続けることは、人生の宝を築き上げる必要不可欠の工程です。

 でも感謝したことは、形として、その相手(対象)に返さなくてはならない。

 北川八郎さんは、著書の『戸が笑う』で、そのことを「返謝」といわれていますが、人に感謝したら、その人が喜ぶことをして返す。自然に感謝するなら、自然を守る。自社の商品なら、愛情をこめて改良を重ねる等々。

 ゲインは、感謝したことにお返しをする気持ちを、何よりも大切にしています。これまでに得た知己、友人、師、家族、先祖、そしてこの地球を育んだすべての自然宇宙への感謝の気持ちを、お返しするために、私は木を択びました。


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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-21 17:58 | リッチな人生

材木は元々は自然の恵みなんだけど・・・

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


 朝の最低気温は16度、日中は少しずつ暖かくなるものの、もう30度を超えることがなくなりました。過ごしやすい日々の中、仕事の内容は12月までの締めくくりと来年の物件。

 この不況の中、来年の予定を依頼されることは、心底からありがたく思います。すでに5件、まだ青写真の段階ですが、私なりの方法で、建築家やユーザーさんのお役に立てると思うと、季節とは反対に、胸がカアッと熱くなります。


 山の色合が変わって来ましたね。

 は、若い緑に覆われて、色とりどりの花に彩られ、すべてが成長の一色に染まります。

 は、水をたっぷりと吸い込んだ濃い緑と、強い草いきれの中で、ギラギラとした生命力に満ちています。

 は、樹々の姿が凛と聳えてきます。少しずつ散り始めた葉っぱが山肌に積もり、成熟した木の実が、山の生き物の腹を満たすようになります。

 の山は、緑というより低く青色が黒く染まっていくように見えます。


 樹の美しさは、木の美しさにつながります。この美しさを伝えたい。

 住まいに活かすには、どうすれば良いのか。どうすればより良い無垢の木が、より適正な価格で入手できるのか。


 建築業界には、一部には予算に合いさえすれば、無垢材の質は問わないという風潮があります。その結果損を強いられるのは、いつも施主であるユーザーさんです。

 たとえば日本の赤松の床や壁材を使うとき、それを注文する工務店や材木屋に、どこまで赤松を知っている者がいるか、そして要求水準を満たす赤松を提供できるノウハウとネットワークを持っているかで、全てが決まってしまいます。

 でも実際には、無垢の木を求めるならば、その専門に依頼しなくては、絶対と言って良いほど、望んだものが手に入ることはありません。

 材木屋は木の専門業者ではないかと思われるかもしれません。また経験を積んだ大工さんなら知っているはずという方もいらっしゃるかもしれません。でも、それこそが落とし穴なのです。


 今の材木屋のほとんどは、住宅資材の運搬業者でしかありません。ひとつの地域の材木屋は、ほとんど同じところから仕入れているため、それ以外の無垢の木を欲しがっても、中間業者が増えて高くなるばかりで、益々入手しにくくなります。

 じゃあ経験を積んだ大工さんではどうかというと、これも80%以上が材木屋と同じです。産地を直接知っていて、そこから仕入れることができるとしても、それ以外にはつぶしが利きません。

 地産地消とは、元々野菜などの農産物から始まった運動ですが、木については「近くの山の木から」という表現に代わっています。

 地産地消とは、大分県から始まった一村一品運動と類似していますが、それが本当の意味で実現するには、先ず第一にその土地にしかない「良いもの」であることが前提になります。

 でも材木や建材のように、皆同じ市場から同じものを仕入れて販売している限りは、永遠に地産地消を実現することは不可能になります。
 しかもその材木や建材が、他県の大量供給基地から、また集荷工場から製材されていては、一般流通のルートを通す限り、絶対に個としての無垢の木を手に入れることはできません。

 にも拘らず、「地産地消」と無頓着に唱えてる材木屋が多いのは、実に不可解ではあります。とりわけ消費地にある材木屋のほとんどは、どこの土地に、どんな木があるのかも知らないという事実。愕然とします。


 赤松といっても、全国に産地があり、それぞれに、木の表情が異なります。その上、製材所の経験や技術力によって、仕上がり方はまるで違ってきます。無垢の木そのものが生ものであり、それを作り変えるのは、機械であっても、どういう木を選ぶかは人間がやることだからです。


 ある材木屋が、そういった土地にしがらみと関係なく起業したことがあります。段々と成長して、メディアにも紹介されるようになり、良い建築家からも採用され、ある程度の地位を築き上げましたが、その頃から、デリバリーする木を、産地の営業努力(会社への訪問回数)を基準にして、意図的に操作するようになりました。

 当初は、日本全国のハートが伝わるような一所懸命に頑張っている産地の製材所の木を伝えていたのですが、いつの間にか儲け本位にシフトしてしまいました。従来どおり、そこで生産されている無垢の木があっても、お客さんには生産してないといって、供給しなくなりました。

 初心を忘れると、お山の大将となり、やがてその山も砂上の楼閣のように消えていくのでしょう。


 山に立つ木は、数十年から数百年の歳月を経て成長して、やがて人間の生活に取り込まれます。植林の人工木であっても、人は百年単位の成長をコントロールすることはできません。

 杉は杉なりに育ち、桧や松も同じように、ある程度成長すると、その個性を確立して、山を豊かにして、人の生活にも取り込まれていきます。

 材木屋の仕事とは、そういう自然の偉大さを畏怖し、それを翻訳して、自分自身が表現体になること。そしてそれを共生の智慧として伝え、つなげていくことがベースになければ、本物にはなれないと思います。


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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-18 11:58 | スローライフ

礼節を守り、一隅を照らす

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


 今日になって、やっと一息つけました。朝も夜もない、連日の多岐にわたる仕事に没頭、・・・途中から没頭から埋没してしまいました。昨日は終了間際になって、ある方から依頼されていたコメント文を作るのが中断しっ放しだったことに気がつきました。

 あいた~!再びパソコンに向かいました。夜8時ぐらいになると、腹は勝手に鳴り出す、一杯呑みたくもなるし、我が卑しき腹を恨めしく思いました。

 途中まで仕上げて、A4用紙に4枚になりました。

 その製品の印象から、マーケティングから技術的分野に至るアドバイスですが、これってコンサルタントの仕事だよなあと思いながら、何とか切りの良いところまで作って、時計を見たら9時を回っていました。


 ところで近いうちに、近間の外回りは、自転車を利用するためにamazonのコーナーを検索しました。良い感じの自転車がありました。ロードバイクでは利用目的から外れるため、マウンテンバイクでは、普通の路面では足回りが悪いと、探しているうちに、ちょうど良いのが見つかりました。

 ドッペル・ギャンガー?・・・ドッペルゲンガーは、精神分裂やぞと、半ば訝しい気持ちで、・・・おお、何と立派なポリシーを持ったメーカーではないか!・・・10年以上自転車から離れていたためか、浦島太郎状態になっている我が身が、ちょっと寂しい気持ちになってしまった。

ユニクロの秋服は、なかなかです。

 昨日、何気なくテレビをつけたら、例の麻薬所持と使用で逮捕されたT男が保釈されたニュースが流れていました。・・・あれ、嫁さんのN子は、どうなったん?保釈金が完納していないために保釈されていないとか言ってましたが、この旦那、嫁さんをひとり残して、先に出るのか(怒)

 どんな事情や策を考えているのか知る由もありませんが、結果的なパフォーマンスとしては、自分から嫁さんを奈落の底に引き摺り落としていながら、自分だけは先に解放されるとはと、・・・こりゃ破廉恥そのものやん!


 ゲインでは、建築家やユーザーさんに、より良い無垢の木を紹介することが仕事のベースですが、その工程では必ず相談と回答が繰り返されます。当たり前ですが、そういった積み重ねを通して、相互の信頼関係が醸成されていきます。

 これまでは、99%良好に進行しています。ごくまれですが、衝突することもあります。

 それは礼節に欠けることから始まります。まだ最初の段階なのに、ひとつひとつを確実に消化せずに、勝手に次から次とリクエストを繰り出す方がいます。また野のものとも山のものともつかない時から、上から目線で、当たり前のように無理難題を押し付ける方もいました。

 自分の思い通りにならないと、相手のせいにする。お金を出す方が「偉い」のだからと、相手に服従を強いる。

 衣食足りて礼節を知るという管子の言葉がありますが、すでに衣食が足りていながらも、まだ満足できずに「衣食」を貪っている間は、礼節をわきまえることはできないという意味でもあります。「足るを知る」ことが、礼節の前提条件ということでしょう。


 私も、商売といえばたしかに商売なのですが、相手を尊敬できるからこそ、100%の想いを以て、最適な提案やアドバイスができると思っています。だから相手を、あくまで対等の関係として、熱くお付き合いさせていただけるのです。


 相手の方が、私を見下した態度や我侭な要求をする場合は、まず一旦お互いのあり方をリセットして、最初からやり直すように水を向けます。そこでこちらの意図が理解してもらえれば、再度チャンスが生まれます。

 それが理解できない方は、不平や不満をぶつけてきます。その時点で、ご破算になります。


 礼節は信義という袋の締め紐に当たります。信義は守り貫くからこそ信義になります。最初からどこかにあるものではありません。また信義は教条ではありません。硬直した思い込みでもありません。

 信義には、尊敬や愛、信頼と共生の情がたっぷり込められているものです。ただそれを活かすも殺すも、それを正しく運用しなくてはなりません。その判断基準というか、生活上のルールというか、それが礼節だと思っています。

 どんなに親しい関係であっても、礼節をわきまえないと、相手の心に土足で踏み込むことになります。親しさとは、敬意を持っているから長続きするのだと思います。

 ましてや仕事は多くの、そして初対面の方がほとんどという世界です。親しさをゼロから構築しなくてはなりません。

 表題にもあるように、一隅を照らすには、適度な距離が必要です。近づきすぎると、一隅を燃やしてしまうことになりかねません。節義廉恥という論語の言葉は、自分も相手も、同時に最大限に活かしあえる距離感を保つための智慧でもあると思います。


ホームページ→ http://www.h3.dion.ne.jp/~yamaiti/
by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-17 17:52 | リッチな人生

多忙な日々から

木の住まい取扱説明書 木の輝きはリッチの源!

日本の住まいを良くする無垢材研究会   木の案内舎ゲインのゴトウです


 今朝は、未明に雨が降ったようで、濡れた路面をウォーキングしました。適当に温度が下り、しかもマイナスイオンが漂っている。ある意味絶好のウォーキング日和ともいえます。でもやっぱり多少暑くても、太陽の光が欲しい。東の空を紅く染め上げる日の出は格別ですからね。

 日曜はユニクロでビジネスシャツを買って、近くのスポーツショップに。1ヵ月後から、丘から河川敷を走るための自転車を物色しました。でも店頭売りの商品は、アマゾンと比べて、2割以上も高かった。

 やはりネット販売は人件費がかからない分安いと再認識しました。それにしても、ある商品は、店舗では9万円、ネットでは6万円。6万のものは、なんと3万でした。・・・ここまで違うと、ねえ、・・・


 先週の土曜から、息つく暇もないほどとは大袈裟か、・・・とにかく引き合い、問合せ、ありがたいご注文が殺到して、その交通整理に大変でした。

 予算がないために、ゲインのオリジナル製品が使えなくなるところもあり、少々忸怩たる思いも残ってはいますが、仕方ありません。折角ゲインだからと、ご注文をしてくださる方全てに、心から感謝の念を送りました。


 なかには、問合せのための問合せ、つまり冷やかしもありました。・・・忙しくて、人の手が足りない状態なのに、それどころではないよとも思いましたが、ここは今自分がどこに立っていて、どこに向かおうとしているのかと自問自答。きっちり丁寧にお答えしました。


 でも疲れた。・・・外壁全てをやり変えたいという要望で、じゃあということで、市内の某所まで、大工さんと説明を聴きに伺いました。ナビに誘導されていったところは、クルマが壁に当るんじゃないかと思うほど狭い路地でした。

 やっと辿り着いて、ユーザーさんにお会いすることができました。80歳間近の方でしたが、ざっと見ても200㎡はありました。それを工事費込で70万でできないか、と。・・・

 んんん、常識の範囲を超えている、・・・その方の要望を聞けば聞くほど、予算ははるか遠くに消えていきます。

 でもその方の眼を見ていると、「できません」の一言で済ますには可哀相になり、次週提案見積を作ってきますと約束して、その場を後にしました。所要時間、3時間。


 別の方からは、壁材や家具などのアドバイスを求められたので、それにお答えすることもありました。すでに家を建てられている最中とのことでした。基本的に、すでに別の建築業者が施工している現場に、どんな理由があろうと、途中で介入することは、やってはならないことです。

 調べてみると、一縷の望みをかけてか、他の業者にも声をかけていたことが判明しました。これは仕方のないことですが、あまり露骨にやると、最初から当て馬に利用されていると分かってて気持ちよく仕事はできませんね。

 ユーザーさんは、いろんな情報を入手して、業者に声をかけるものですが、ほとんどの方が選択する基準を間違えています。

 自分の要望を伝え、その通りに答えてくれる業者が良い業者と思い込んでいる方が多い。本当は、自分の要望より、先ず第一に伝えなくてはならないモノは、要望ではなく、現状なのです。

 プロは、ユーザーさんの要望は元より、現状を正しく把握することができなければ、どんな提案をしても空中楼閣でしかないことを知っています。

 だからユーザーさんは、先ずは懐に飛び込む意思がないと、プロは本気で応えてくれないものなのです。


 すべての方に、愛を以て接することは、今の私にはまだ不可能。人間同士だから、節義廉恥を通して、お互いの係わり方を、個別に作り上げるしかありません。

 できることは必ずする、できないことはしてはならない。でもこれは相手に強制できることではありません。だから難しい。人の思惑は、その人の感性や情操、経験に左右されます。予め疑念を持って接すると、どんなものでも怪しく見える。

 相手の心は、敬意と謙譲心がなかったら受け入れることはできません。また相手からどう見られるかと考えると、節義廉恥は入り口と出口になくてはならない指標になります。


 8月からは猛烈な勢いで、いろんなところからお仕事を依頼されました。今後も12月まで間違いなく続くようです。ありがたいなあと、心からお天道様に感謝して、ひとつひとつを確実丁寧に対応します。

 来年のお仕事も、ちらほらと打診が来ています。ゲインの肥後クリシュヴァルツバルトの樅の木、それに壁用塗料の水性ナチュラルホワイトが、殊のほか反響が良い。

 ゲインには、本物と呼べるスギの浮造り床あかつるぎや壁の杢精(もくせい)もご用意していますが、好みの問題があるせいか、決まりそうになっては決まらずが3回ありました。

 これは私の伝え方が、まだまだ未熟だということです。必ずハートをつかめるように伝え方を研究します。


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by MUKUZAIKENKYU | 2009-09-15 14:17 | リッチな人生