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十数年ぶりに警固神社を参拝しました

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです


 
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 樅の木の天井は、どこまでも白く輝いています。

 若い貴婦人(ユングフラウ)と呼ばれる、このどこまでも白い木肌には、臭いを分解し、ダニやゴキブリを寄せ付けない成分が、常に放散されています。

 そして人などの生物には、フィトンチッドが森林浴の爽快さをもたらします。

 樹齢150年から500年の樅の木には、時代を超えた自然の愛を感じずにおれません。



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 肥後クリ

 植林によるクリはあります。が、この肥後クリは天然林から生まれた正真正銘の野生児です。

 混交林の中で生存競争を生き抜き、その成分がどこまでも濃厚に含まれています。

 野生の輝きは、そのままバイタリティ溢れる木肌となって、人の生活を優しく同時に強く包み込みます。


 今日は博多に行ってきました。

 施主様の特別の計らいで実現した親睦の場は、たくさんの専門家との交流の場でもありました。

 久しぶりに、ホッとした時を過ごすことができました。

 S様、ありがとうございました。


 この場に参加する前に、少し時間があったので、天神にある警固神社にお参りをしてきました。

 宮司さんが気さくな方で、話し込むこと30分。いろんなことを教えていただきました。

 かつては大きな境内のあった警固神社ですが、面積は小さくなっても、鳥居をくぐるや否や、神域が守られていることを実感できます。

 だからへんてこりんなヤツは入って来ない。・・・カップルはいましたが、・・・愛し合っている若い彼らの会話が、とても微笑ましくて、いい雰囲気でした。

 10月を締めくくるには、最高の一日になりました。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-31 21:35 | 木 無垢材 自然

オリジナリティの価値

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです



 最近オリジナリティについて考えることが、よくあります。

 いろんな意見があるようです。

 ひたすらひとつのことに打ち込んでいたら、誰にも真似ができないという意味のオリジナリティを実現していた。

 企業の商品戦略上の差別化のためのオリジナリティは、差別化を目的にしています。

 人間の場合では、オリジナリティは最初から持っています。容姿、声、立ち居振る舞い、性格、教養、情操、思想等々、結局はその人の人生の蓄積が、そのままオリジナリティになります。


 商品の世界では、名称が同じでは、差別化が成り立ちません。

 建築の世界では、木といえば、材料としての木なのか意匠としての木なのか、当初から分別していないと、流通市場の原理が働いて、とんでもない安物が流れ込んできます。

 施工業者は、同じ名称の商品だから問題なしとする傾向が強い。

 これは建築業界では、商標登録の習慣がないことが災いしています。


 この業界は、事前の交通整理ができていないと、何でも有りの市場です。


 たとえば「道産ナラ」という無垢フローリングが、ある現場で指定になっていたとします。

 指定ですから、当然供給する企業も指定です。


 ただいわゆる「道産ナラ」という名前の無垢フローリングは、ネットから検索すると、軽く数十社はヒットします。

 そこには、まさにピンからキリまでの説明と価格が表示されています。


 それだけではありません。建築業界での流通では、もっと凄まじい。表があれば、裏があります。ここでは裏のルートが主流なのです。

 買い手の材木屋や工務店は、そこからできるだけ安い商品を漁ります。


 そうなると、当初の「道産ナラ」という無垢フローリングに決まった経緯が無視されます。

 建築家の思想や意匠へのこだわりは、思い切り薄められてしまいます。

 ひとつの商品を決めるまでの長い行程も無視されます。


 汗ひとつ流さなかった者、一回たりとも自分の脳で考えたことがない者にとっては、そこに至る過程の苦労話も物語りも関係ありません。

 だからマージンだけ取って「受注」しようとします。


 でもね、ここで重大な見落としがあるのです。

 それは、商品名は同じでも、なぜそこの会社が、その供給元として指名されているか考えたことがあるか?という点です。


 同じような商品名であっても、それを辿ると、「道産ナラ」であっても、北海道のどこの流通経路から支給されたものなのか。そしてそれをどこの製材所が製品化するか。

 この二点からでも、同じ「道産ナラ」でも、まるで違う製品になるのです。

 つまりここをしっかり押え、どこの経路が適正で、良品が供給されるか知っていなくては、いわゆる類似品を掴まされることになるのです。

 類似品は、本物の製品よりは、当然安い。でもその分品質は劣るし、その間を取り持つ業者の質も最低になります。

 同じような名称の商品であっても、供給元が指定されている時は、そのような事情が分かっているから、そんな弊害を避けるために指定があるのです。


 建築家の指定とは、思い付きではありません。施主のユーザーさんに対する責任を全うするために、最適の会社を指名するのです。


 「道産ナラ」という無垢フローリングでも、供給元を間違うと、後で全ての責任を負わされるのは、指定の意味を無視した誰かさんです。


 私たちも、長年仕事をしていると、ゲインが無垢の木のアドバイザーであり、コーディネーターでもあり、コンサルタントであることを知らない方に出くわすことがあります。

 そんな時は、決まってそこら辺の材木屋という見下した態度で応接されることがあります。

 それでも10社中8社は、後で誤解が解けて、むしろ信頼関係が深まるのですが、どうしても安物に引かれる業者さんには理解できないところもあります。

 そんな時は、もっともっと力強くゲインという新たな企業価値を作り出すという志を、より広く知っていただかなくてはならないと痛感します。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-28 08:07 | 木 無垢材 自然

便利な化学、命の自然

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです



 朝が、ずいぶん寒くなってきました。それと同時に、夜空が澄んで見えます。秋と冬の星座が、漆黒の夜空を明るく照らしています。

 そんな夜空の底にある地球。その地球上をあれやこれやと蠢く生物の頂点に立っているのが人間です。


 このかけがえの無い地球の自然環境を守り育む使命を持っているのも、人間です。


 でもそんな使命を負っているにも拘らず、人間はてめえ勝手な欲望のために、人を殺し、戦争を起してまでして、地球上の環境破壊に精を出しています。

 そんな大きなことでもありませんが、日常の生活や仕事の中でも、私たち人間は、経済的欲望を満たすために、大きな過ちを犯していることがしばしばあります。

 それは結果的にブーメランのように、人間の生活そのものを脅かすことになっています。


 その際たるものは、麻薬。

 そして重化学工業では地球上にない化学物質で生活物資を生産して、その多くが生物の生態系さえも破壊する事件が多発しました。

 その典型が、農薬です。

 農民の多くに癌患者がいます。農薬だらけの田畑の中で、毎日作業している環境下では、常時農薬を摂取しているのと同じです。

 そして害虫から農産物を守る目的で、化学的に作られた農薬が、害虫のみならず人間の健康を蝕んでいる実態があります。

 そして農薬が地中深く浸透した田畑は、元の自然を取り戻すことはありません。


 これだけでは収まりません。

 秘かに、でも確実に浸透している人災の公害、化学物質過敏症は、シックハウス症候群とも呼ばれていますが、人の健康に無頓着に作られた住居で生活した人の中で、個人差はあるものの、増加する一途です。

 その原因物質は、やはり化学製品である「接着剤」でした。今ではかなり改善されてはいますが、揮発性有害物質そのものがなくなったわけではありません。

 それに石油系二次加工品の塩化ビニールや表面固化剤です。

 
 まだまだあります。

 よく塗料の溶剤に使われている「イソパラフィン」は、米国のFDAが認可しているとして、日本国内でも利用されていますが、環境先進国が多いヨーロッパでは、肝臓に悪影響を及ぼす危険物質として認識されています。


 どこまでいっても、石油を原料とした化学製品が、人間の生活を追い回しているようです。

 こういった製品が生産される背景には、産業界の経済的動機があります。環境に配慮する動機は見当たりません。

 どこかで犠牲者が出た時、それからゆっくりと重い腰を上げるのが、政治であり行政です。はっきりいって、信用するに値しません。


 ゲインでは、国産の無垢の木を中心にご紹介と販売を展開していますが、それは疲弊した木の産地である山に、正当なお金をより多く還流させることを、目的のひとつにしています。

 木の産地である山が荒れると、そこに棲む動植物の生態を破壊します。それだけに収まりません。

 村の過疎化が進行して、全国各地で限界集落が生まれ、やがて人の営みが消滅してしまいます。


 これを世の流れと諦めることは、人の経済的動機を前に、なす術がないと認めることになります。

 でも日本の文化とは、木の文化と言っても過言ではありません。

 その日本の精神性と切っても切り離せない無垢の木の利用率を有効に高めることは、木の文化の復活の指標になります。

 ゲインは吹けば飛ぶような小さな会社ですが、微力ではあっても無力ではないと頑張っています。

 絶対に、この灯火を消してはならないと確信しています。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-27 09:51 | 木 無垢材 自然

運が良くなる住まいって、何?

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです


 運が良くなる住まいとは、・・・そんなもんあるわけがない。

 風水という概念を取り入れた住まいが、すべて栄えているなら、信じるに値するかもしれません。


 で、結果はどうかというと、栄えているのは、自称風水師と風水本の著者だけという皮肉。

 
 設備メーカーは、勝手に「快適」環境と称して、設備を押し売りするし、壁紙メーカーも、何やら訳の分からん成分を含浸させたクロスが「快適」だと押し売りします。

 押し売りするだけでは売れないので、テレビやいろんな媒体を利用して、イメージ広告にお金を費やす。

 そんなメーカーは、決まってカタログの出来映えにこだわります。商材を売る前に、カタログを売っている。


 工業製品を多用して、限りなく自然環境から遠ざかる。


 それが現代の家や住まいというから、人間の感性は、どんどん退化しているといって過言ではないでしょう。

 そこでは人間という霊長類の生活が犠牲にされています。

 情緒不安定と肥満、アレルギー体質を増産するような住まいは、人間を退廃させるだけです。


 人間の持つ感性や創造力、健康を活性化させる住まいという観点がないのは、バブル経済のような目的のない繁栄に翻弄されるものしか造れません。

 贅沢華美に走って、上質品格を失っては、グロテスクな将来が待っているだけです。


 運が好転する、お金が集まる住まい、・・・そんなもの、あるわけがないでしょう。

 あえて運がよくなる可能性がある住まいがあるとしたら、それはより自然の力に溢れる場であり、人々の行き来が盛んな場というしかない。

 そこに棲まう人が、自然と笑顔になる場としての住まいです。


 人の力と自然の力が相乗することで、既成にない新しい空間が生まれる場では、つねに氣が入れ替わり更新されているので、場の力が強い。

 やはりどんな近代的な設備や装置を使っても、流行を追うものには、魂がありません。

 つまり本当の力がない。

 魂あるいは考え抜かれた意匠がない製品には、打算が支配し、ウィン・ウィンの関係が元からありません。


 自然の力を巧みに取り入れ、人間の生活に最大限奉仕させる。

 その人間の心が解放されて、いろんな縁に恵まれることになる。

 そこではシンクロニシティが常識的な出来事となり、感性が高まり、交流が増えるので、セレンディピティが多発する。

 そこでは人自体が、いつも刷新されているので、最高のエネルギーを維持して、放射することになる。


 運が良くなる住まいとは、結局人自体を向上させる場なのです。

 設備や石油化学系の工業製品では、絶対に不可能な領域です。


 ・・・しかしここで考えなくてはならないことがあります。

 それは、そこに棲む人間自身の意識が低ければ、何をやっても効果が出ないということ。

 「宝の持ち腐れ」という言葉がありますが、自分自身に対する無頓着や怠慢は、自分の持っている本来の力を去勢してしまいます。

 向上心は、環境の恵みから得ることはできません。

 あくまで、自分に対する規律心。

 規律心があるだけで向上心を持っていることになりますが、便利と引き換えに、まめな気持ちを捨ててしまっては、どんな環境も穢れてしまうでしょう。

 正のシンクロニシティがあれば、負のシンクロニシティもあるのです。


 住まいや家を考え、そして選ぶ。

 大手のハウスメーカーや大手の物真似ばかりしているビルダーからは、負のシンクロニシティしか働きません。

 正の力を引き寄せましょう。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-23 11:31 | 木 無垢材 自然

木材建材市場の荒廃

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです


 今日は、ちょっとゆっくりな金曜になりそうです。

 元々今日に予定していた仕事があったのですが、片時も無駄にしたくない意識が昂じてきたせいか、思い立って、昨夜に前倒ししてやり切りました。


 内容が、ある論文の評価と批判だったため、むしろちょうど良かった。

 昼間では、外野から干渉が入りやすいので集中できません。夜は邪魔するものがないので、心ゆくまで集中できますからね。

 3時間ほど寝て、早朝のモーニングセミナーに参加。

 それまでは調子もよく勢いがあったのが、事務所に戻ると、途端に眠気が差してきた。


 批評の仕事は、二回推敲したので、まあまあの出来。納得したら、ますます眠気が、・・・。


 木材や建材の業界では、いわゆる商社という存在が、中間に介在することがしばしばあります。

 これ自体悪いことではありません。いろんな製品が流通するこの市場では、窓口をできるだけ一本に絞った方が入手しやすいし、スケールメリットが働いて、単品をそのまま注文するよりも、比較的安価で入手しやすいというメリットがあります。

 でもこれはあまで機能面の長所であって、商社に頼めば、ノーリスクで入手できるという保証は、どこにもありません。

 それに製品を作るメーカーにとっても、販売先を大手の商社に依頼することで、販売コストを下げることができます。


 もうひとつの大きなメリットは、メーカーにとって貸し倒れリスクを低減できる面です。

 メーカーが販路を拡大するのは当たり前ですが、その分多数の顧客を持てば持つほど、貸し倒れリスクも比例して増加します。

 その点、商社経由で販売すれば、回収は一本化でき、貸し倒れ、つまり焦げ付くリスクは、限りなくゼロになります。


 でも商社も商売ですから、そんなことは端から分かっています。

 じゃあ商社ではどうかというと、やはり同じ動機が働いています。

 工務店やゼネコンへの直販(直接販売)は、できるだけ避けて、間に立つ中間業者をリスク回避のために利用するのです。

 中間業者である販売店や代理店を利用して、市場の末端にまで商品情報を浸透させると同時に、末端からの代金回収のリスクを、販売店が負うことで、貸し倒れリスクを回避します。


 結局回収のリスクを、最前線というか、モノを売りたがっている業者、すなわち販売店が、全部背負うように仕向けるのが、日本独特の多段階流通システムといわれる商流の特徴です。


 では商社は、まったく直販をしないのかというと、実はそうでもないのです。

 大手ゼネコンや優良顧客には、ちゃっかり直販しています。

 大口や低リスクな顧客に対しては、販売店に任せず、直接販売を仕掛けます。これが実態ですので、ある意味末端の中間業者は、いい意味でも悪い意味でも利用されているだけなのです。


メーカーにとっては、どうでしょうか?

 リスクはないのでしょうか?・・・販売店と違った意味で、大ありなのです。

 商社には、同等製品のメーカーが複数取引していますので、外部から引合が来ると、提示するものは、メーカー名と商品名、そして価格だけです。

 商品自体の説明は皆無です。

 それは商社にとって大切な商品とは、売れる商品であって、売りたい商品ではないからです。

 売れる商品にしか興味を示さないのが商社なのです。


 ということは、メーカーが丹精込めて作った商品であっても、どんなに素晴らしいものであっても、説明責任はメーカーにあるため、売れなかったら、あくまでメーカーの責任なのです。

 そしてそんな商品であっても、いつも他メーカーとの比較という俎上に載せられてしまいます。

 そこでは、商品の性能や独自性を無視した価格競争だけが突出することになります。


 実際、材木屋や建材屋が、打合せ現場に持ち込むモノは、自社製品ではない大手建材メーカーのカタログです。

 彼らは、買ってもらいたがっているのが見え見え透け透けの販売店なので、大手建材メーカーは、委託するのではなく、無報酬で販売店を宣伝マン代わりに利用しています。


 ・・・今日は、建築業界の中の建材木材流通の中身の一端をご紹介しました。

 一通り見て分かるように、この業界では、率先してリスクを負う業者が皆無です。それなのに、ああ、それなのに、それなのに、・・・中間に陣取って、マージンの確保に血眼になる。

 オリジナリティがない、あるいはまた創造することがない場には、そこに係わる人間も企業も、やってることも皆同じです。むしろ同じことしかできない重力が働いています。

 その大きな重力場が、ここでは商社になるでしょう。

 商社が扱うと、その商品を、すべて没個性にしてしまう。一個一個の物語があれば、すべて拭い去ってしまいます。

 商社にとっては、下手なオリジナリティは、かえって販売の邪魔になるだけだからです。

 そのためこんな商流が求める究極の姿は、末端に行けば行くほど、誰も説明もしない、責任も負わないことになるのです。

 それは同時に、末端に位置する販売店自体の没個性化に拍車をかけます。ただの中間業者は、寄生虫でしかありません。

 こんな業界が販売する商品を、あなただったら買いたいと思いますか?


 以前から、商社不要論が唱えられて久しいのですが、こんな商社が大多数を占めているのが、日本の商流でもあります。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-22 11:07 | 材木・建築業界

材木ブローカーにレッドカード

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです


 いやあ、何とも忙しいのやら、ヒマなのやら、よう分からん。

 忙しいことは間違いないのですが、今だ想定外の待ちぼうけや優先順位がひっくり返って、時間のロスが発生しています。


 優先順位は、緊急&重要がナンバーワン。次に緊急。そして重要となりますが、瑣末なことだけど緊急という用事が、よく飛び込んでくるのです。

 そんなときは、ぐっと呑み込んで、あえてゆっくりと行動する。

 緊急・瑣末の用件であっても、用件は要件です。おろそかにすると、後で必ず二度手間といったしっぺ返しが待っているからです。


 …何のこと?…ですよね。


 実は、ゲインが建築家やユーザーさんと打ち合わせる内容のほとんどが、いわゆる相談会みたいな形式です。

 なぜならば、上質な無垢の木をお探しの方のために、ゲインの持つネットワークをフルに活かし、床壁材や構造材の適材適所をアドバイスすることが主な仕事だからです。

 次には、乞われれば、無垢の木のコーディネートからコンサルティングまで行います。

 いざという時は、材工一式という工事までカバーします。


 どんな要望にも、キッチリと応えることができることが、使命のひとつであります。

 だから打合せにも、当然手を抜きません。一回の打合せで要した時間が、最長7時間ということもありました。


 そこである程度アウトラインが決まれば、施工会社の競争入札の運びになります。

 それまでの要する時間は、短くても3ヶ月間、長ければ1年間かかります。

 この工程に、ゲインは当初から係わり、彼らの要望が叶えられるようにじっくりと話し合っていくのです。


 そういった工程を経て、建築家やユーザーさんの要望が形になっていくのですが、施工会社が決まった後に、ゲインの製品が指定されているにも拘らず、どういうわけか材木屋から問合せがくることがあります。

 電話の向こうからは「あんたんとこの材料が指定になっとるが、なんぼで入るか?」とか言ってくる方は、まだマシ。

 ネット価格を提示しているのに、「あと、どんだけ安くなるん?」・・・と。


 工務店さんも忙しいのでしょう。下請に任せた結果、世間でいう「材木屋」から問合せが入るときがあります。

 そして判で押したように、「なんぼ?」とか、「もっと安くならんのか?」ばかりです。

 ゲインでは、こういった世間体は「材木屋」で、実体は、ただの材木ブローカーは相手にしません。


 でも、地域地域で商流形態が異なり、たまにですが、中間業者がのさばっているケースに出くわすこともあります。

 中間マージンを取るだけの業者が多いと、必然的にユーザーさんの家の質は落ちてしまいます。建築家の意匠にも反映されなくなります。

 ゲインは、そういった悲劇をたくさん見てきました。だから何とかして、こういった悪弊だらけの業界システムに風穴を開けようと孤軍奮闘しているわけです。


 昨日は、そんな「事件」が、連続2件発生しました。いまだに化石のような連中がいた!

 それでもきちっと対応して、このステージから降りてもらいましたが、こんな作業も、ある意味避けて通れないことでもあるのです。

 でも、ちょっと疲れました。

 中間マージンを取るということは、搾取することです。あるいは掠め取ることです。

 こんなことを生業にして、習い性になってしまった業者には、私が言っていることが理解できない。

 家づくりには、人の意思が通ったプロセスがあることを知らない。

 こんなんで、「材木屋」を自称したり、「木材市場」を営業しているところがたくさんあるから唖然としてしまいます。

 ・・・瑣末なことで緊急でもないことに、時間を取られると、ホントに疲れてしまいます。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-21 08:15 | 木の家 国産材 無垢材

北のから松

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです


 今年に入って販売を開始した“北のから松”

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 ついに本格的にブレークし始めました。

 先週末から「北のから松」の打ち合わせと見積りが2件。現在設計中の物件が、他に3件あるようです。

 “皇杉”が、発売と同時に一気に広がりました。

 どんどんいろんな方に使っていただきたいゲインの無垢の木たちです。


 九州では、あまり知られていないように思える「北のから松」ですが、ゲインでは、かれこれ10年以上前から販売しています。

 あまり大々的には宣伝してこなかった「北のから松」ですが、から松大好きというファンが多いのも事実です。


 市場と流通の関係で、九州圏内では、安物の杉材が沢山出回っています。

 杉板を初めて見るユーザーさんには分かりませんが、まあこれで売り物になるんかいなと呆れる商品が、当たり前のように売り買いされています。

 それに土地柄、杉の他には、松や檜が多いのですが、これまた悲しくなるほどお粗末な製品が流通しています。


 その土地にあるから、その土地のものを使う。

 これは「地産地消」の発想ではあります。エコロジーの観点からは正しいでしょう。

 でもその土地の製品が、お粗末な安物であっても使うのかという疑問が残ります。

 
 ゲインも九州を中心に活動しているので、当然九州圏内の製品を優先したい。

 でも大した企業努力もしない製材所やメーカーが、「地産地消」にあやかって、粗悪品を流通させるのには、断固反対です。

 お客様を騙すことになってしまうようでは、プロとしての誇りが許しません。


 から松の産地は岐阜以北になるため、九州でのから松は供給できませんが、この赤みが綺麗な、そして水湿によく耐える木は、室内の床や壁はもちろん、デッキ材としても重宝されています。

 九州でも、もっともっと利用していただきたい、無垢の木のひとつです。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-19 10:19 | 木の家 国産材 無垢材

平成の「太閤検地」が必要です

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです


 先日の予算委員会での質疑で、民主党の女性議員が、森林需要や保護のために質問に立っていました。


 10年現在での木材自給率は27%までに復活していました。しかしこの20年間で、有用な森林面積は4.8倍に膨れ上がっているという資料を提出していました。

 もっと日本の木を有効利用することと、日本の国土である森林が、ザル法のために、海外資本に買収されていることへ危機感を表していました。

 成立して50年以上も経過して、全く修正もないまま適用されているために、現下の情勢に、有効な手立てを打てない法律が多過ぎる。


 木材自給率が、この5年間で上昇した理由については言及していませんでしたが、ここが大切な部分だったのに、残念です。

 経済的な動機が殆どを占めています。つまりこれまで安値で流入していた輸入木材が、相対的に高騰したことで、建築業界の目が国内に向いたということです。

 これには乾燥技術の飛躍的な向上が一因となっています。しかしそれ以外では、現状はほとんど変わっていません。


 森林所有者や林業家といわれる人々を糾合するような制度が、この日本にはありません。

 だから海外資本に、簡単に付け込まれるのです。


 海外では当たり前のように運用されているシステムが日本にはないため、森林管理や木材供給のシステムが、完全に時代遅れとなっています。

 木材自給率が、主体的な結果であれば評価できますが、あくまで海外の情勢の相対的な結果でしかないため、これ以上の上昇は望めないでしょう。

 この問題を解決するためには、森林の所有形態を合理化して、横のつながりの上で運用する可能性を創り出さなくてはなりません。


 そのためには、平成の「太閤検地」を実施することから始める必要があるでしょう。


 混交林を意図的に増加させ、これまで既成事実化してきた杉や檜の単一林を減らす。

 杉もヒノキも、すでに利回りだけで赤字ですので、価値を高めるためにも、品質の低い樹種は、あえて減らし、高品質の樹種を計画的に造林すること。

 そしてその所有については、山林を元にセグメント化して、新たな地図を作り、国と地方で、情報を一括管理する。

 植林地では、まず搬出用の林道を計画的に配置した上で、森林をつくること。供給と育林を同時に管理できるようにすること。


 ざっと思いつくだけでも、これぐらいは簡単に出てきます。

 そのためには、現下の森林行政システムを抜本的に刷新しなくてはならないでしょう。

 目先の利得にしがみつく者は、官僚であれ政治家であれ、また民間企業であっても、すべて排除する必要があります。

 日本という国土を、日本の森林を、そして日本の無垢の木をこよなく愛する者たちだけで率先しなくてはならないということは、いうまでもありません。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-18 08:03 | 木の家 国産材 無垢材

青森ヒバに決まるもうひとつの理由

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです


 昨日は、ヒバをお話をしました。

 青森ヒバと能登ヒバについて、比較対照しても、あまり意味がありませんが、その時々で使い分けができれば良いぐらいです。

 ただ流通の面からいうと、九州から見ると、能登より青森の方がはるかに遠いにもかかわらず、運送コストは、青森の方が安く済みます。

 運送という流通のネットワークに穴があると、こんな珍現象がしばしば発生します。

 運送料も、コストの一部なので無視できませんが、やはりユーザーさんは、気に入った無垢の木そのものが欲しいわけで、その気持ちが勝つと、運送料はそれほど気になるものでもないようです。

 でも無垢の木のコンサルタントとしては、この問題はやはり乗り越えなくてはなりません。


 ある時、能登ヒバのサンプルを、長さ1メートルで1枚だけを送ってもらったことがあります。

 その時の送料は、たった一枚で、なんと2000円も取られました。産地に問い合わせると、一束だと、送料は5000円以上といいます。

 …馬鹿馬鹿しくなって、そのF製材さんには悪いけど、採用は自ら中止したことがあります。

 北海道からでも、2000円を超すことはありません。青森からでも、高くて1500円ぐらいなのに、石川県からで5000円以上というのではね、…10束で、5万以上も送料が掛かる!はっきりって非常識です。


 確かに、流通事情が芳しくない地域はあります。木の産地は、基本的には山の中にあるため、何もしなければ流通コストが上がるのは分かります。

 でも企業努力もせずに、単に近くの運送会社に委託するのでは、ユーザーさんに余計なお金を要求することになります。…これじゃあ、いかんでしょう。

 世間を知らないで、勝手に「お山の大将」を気取っているから、時代と人々から見捨てられるという面を無視してはいけません。このことは、志とは無縁の、怠慢から出た悪弊というものです。


 全国の木の産地では、本当に一所懸命に頑張って仕事に専念しておられる職人さんは多くいます。でもはっきりいって、そんな方は、全体の三割もいれば良い方でしょう。

 ゲインは、その3割の方の中の、それまた3割の産地の方としか付き合っていません。

 ゲインも真剣。産地の方も、当然真剣に頑張ってもらわなければなりません。


 さてさて、そんなこんなで、昨日伺った建築家のIさんに提案した浴室の壁は、結局青森ひばに決定しました。

 浴室なので、採用する数量は少ないのですが、おそらく更衣室まで範囲が広がるでしょう。


 今日から、北九州の建築家のお一人Yさんの物件が動き始めました。有料老人ホームですが、部分的にゲインの“北のから松”が決定。

 早速、図面読みから開始です。収まりなどを考えながら、頭の中はほとんど施工図状態になっています。

 来週から、入札候補の業者さんから問合せが殺到することになっています。だから今日と明日でやり切らなくてはなりません。

 と言ったものの、今日は福岡の物件の内、三件のそれぞれの施工業者の方との挨拶がてらの打合せが待っています。

 まったく時間の余裕がありません。…スタート!です。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-16 10:56 | 木の家 国産材 無垢材

青森ヒバと能登ヒバとは…

日本の住まいを良くする無垢材研究会(日本フォレス党)

                 住まいの木案内舎ゲインのゴトウです



 昨日は、相談会が一件。そして新たに指定を頂いた物件対応に追われました。

 ゲインでは、建築家の作った図面から積算作業もできるためか、入札業者からは、のっけから数量も教えてくれといわれることがしばしば。

 確かにバッチリ積算はして数量は把握しているのですが、入札は入札です。参加業者の方で、しっかり積算してほしいところです。


 後は、やっぱり人間同士。

 紳士的に打診してくれれば、当然こちらも紳士的に対応します。

 その逆も、また然りで、初対面の相手から、上から目線でモノを言われれば、「こいつ、どんな環境で育ったヤツか!」と、ブチギレそうになります。

 心が荒んだら、必要もないトラブルを自ら招くだけではなく、せっかくのチャンスを遠ざけてしまいます。…ゲインを、舐めてはいけませんよ(笑)


 今日は、北九州小倉の建築家Iさんに頼まれていた“青森ひば”の壁板のサンプルをお届けに行きます。

 そこでちょっと“ひば”という木について一言です。


 ゲインでは、日本にあるヒバとして、上質上等級材として“青森ひば”を、中質節有り材として“能登ヒバ”をお薦めしています。

 これは使い分けする素材で、どちらが良いというものではありません。

 それぞれの地方で、いろんな場面で役に立っている木だから、優劣を言っても仕方ありません。


 ただユーザーさんや建築家が判断するためには、最低限の情報は必要でしょう。

 どちらの産地も、お互いに無視し合っているためか、本当の情報というか選択基準になる情報が少ないのです。

 そこで、ゲインの出番になります。


 歴史面から:

 青森ヒバは、200万年前から、日本に自生生長していたヒノキ科の木。

 能登ヒバは、江戸時代、当時の藩士が、留山である青森ヒバの山から苗木を取り、能登の山に移植したもの。


 青森ヒバは、元々青森一帯ではなく、岩手、宮城においても群生が見られ、古代からは九州までの広い範囲に自生していた。

 江戸時代に、「木曽五木」と呼ばれて、そのひとつに「ひば」が含まれていた。


 以前、その「ひば」は能登ヒバのことを差すという人がいました。果たして、そうだろうか?

 木曽地方から見れば、能登は確かに近い。でも御岳山から白山、立山に阻まれて、流通面は、当時では不可能に近い。

 むしろ当時から自生していたヒバ、すなわち現在の青森ひばの自生林の木曽地方ということであれば、自然と納得できます。


 ヒバやヒノキは、戦国時代に乱伐されて、安土時代にいては、まともな柱に使える丸太にも事欠く有様だったという事実から考えても、また能登ヒバが江戸時代の移植林であったことからも、日本のヒバとは、現在の青森ヒバを差すと思われます。

 移植林ということもありますが、能登地方の気候風土で育った青森ヒバは、適応するために、かなり変化して進化したようです。

 …おっと時間がなくなりました。

 次の機会に、ヒバの機能性能について、じっくりとお話したいと思います。


住まいの木案内舎ゲイン
by MUKUZAIKENKYU | 2010-10-15 08:30 | 木の家 国産材 無垢材